CRP(C反応性蛋白)|検査の基準値
CRP(C反応性蛋白) の概要
CRP(C-reactive protein、C反応性蛋白)は、炎症や感染症が体内で発生すると、肝臓で産生されるタンパク質の一種です。
急性炎症(細菌・ウイルス感染)、組織崩壊病変(膠原病、悪性腫瘍、心筋梗塞、手術後、熱傷など)で増加するので、炎症マーカーとして用いられます。
CRPは、性別、年齢、食事、運動、採血時間による影響がほぼ見られないため、CRPを調べることによって、炎症や組織障害の存在、程度、予後を推測することができます。
ただし、CRP単独では病態の診断はできないので、他の検査も行い、総合的な診断を行います。
その際、白血球数、血液像(好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球)、赤血球沈降速度などの変化の仕方の異なる急性相反応物質と組み合わせて検査をすることで、病気の推定が可能になります。
CRP(C反応性蛋白)の特徴
① 炎症のマーカー
CRPは、急性期反応蛋白(Acute Phase Protein)の一種なので、炎症の初期段階で急速に増加します。
そのため、炎症の程度や治療の経過を評価するために用いられます。
② 迅速な上昇と下降
体内で炎症が発生すると、6〜8時間以内に上昇し、24〜48時間でピークに達します。
その後、炎症が治まると半減期(約19時間)に従って速やかに減少します。
そのため、治療効果の判定にも役立ちます。
③ ウイルス感染と細菌感染の判別
細菌感染(細菌性肺炎、敗血症など)ではCRPが大きく上昇(>10 mg/dL)します。
それに比べて、ウイルス感染ではCRPの上昇が比較的少なくなります(<1~2 mg/dL)。
それを利用し、ウイルス感染と細菌感染の判別が可能です。
原因疾患 | CRP |
---|---|
細菌感染(細菌性肺炎、敗血症など) | >10 mg/dL |
ウイルス感染 | <1~2 mg/dL |
CRPが上昇する主な原因
① 感染症
- 細菌感染(肺炎、敗血症、尿路感染症、髄膜炎など)
- ウイルス感染(インフルエンザ、COVID-19など)
※ウイルス感染ではCRP上昇が比較的軽度
② 炎症性疾患
- 関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫疾患
- クローン病や潰瘍性大腸炎(炎症性腸疾患)
③ 怪我・手術・組織損傷
- 手術後、外傷(骨折、やけどなど)
- 心筋梗塞(心臓の炎症が関与)
④ 悪性腫瘍
- がん(特に進行がん)でもCRPが上昇することがあります。
CRP(C反応性蛋白) の基準値と異常値
成人の正常値
0.3 mg/dL以下(施設によっては0.5 mg/dL以下とすることもある)
異常値の目安
CRP値 (mg/dL) | 解釈の目安 |
---|---|
0.3 以下 | 正常 |
0.3 ~ 1.0 | 軽度の炎症(風邪、軽い炎症など) |
1.0 ~ 10.0 | 中等度の炎症(ウイルス感染、慢性炎症、軽度の細菌感染など) |
10.0 以上 | 強い炎症(細菌感染、重度の炎症、自己免疫疾患など) |
50.0 以上 | 敗血症や重篤な感染症の可能性 |
CRP(C反応性蛋白)が異常値の場合には、以下のことが考えられます。
- 感染症
・細菌感染症
・ウイルス感染症 - 膠原病
・関節リウマチ
・リウマチ熱
・全身性エリテマトーデス(SLE)
・血管炎 - 悪性腫瘍(広範な転移を伴ったもの)
- 心筋梗塞
CRP検査の活用
CRPは多くの疾患で上昇するため、単独での診断には向きません。
他の検査(白血球数、プロカルシトニンなど)と組み合わせることで、より正確な診断や治療方針の決定が可能になります。
- 発熱患者の評価 → CRPが高ければ細菌感染の可能性を疑います
- 炎症性疾患の経過観察 → CRPの変動を見ながら治療効果を確認します
- 手術後の合併症の早期発見 → CRPが術後に急上昇した場合、感染を疑います