生化学検査

【検査の基準値】総コレステロール(TC)

クワホピ
総コレステロール(TC)の基準値

128~219(mg/dL)

総コレステロール(TC)の定義

総コレステロール

TC : total cholesterol

血液中のコレステロールは、脂肪酸と結合していない遊離型コレステロールと脂肪酸と結合した状態であるエステル型コレステロールの2種類の形で存在し、この2つを併せて総コレステロールと呼びます。

遊離型コレステロール脂肪酸と結合していない約30%
エステル型コレステロール脂肪酸と結合している約70%

コレステロールは体内に広く分布し、細胞膜の構成、胆汁やステロイドホルモンの前駆物質になるなどの重要な機能を担っています。

動脈硬化の診断には、HDL-コレステロールトリグリセリド(TG)との関連が重要になります。

総コレステロールの変動をきたす原因

総コレステロールは以下の原因によって変動をきたします。

  1. アポリポ蛋白異常
  2. コレステロール合成の亢進・低下、およびコレステロール排泄異化障害・摂取不良
  3. レセプター異常
  4. 生理的変動

食事による変動は短期間ではみられませんが、長期的には影響を受けることがあります。

また、季節変動や女性では閉経による影響もみられます。

生理的日差変動は大きく、健常人で約20mg/dLの幅があります。

肝臓で合成されるリポ蛋白

総コレステロールには肝臓で合成される内因性のものと、食物摂取による外因性のものがあり、これらは水に溶けないので、血清中では蛋白質と結合しリポ蛋白として存在します。

肝臓で合成されるリポ蛋白には、比重の異なる以下の4つのものがあります。

比重による分類中性脂肪量蛋白量
カイロミクロン多い少ない
超低比重リポ蛋白
(VLDL)
低比重リポ蛋白
(LDL)
高比重リポ蛋白
(HDL)
少ない多い

総コレステロール(TC)の異常とその原因

総コレステロール(TC)が高値の場合

総コレステロール(TC)が高値の場合には、以下のことが考えられます。

  1. 原発性
     ・家族性高コレステロール血症
     ・複合型高脂血症
  2. 続発性
     ・ネフローゼ症候群
     ・甲状腺機能亢進症
     ・クッシング症候群
     ・末端肥大症
     ・肝炎
     ・胆汁性肝硬変
     ・糖尿病

総コレステロール(TC)が低値の場合

総コレステロール(TC)が低値の場合には、以下のことが考えられます。

  1. 原発性
     ・α-リポ蛋白欠損症、無βリポ蛋白血症あるいは低βリポ蛋白血症
  2. 続発性
     ・甲状腺機能亢進症
     ・劇症肝炎
     ・肝硬変
     ・アジソン病

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