「医療区分・ADL区分等に係る評価票」の評価項目
医療区分・ADL区分の評価
医療療養病床では、入院されている患者様の医療必要度・介護必要度を「医療区分・ADL区分等に係る評価票」を用いて評価します。
評価に当たっては、「評価の手引き」が医科点数表の解釈に記載されており、医療区分とADL区分をどのように評価するのかがまとめられています。
評価の手引き
医療区分・ADL区分の評価は、医科点数表の解釈に記載されている「評価の手引き」に従って行う必要があります。
【医療区分の評価】
「医療区分・ADL区分等に係る評価票」の記入に当たっては、各項目の「項目の定義」に該当するか否かを判定すること。また、各項目の評価の単位については、「評価の単位」及び「留意点」に従うこと。
なお、「該当する」と判定した場合には、診療録にその根拠を記載すること。ただし、判定以降に患者の状態等の変化がない場合には、診療録に記載しなくても良いが、状態等の変化が見られた場合には診療録に記載すること。
【ADL区分の評価】
当日を含む過去3日間の全勤務帯における患者に対する支援のレベルについて、4項目(a.ベッド上の可動性、b.移乗、c.食事、d.トイレの使用)に0~6の範囲で最も近いものを記入し合計する。
新入院(転棟)の場合は、入院(転棟)後の状態について評価する。
「評価の手引き」については下の記事を参考にされてください。
医療区分の評価項目
医科点数表の解釈(令和6年6月版)では、以下の項目について医療区分の評価を行うことと定義されています。
≪処置等に係る医療区分≫
【算定期間に限りのある医療区分】
:::医療区分3:::
① 24時間持続しての点滴
② 中心静脈栄養(対象疾患以外、30日以内)
:::医療区分2:::
④ 尿路感染症
⑤ リハビリテーション
⑥ 脱水
⑦ 頻回の嘔吐
⑧ せん妄
⑨ 経腸栄養
⑩ 頻回の血糖検査
【算定期間に限りのない医療区分】
:::医療区分3:::
⑭ 中心静脈栄養(対象疾患を有する場合)
⑮ 人工呼吸器
⑯ ドレーン法
⑰ 気管切開・気管内挿管+発熱
⑱ 酸素療法(高密度)
⑲ 感染症の治療
:::医療区分2:::
㉜ 中心静脈栄養(対象疾患以外、30日を超える)
㉝ 人工腎臓等
㉞ 肺炎
㉟ 褥瘡
㊱ 下肢末端の開放創
㊲ うつ症状
㊳ 喀痰吸引
㊴ 気管切開・気管内挿管+発熱なし
㊵ 創傷、皮膚潰瘍等
㊶ 酸素療法(高密度除く)
≪疾患・状態に係る医療区分≫
【算定期間に限りのある医療区分】
:::医療区分2:::
③ 消化管等の体内からの出血
【算定期間に限りのない医療区分】
:::医療区分3:::
⑪ スモン
⑫ 欠番
⑬ 常時、監視・管理
:::医療区分2:::
⑳ 筋ジストロフィー
㉑ 多発性硬化症
㉒ 筋委縮性側索硬化症
㉓ パーキンソン病関連疾患
㉔ その他の指定難病等
㉕ 脊髄損傷
㉖ 慢性閉塞性肺疾患
㉗ 欠番
㉘ 省略
㉙ 悪性腫瘍(疼痛コントロールが必要な場合に限る)
㉚ 他者に対する暴行
㉛ 欠番
ADL区分の評価項目
ADL区分は、「a.ベッド上の可動性、b.移乗、c.食事、d.トイレの使用」の4項目について、介護必要度を評価するようになっています。
項目 | 評価の内容 |
---|---|
ベッド上の可動性 | 横になった状態からの動き ・寝返り ・起き上がり ・身体の位置の調整など |
移乗 | ベッドからイスや車イスへの移乗 ・座る ・立ち上がる ※浴槽や便座への移乗は除く |
食事 | 食べたり、飲んだりの状態 ※上手、下手に関係なく ※経管や経静脈栄養も含む |
トイレの使用 | トイレの使用の状態 ・排泄後の始末 ・おむつの替え ・人工肛門またはカテーテルの管理 ・衣服を整える ※ポータブルトイレ、便器、尿器を含む ※移乗は除く |
「ADL区分の評価」については下の記事を参考にされてください。
まとめ
「医療区分・ADL区分等に係る評価票」は、患者様の医療区分・ADL区分を評価するために用いられ、医療区分・ADL区分ともに”評価の手引き”に定められた方法で評価を行うようになっています。
評価の手引きに定められた通りに行えば、医療区分1~3・ADL区分1~3をきちんと評価することができるので、評価の手引きをしっかり確認しておきましょう。