LDHとアイソザイム|検査の基準値
クワホピ
LDHの基準値
119~229(IU/L)
Contents
LDHの定義
LDH(乳酸脱水素酵素、LD)
lactic acid dehydrogenase
LDHは生体のほとんどの組織に存在し、解糖系の最終段階でNAD、NADHを補酵素として乳酸とピルビン酸の反応系を触媒する酵素です。
血清中LDHは、H型(心筋型)、M型(骨格筋型)の2種の異なるサブユニットからできておいて、電気泳動によって5種類のアイソザイムに分離されます。
正常値(%) | 臓器 | |
---|---|---|
LDH 1 | 25 ~ 35 | 心臓、腎、赤血球 |
LDH 2 | 35 ~ 40 | 心臓、腎、赤血球 |
LDH 3 | 24 ~ 28 | 肺、肝、骨格筋 |
LDH 4 | 2 ~ 7 | 肝、副腎、甲状腺 |
LDH 5 | 2 ~ 5 | 肝、副腎、甲状腺 |
LDHアイソザイムは臓器特異性があり、各臓器の障害に伴い、相応するアイソザイムの上昇をみます。
AST、ALTと同様に逸脱酵素のため、臨床上問題になるのは高値の場合です。
心筋疾患においては、LDHと同時にAST、CKの上昇がみられます。
また、肝疾患ではAST、ALTの上昇を伴います。
LDHの異常とその原因
LDHが高値の場合
LDHが高値の場合には、以下のことが考えられます。
- LDH1・LDH2の増加
・心筋梗塞
・腎梗塞
・悪性貧血
・溶血性貧血 など - LDH2 または LDH2・LDH3の増加
・肺梗塞
・白血病
・悪性リンパ腫 など - LDH2・LDH4・LDH5の増加
・転移性肝臓癌など - LDH5の増加
・急性肝炎
・脂肪肝
・原発性肝臓癌 など