A型肝炎ウイルス(HAV)|検査の基準値
クワホピ
A型肝炎ウイルス(HAV)の基準値
HA抗体 : 陰性
IgM-HA抗体 : 陰性
A型肝炎ウイルス(HAV)の定義
A型肝炎ウイルスは、飲料水やカキなどの貝類の経口摂取により感染し、発症直後から糞便中に排泄され、経口感染の原因になります。
A型肝炎は、まれに劇症肝炎を起こしますが、多くは急性のもので慢性化することはありません。
感染の有無の判別には、HA抗体とIgM-HA抗体の測定が一般的です。
HA抗体
- HAV感染の既往の有無やHAワクチンの効果判定に用いられます。
- HAV感染後4週頃より出現し、終生免疫として長期にわたり検出されます。
IgM-HA抗体
- 現在HAVに感染していることを示します。
- HAV感染後1週間頃より検出される抗体で、3~6ヶ月程度持続し、その後消失します。
臨床的には、急性肝炎を疑い、IgM-HA抗体が陰性であれば、B型肝炎、C型肝炎、肝炎ウイルス以外のウイルス肝炎(EBウイルス、サイトメガロウイルスなど)、自己免疫性肝炎、薬剤性肝炎を考えて検査を進めます。
肝機能検査(AST、ALTなど)を経時的に行い、肝機能を把握します。
A型肝炎ウイルス(HAV)の異常とその原因
A型肝炎ウイルス(HAV)が高値の場合
A型肝炎ウイルス(HAV)が高値の場合には、以下のことが考えられます。
HA抗体 | IgM-HA抗体 | 判定 |
---|---|---|
+ | + | 現在、HAVに感染している |
+ | - | HAVに感染したことがあり、免疫状態である |