(R6.5.31まで)【医療区分④】脱水に対する治療を実施している状態、かつ、発熱を伴う状態
R6年度の診療報酬改定により、医療区分の評価は新しくなりました。
【医療区分④】脱水に対する治療を実施している状態、かつ、発熱を伴う状態の概要
医療区分 | 算定期間 |
---|---|
医療区分2 | 算定期間に限りのある医療区分 最大30日間 |
項目の定義 |
脱水に対する治療を実施している状態、かつ、発熱を伴う状態 |
評価の単位 |
1日毎 |
留意点 |
発熱に対する治療を行っている場合に限る。 尿量減少、体重減少、BUN/Cre比の上昇等が認められ、脱水に対する治療を実施している状態。 連続した7日間を超えて脱水に対する治療を行った場合は、8日目以降は該当しない。ただし、一旦非該当となった後、再び病状が悪化した場合には、本項目に該当する。 |
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≪算定期間に限りのある医療区分≫
- 医療区分①:24時間持続点滴
- 医療区分②:尿路感染症
- 医療区分③:リハビリテーション
- 医療区分④:脱水
- 医療区分⑤:消化管等からの出血
- 医療区分⑥:頻回の嘔吐
- 医療区分⑦:せん妄
- 医療区分⑧:経腸栄養
- 医療区分⑨:頻回の血糖検査
≪算定期間に限りのない医療区分≫
- 医療区分⑩:スモン
- 医療区分⑫:常時、監視・管理
- 医療区分⑬:中心静脈栄養
- 医療区分⑭:人工呼吸器
- 医療区分⑮:ドレーン法
- 医療区分⑯:気管切開・気管内挿管+発熱
- 医療区分⑰:酸素療法(高密度)
- 医療区分⑱:感染症の治療
- 医療区分⑲:筋ジストロフィー症
- 医療区分⑳:多発性硬化症
- 医療区分㉑:筋委縮性側索硬化症
- 医療区分㉒:パーキンソン病
- 医療区分㉓:その他の指定難病等
- 医療区分㉔:脊髄損傷
- 医療区分㉕:慢性閉塞性肺疾患
- 医療区分㉖:人工腎臓等
- 医療区分㉙:悪性腫瘍
- 医療区分㉚:肺炎
- 医療区分㉛:褥瘡
- 医療区分㉜:下肢末端の開放創
- 医療区分㉝:うつ症状
- 医療区分㉞:他者に対する暴行
- 医療区分㉟:喀痰吸引
- 医療区分㊱:気管切開・気管内挿管
- 医療区分㊲:創傷、皮膚潰瘍等
- 医療区分㊳:酸素療法
評価の要点(医療区分④:脱水)
医療区分④の「脱水に対する治療を実施している状態、かつ、発熱を伴う状態」では、脱水に対する治療だけではなく発熱も伴っていなければ評価票へのチェックはできないことに気を付ける必要があります。
また、最大7日間までなので、それ以降も治療を続ける場合には評価票へのチェックはできません。
評価票に記入をするときの確認事項
医療区分・ADL区分等に係る評価票にチェックをするときには、下記の内容についてきちんとできているか確認しましょう!!
「脱水に対する治療を行っている状態」を定義に基づいて適切に分類している。
- 尿量の減少やBUN/CRE比の上昇等により判断している。
- 水分補充や点滴などの治療を実施している。
- 治癒については、医師が診断しその根拠を診療録に記載している。
- 一旦治癒しなければ、新たには本項目に該当しないことを徹底している。(7日間を超えて治癒しない場合、8日目以降は非該当とする)
※尿量減少、体重減少、BUN/CRE比の上昇が認められ、脱水に対する治療を実施している状態。
※連続した7日間を超えて脱水に対する治療を行った場合は、8日目以降は該当しない。ただし、一旦非該当となった後、再び病状が悪化した場合には本項目に該当する、ということを理解しているかどうか確認する。
※評価の単位は1日毎とする。
評価票の記入例
医療区分④の「脱水に対する治療を実施している状態、かつ、発熱を伴う状態」の医療区分・ADL区分等に係る評価票へのの記入例です。参考にされてください。
評価票の記入例①
脱水と診断(発熱も伴う)。1週間後症状改善。
日 | 状態 | 評価票 |
---|---|---|
1日目 | 脱水処置 バイタルチェック | チェック可 |
2日目 | 脱水処置 バイタルチェック | チェック可 |
3日目 | 脱水処置 バイタルチェック | チェック可 |
4日目 | 脱水処置 バイタルチェック | チェック可 |
5日目 | 脱水処置 バイタルチェック | チェック可 |
6日目 | 脱水処置 バイタルチェック | チェック可 |
7日目 | 脱水処置 バイタルチェック 症状改善 | チェック可 |
8日目 | ー | 非該当 |
評価票の記入例②
脱水と診断(発熱も伴う)。10日後症状改善。
日 | 状態 | 評価票 |
---|---|---|
1日目 | 脱水処置 バイタルチェック | チェック可 |
2日目 | 脱水処置 バイタルチェック | チェック可 |
3日目 | 脱水処置 バイタルチェック | チェック可 |
4日目 | 脱水処置 バイタルチェック | チェック可 |
5日目 | 脱水処置 バイタルチェック | チェック可 |
6日目 | 脱水処置 バイタルチェック | チェック可 |
7日目 | 脱水処置 バイタルチェック | チェック可 |
8日目 | 脱水処置 バイタルチェック | 非該当 |
9日目 | 脱水処置 バイタルチェック | 非該当 |
10日目 | 脱水処置 バイタルチェック | 非該当 |
評価票の記入例③
脱水と診断(発熱も伴う)。10後症状改善。その3日後、病状悪化。脱水と診断(発熱も伴う)。
日 | 状態 | 評価票 |
---|---|---|
1日目 | 脱水処置 バイタルチェック | チェック可 |
2日目 | 脱水処置 バイタルチェック | チェック可 |
3日目 | 脱水処置 バイタルチェック | チェック可 |
4日目 | 脱水処置 バイタルチェック | チェック可 |
5日目 | 脱水処置 バイタルチェック | チェック可 |
6日目 | 脱水処置 バイタルチェック | チェック可 |
7日目 | 脱水処置 バイタルチェック | チェック可 |
8日目 | 脱水処置 バイタルチェック | 非該当 |
9日目 | 脱水処置 バイタルチェック | 非該当 |
10日目 | 脱水処置 バイタルチェック 症状改善 | 非該当 |
11日目 | ー | ー |
12日目 | ー | ー |
13日目 | 病状悪化 脱水処置 バイタルチェック | チェック可 |
14日目 | 脱水処置 バイタルチェック | チェック可 |
15日目 | 脱水処置 バイタルチェック | チェック可 |
16日目 | 脱水処置 バイタルチェック | チェック可 |
Q&A(医療区分④:脱水)
以前、当サイトへあった質問とその回答です。
脱水の医療区分にあてはまるか?[H29.9.8]
経鼻経管栄養の患者様で、発熱と脱水で24時間点滴を開始されました。
「脱水症」の病名がつき、点滴の治療をその日から10日間実施しました。
その間、発熱に対する治療としてクーリングの処置をしています。
ただ、10日間連続での発熱に対する処置の記録はありません。
1日おきの頻度で、発熱とその処置はされています。
この場合、「[1]24時間持続して点滴を実施している状態」「[4]脱水に対する治療を実施している状態、かつ、発熱を伴う状態」「[8]経鼻胃管や胃瘻等の経腸栄養が行われており、かつ、発熱又は嘔吐を伴う状態」のチェックを該当日のみで算定できますでしょうか?
「[4]」「[8]」のチェックは必ずしも同じだけチェックの必要性がありますでしょうか?
ご質問内容では、患者様に対してどのような検査(採血や尿量チェックなど)・治療・処置をされているかわかりずらい部分もあり、お答えしにくい部分があります。
それぞれの医療区分項目の「留意点」の内容ににおいては、検査が必要なものもありますので、患者様の診療録を確認の上、各医療区分の「留意点」及び「項目のチェック方法」と照らし合わせて、医療区分項目に該当するか確認をお願いします。
ご質問の患者様の状態、「経鼻経管栄養」「発熱」「脱水」「24時間点滴」で、「留意点」を満たす治療や検査等を実施し、診療録への記載等もきちんとしているのであれば、「[1]24時間持続して点滴を実施している状態」「[4]脱水に対する治療を実施している状態、かつ、発熱を伴う状態」「[8]経鼻胃管や胃瘻等の経腸栄養が行われており、かつ、発熱又は嘔吐を伴う状態」の医療区分のチェックを行うことは可能だと考えらます。