HTLV検査(ヒトT細胞白血病ウイルス検査)|検査の基準値
クワホピ
HTLV検査の概要
HTLV検査(ヒトT細胞白血病ウイルス検査)は、HTLV-1ウイルスに感染しているかを調べる検査です。
HTLV-1に感染すると体内で抗体が作られるため、それを検出することで感染の有無を確認できます。
HTLV-1は、成人T細胞白血病(ATL)やHTLV-1関連脊髄症(HAM)などの病気を引き起こす可能性があります。
成人T細胞白血病(ATL)が疑われるときには、LDH、AST(GOT)、血清カルシウムの値が上昇します。
HTLV陽性の場合の検査の進め方としては、血液像、骨髄像、リンパ球表面マーカー(CD3、CD4、CD25、HLA-DRなど)の検査を実施します。
HTLV検査を受ける理由
- 妊娠時のスクリーニング(母子感染予防)
- 献血前のチェック(日本の献血ではHTLV-1検査が義務付けられています)
- 症状がある場合(原因不明の神経症状、皮膚炎、リンパ腫の疑いなど)
- 家族にHTLV-1感染者がいる場合
HTLV-1の感染経路
- 母子感染(主に母乳を介して)
- 輸血(現在は献血時に検査が行われるため、リスクは低い)
- 性行為(感染者との性行為による感染)
- 針の共用(まれに医療行為や薬物使用で感染)
HTLV検査の種類と基準値
HTLV検査の種類
HTLVの検査には以下の方法があります。
① スクリーニング検査(一次検査)
- 酵素免疫測定法(EIA) や 化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)
- HTLV-1抗体の有無を調べる最初の検査
- 陽性または疑陽性の場合、確認検査が必要
② 確認検査(二次検査)
スクリーニング検査で陽性または疑陽性の場合、さらに詳細な検査を行います。
- ウエスタンブロット法(WB)
- HTLV-1特異的な抗体を確認する検査
- ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
- HTLV-1ウイルスの遺伝子(DNA)を検出する方法
- 特に母子感染の診断や、感染の確定に有効
HTLV検査の基準値
① スクリーニング検査(ELISA法やCLEIA法など)
- 基準値(陰性): カットオフ値未満
- 陽性の場合: 確定検査へ進む
② 確定検査(ウエスタンブロット法、PCR法)
- ウエスタンブロット法(WB法): 特定のバンドが確認されれば陽性
- PCR法: HTLV-1の遺伝子が検出されれば陽性
HTLV検査が陽性の場合
HTLV検査が高値の場合には、以下のことが考えられます。
- 原因となる疾患
- 成人T細胞白血病(ATL)
- HTLV-Ⅰキャリア
- HTLV-Ⅰ関連ミエロパシー(HAM)
- 検査の流れ
- スクリーニング検査
・ゼラチン粒子凝集法(PA法)
・酵素免疫法(EIA法)
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陽性
⇩⇩⇩⇩⇩⇩ - 確認試験
・ウエスタンブロット法(WB法)
・間接蛍光抗体法(IFA法)
- スクリーニング検査