血清鉄(Fe)|検査の基準値
クワホピ
血清鉄(Fe)の基準値
男性: 60~200(μg/dL)
女性: 50~160(μg/dL)
血清鉄(Fe)の定義
人体には、3~4gの鉄(Fe)が存在します。
その約70%はヘモグロビン、ミオグロビン、ヘム酵素として存在し、約20~30%はフェリチン、ヘモジデリンとして肝臓・脾臓・骨髄・筋肉などに取り込まれています。
血清中には約3~4mgしか存在しません。
人体の鉄量 | 3000~4000mg | % |
---|---|---|
ヘモグロビン、ミオグロビン | 約2100~2800mg | 約70% |
フェリチン、ヘモジデリン | 約420~1200mg | 約20~30% |
血清中 | 約3~4mg | 約0.1% |
血清中の鉄
血清中の鉄は、すべてトランスフェリンとう蛋白質に結合していますが、トランスフェリンには鉄と結合していないものもあります。
健常人では、トランスフェリンの約1/3が結合し、約2/3は結合していません。
血清鉄は朝高く夜間に低い特徴があります。
その変動は50μg/dL以上に及ぶため、採血は早朝空腹時が望ましいです。
血清鉄(Fe)の異常とその原因
血清鉄(Fe)は以下の原因によって異常値を示します。
原因 | 血清鉄 |
---|---|
鉄欠乏性貧血 | 低値 |
再生不良性貧血 | 高値 |
溶血性貧血 | 一定しない |
真性多血症 | 低値 |
肝炎、肝硬変 | 上昇する |
鉄欠乏性貧血
鉄分の摂取不足、または喪失の増加によって血清鉄は低値になります。
鉄欠乏性貧血では、消化管出血や子宮筋腫による出血が原因となる場合があるため、消化管や婦人科の検査を行う必要があります。
再生不良性貧血
血色素合成能の低下によって、血清鉄は高値になります。
溶血性貧血
赤血球産生と崩壊のバランスによって、血清鉄値が一定しません。
真性多血症
血色素の増加によって、血清鉄が不足し低値になります。
肝炎、肝硬変
肝臓の細胞破壊がある場合には、貯蔵された鉄が血中に流出し血清鉄値は上昇します。