血清カルシウム(Ca)|検査の基準値
クワホピ
血清カルシウム(Ca)の基準値
8.7~10.3(mg/dL)
血清カルシウム(Ca)の定義
生体内に存在するカルシウム(Ca)は、約98%は骨組織内に集まっており、残りの2%は蛋白(アルブミン)と結合した形、またはCaイオンとして体液中に存在しています。
カルシウムの生理的作用
- 細胞の浸透圧調整
- ナトリウムおよびカリウムイオンとの拮抗作用
- 筋内や神経の興奮性の調整
- 神経刺激伝導
- 酵素の活性化
高カルシウム血症の原因
- 骨破壊によるカルシウム漏出
- 副甲状腺機能亢進によるカルシウム吸収促進
- ビタミンD中毒(ビタミンDはカルシウム吸収を促進)
低カルシウム血症の原因
- 副甲状腺機能低下
- ビタミンD欠乏症
- 慢性腎不全によるカルシウム再吸収の減少
血清カルシウムは、ビタミンDやアルカリ性フォスファターゼ(ALP)との関連も重要になります。
血清Ca | 血清P | 血清ALP | 尿中Ca | 尿中V.D | |
---|---|---|---|---|---|
副甲状腺機能亢進症 | ↑ | ↓ | ↑ | ↑ | ↑ |
副甲状腺機能低下症 | ↓ | ↑ | → | ↓ | ↓ |
「↑:上昇、↓:低下、→:正常」
血清カルシウム(Ca)の異常とその原因
血清カルシウム(Ca)が高値の場合
血清カルシウム(Ca)が高値の場合には、以下のことが考えられます。
カルシウムは、リン(P)と共存する関係にあり、疾患の推定には血清リン値を含めた検索が必要になります。
- 血清リン(P) 増加、又は正常
・ビタミンD過剰症
・多発性骨髄腫 - 血清リン(P)正常
・骨結核(破壊性)
・サルコイドーシス
・癌骨転移
・変形性関節症 - 血清リン(P)減少
・副甲状腺機能亢進症
血清カルシウム(Ca)が低値の場合
血清カルシウム(Ca)が低値の場合には、以下のことが考えられます。
- 血清リン(P)増加
・副甲状腺機能低下症
・腎性クル病
・尿毒症
・腎盂腎炎
・重症浮腫 - 血清リン(P)正常
・低蛋白血症
・ネフローゼ症候群
・脂肪性下痢
・急性膵炎
・閉塞性黄疸 - 血清リン(P)減少
・クル病
・骨軟化症
・肺炎
・百日咳