中性脂肪(トリグリセリド)|検査の基準値
クワホピ
中性脂肪(トリグリセリド)の基準値
30~149(mg/dL)
中性脂肪(トリグリセリド)の定義
中性脂肪(トリグリセリド)
TG : triglyceride
中性脂肪(トリグリセリド)は、食事によって摂取される脂肪のほとんどを占めていて、血中ではカイロミクロンや超低比重リポ蛋白(VLDL)として存在しています。
中性脂肪はグリセリンと脂肪酸がエステル結合したもので、エネルギー源として使われ、余分なものは脂肪組織や肝臓に貯蓄されます。
この貯蔵能には制限がなく、これが肥満の原因になります。
中性脂肪(トリグリセリド)変動の原因としては、以下の4つがあります。
- 肝臓での排泄障害(高値)、重症肝障害などによる肝臓での合成障害(低値)
- 生理的変動
- アポ蛋白異常
- 酵素異常
肝臓で合成されるリポ蛋白
肝臓で合成されるリポ蛋白には比重の異なる4つのものがありますが、このうち中性脂肪(トリグリセリド)は、血中で超低比重リポ蛋白(VLDL)として存在します。
比重による分類 | 中性脂肪量 | 蛋白量 |
---|---|---|
カイロミクロン | 多い | 少ない |
超低比重リポ蛋白 (VLDL) | ⇅ | ⇅ |
低比重リポ蛋白 (LDL) | ⇅ | ⇅ |
高比重リポ蛋白 (HDL) | 少ない | 多い |
中性脂肪(トリグリセリド)の異常とその原因
中性脂肪(トリグリセリド)が高値の場合
中性脂肪(トリグリセリド)が高値の場合には、以下のことが考えられます。
- 家族性高脂血症
- 高カイロミクロン血症
- 糖尿病、肥満症、甲状腺機能低下症
- 食事性および薬剤性高トリグリセリド血症
- 閉塞性黄疸
中性脂肪(トリグリセリド)が低値の場合
中性脂肪(トリグリセリド)が低値の場合には、以下のことが考えられます。
- 無βリポ蛋白血症、低βリポ蛋白血症
- 甲状腺機能亢進症、アジソン病
- 肝硬変、慢性肝炎、肝不全
- 吸収不良症候群