(R6.5.31まで)【医療区分⑧】経鼻胃管や胃瘻等の経腸栄養が行われており、かつ、発熱又は嘔吐を伴う状態
R6年度の診療報酬改定により、医療区分の評価は新しくなりました。
【医療区分⑧】経鼻胃管や胃瘻等の経腸栄養が行われており、かつ、発熱又は嘔吐を伴う状態の概要
医療区分 | 算定期間 |
---|---|
医療区分2 | 算定期間に限りのある医療区分 最大7日間 |
項目の定義 |
経鼻胃管や胃瘻等の経腸栄養が行われており、かつ、発熱又は嘔吐を伴う状態 |
評価の単位 |
1日毎 |
留意点 |
発熱又は嘔吐に対する治療を行っている場合に限る。 連続する7日間を限度とし、8日目以降は該当しないものとする。ただし、一旦非該当となった後、再び病状が悪化した場合には、本項目に該当する。 |
- その他の「医療区分」を索引 ※クリックすると開きます
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≪算定期間に限りのある医療区分≫
- 医療区分①:24時間持続点滴
- 医療区分②:尿路感染症
- 医療区分③:リハビリテーション
- 医療区分④:脱水
- 医療区分⑤:消化管等からの出血
- 医療区分⑥:頻回の嘔吐
- 医療区分⑦:せん妄
- 医療区分⑧:経腸栄養
- 医療区分⑨:頻回の血糖検査
≪算定期間に限りのない医療区分≫
- 医療区分⑩:スモン
- 医療区分⑫:常時、監視・管理
- 医療区分⑬:中心静脈栄養
- 医療区分⑭:人工呼吸器
- 医療区分⑮:ドレーン法
- 医療区分⑯:気管切開・気管内挿管+発熱
- 医療区分⑰:酸素療法(高密度)
- 医療区分⑱:感染症の治療
- 医療区分⑲:筋ジストロフィー症
- 医療区分⑳:多発性硬化症
- 医療区分㉑:筋委縮性側索硬化症
- 医療区分㉒:パーキンソン病
- 医療区分㉓:その他の指定難病等
- 医療区分㉔:脊髄損傷
- 医療区分㉕:慢性閉塞性肺疾患
- 医療区分㉖:人工腎臓等
- 医療区分㉙:悪性腫瘍
- 医療区分㉚:肺炎
- 医療区分㉛:褥瘡
- 医療区分㉜:下肢末端の開放創
- 医療区分㉝:うつ症状
- 医療区分㉞:他者に対する暴行
- 医療区分㉟:喀痰吸引
- 医療区分㊱:気管切開・気管内挿管
- 医療区分㊲:創傷、皮膚潰瘍等
- 医療区分㊳:酸素療法
評価の要点(医療区分⑧:経腸栄養)
医療区分⑧の「経鼻胃管や胃瘻等の経腸栄養が行われており、かつ、発熱又は嘔吐を伴う状態」では、経腸栄養+発熱または嘔吐という状態なのを確認する必要があります。
また、算定期間は7日間が限度なので、一度状態が治癒しないと再度該当することにはなりません。
評価票に記入をするときの確認事項
医療区分・ADL区分等に係る評価票にチェックをするときには、下記の内容についてきちんとできているか確認しましょう!!
「経鼻胃管や胃瘻等の経腸栄養が行われており、かつ、発熱または嘔吐を伴う状態」を定義に基づいて適切に分類している。
- 発熱または嘔吐に対する治療を実施し、診療録に記載している。
- 各種の検査を実施して、発熱・嘔吐の原因を明確にする努力をしている。
- 連続する7日間を限度とし、症状が継続しても8日目以降非該当であることを理解している。
※発熱又は嘔吐に対する治療を行っている場合に限る。
※継続する7日間を限度とし、8日目以降は該当しないものとする。ただし、一旦非該当となった後、再び病状が悪化した場合には、本項目に該当する。
※治療には、氷枕・水分補給も含む。
※評価の単位は1日毎とする。
評価票のチェック事例
医療区分⑧の「経鼻胃管や胃瘻等の経腸栄養が行われており、かつ、発熱又は嘔吐を伴う状態」の医療区分・ADL区分等に係る評価票へのの記入例です。参考にされてください。
経鼻経管栄養の患者
日 | 状態 | 評価票 |
---|---|---|
1日目 | 経鼻経管 発熱 | チェック可 |
2日目 | 経鼻経管 発熱 | チェック可 |
3日目 | 経鼻経管 発熱 | チェック可 |
4日目 | 経鼻経管 発熱 | チェック可 |
5日目 | 経鼻経管 発熱 | チェック可 |
6日目 | 経鼻経管 発熱 | チェック可 |
7日目 | 経鼻経管 発熱 | チェック可 |
8日目 | 経鼻経管 嘔吐 | 8日目以降 非該当 |
9日目 | 経鼻経管 嘔吐 | 8日目以降 非該当 |
10日目 | 経鼻経管 | ー |
11日目 | 経鼻経管 | ー |
12日目 | 経鼻経管 発熱 | チェック可 |
13日目 | 経鼻経管 発熱 | チェック可 |
14日目 | 経鼻経管 | ー |
15日目 | 経鼻経管 嘔吐 | チェック可 |
16日目 | 経鼻経管 嘔吐 | チェック可 |
Q&A(医療区分⑧:経腸栄養)
以前、当サイトへのあった質問とその回答です。
評価の際には各種検査を実施する必要はあるのか?[H29.11.2]
【評価票にチェックをするときの確認事項】に記載されている「各種検査を実施する」は医療区分の算定要件でしょうか?
「各種検査を実施する」ことは必須の算定要件ではありませんが、「発熱・嘔吐」がある場合には、その原因を調べるために検査等を行うと思われます。
そのため、算定要件以前に何かしらの検査を実施されているものと考えております。
発熱を繰り返す場合の評価について[H29.11.2]
頻回に発熱を繰り返す場合は、その都度算定できますか?
頻回に発熱を繰り返すということは、一旦発熱が落ち着き本項目を非該当になるということでしょうか?
もし、一旦発熱が落ち着き本項目を非該当になり、その後再び病状が悪化し発熱した場合には、本項目に該当することになりチェックが可能になるものと考えられます。
ただし、毎日連続した発熱が続いている場合には、7日間を限度としますので8日目以降は本項目が非該当になりチェックができなくなるものと考えられます。
医療区分にあてはまるか?[H29.9.8]
経鼻経管栄養の患者様で、発熱と脱水で24時間点滴を開始されました。
「脱水症」の病名がつき、点滴の治療をその日から10日間実施しました。
その間、発熱に対する治療としてクーリングの処置をしています。
ただ、10日間連続での発熱に対する処置の記録はありません。
1日おきの頻度で、発熱とその処置はされています。
この場合、「[1]24時間持続して点滴を実施している状態」「[4]脱水に対する治療を実施している状態、かつ、発熱を伴う状態」「[8]経鼻胃管や胃瘻等の経腸栄養が行われており、かつ、発熱又は嘔吐を伴う状態」のチェックを該当日のみで算定できますでしょうか?
「[4]」「[8]」のチェックは必ずしも同じだけチェックの必要性がありますでしょうか?
ご質問内容では、患者様に対してどのような検査(採血や尿量チェックなど)・治療・処置をされているかわかりずらい部分もあり、お答えしにくい部分があります。
それぞれの医療区分項目の「留意点」の内容ににおいては、検査が必要なものもありますので、患者様の診療録を確認の上、各医療区分の「留意点」及び「項目のチェック方法」と照らし合わせて、医療区分項目に該当するか確認をお願いします。
ご質問の患者様の状態、「経鼻経管栄養」「発熱」「脱水」「24時間点滴」で、「留意点」を満たす治療や検査等を実施し、診療録への記載等もきちんとしているのであれば、「[1]24時間持続して点滴を実施している状態」「[4]脱水に対する治療を実施している状態、かつ、発熱を伴う状態」「[8]経鼻胃管や胃瘻等の経腸栄養が行われており、かつ、発熱又は嘔吐を伴う状態」の医療区分のチェックを行うことは可能だと考えらます。
発熱の定義[H28.6.3]
医師の指示があり発熱の下限値が37.0℃で氷枕やアイスノンの治療をしていますが、[8]を7日間とれますか?
発熱の定義につきましては、当サイトには ”37.8~38℃” としておりますが、医師の判断によるもので良いと思われます。
37.0℃で医師の指示により、氷枕やアイスノンを使用し治療をしているのであれば、「発熱の治療」に該当するものと思われます。
あくまでも、医師の判断ですので、治療の指示をもらいカルテへの記載を行ってください。
該当・非該当は、「発熱の治療」を行っている期間を該当とすることでよいと思われます。つまり、発熱の治療をしていれば、最大で連続して7日間はチェックをすることができます。