生化学検査

薬物血中濃度検査|検査の基準値

クワホピ

薬物血中濃度検査は、繰り返し投薬して場合において、ある時間を経過すると体内の薬物量が一定になる状態(定常状態)に測定した値を評価するものです。

日常的に病院内で用いられる血中薬物測定法としては、高速クロマトグラフィ法と免疫測定法があります。

薬物血中濃度検査の定義

 多くの場合において薬物療法の効果は、薬物血中濃度に大きく反映されます。

また、薬に対するヒトの反応性(薬理効果)は個人によって著しく異なることが知られています。

そのため、薬物血中濃度をモニタリングすることによって、薬物投与設計を行い的確な薬物療法を実施します。

薬物血中濃度をモニタリングすることを治療薬物モニタリング(TDM)と呼びます。

治療薬物モニタリング

TDM:Therapeutic Drug Monitoring

薬物血中濃度の推移を決める因子

薬物血中濃度は以下の因子によって推移します。

  • 遺伝的因子
  • 環境的因子
    1. 生理的因子
      ・年齢、性別、身長、体重
      ・日内変動
      ・血圧
    2. 病態因子
      ・肝障害
      ・腎障害
      ・心不全
      ・代謝性疾患
      ・胃腸障害
      ・呼吸器性障害
    3. 薬物相互作用
    4. その他
      ・妊娠の有無
      ・嗜好品(喫煙、コーヒー、アルコール)

治療薬物モニタリング(TDM)を行うおもな薬剤

治療薬物モニタリング(TDM)を行うおもな薬剤を挙げました。

定常状態に要する時間有効治療域薬物血中濃度
ジキタリス製剤(強心薬)ジゴキシン1~3週間0.8~2.0μg/mL
気管支拡張薬テオフィリン2~3日10~20μg/mL
抗菌薬アミノグリコシド1~2日15~25μg/mL
抗菌薬バンコマイシン1~2日10~20μg/mL
抗てんかん薬フェニトイン1~7週間10~20μg/mL
抗てんかん薬フェノバルビタール2~4週間10~20μg/mL
免疫抑制薬シクロスポリン2.5~5日

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