免疫血清検査

【検査の基準値】TSH(甲状腺刺激ホルモン)

クワホピ
TSH(甲状腺刺激ホルモン)の基準値

0.4~4.0(μIU/mL)(CLIA法)

TSH(甲状腺刺激ホルモン)の定義

甲状腺刺激ホルモン

TSH : thyroid stimulating hormone

甲状腺刺激ホルモン(TSH)は、視床下部から分泌される甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)によって、下垂体から分泌されるホルモンです。

TSHは、血行を介して甲状腺に運ばれ、甲状腺ホルモン(トリヨードサイロニン:T3、サイロキシン:T4)の分泌を刺激します。

甲状腺ホルモン(T3、T4)が増加TSHとTRHが減少
甲状腺ホルモン(T3、T4)が減少TSHとTRHが増加

甲状腺機能性疾患を疑う場合には甲状腺機能検査を行いますが、基本的に甲状腺刺激ホルモン(TSH)と同時に甲状腺ホルモン(FT3、FT4を測定し、総合的に判断します。

TSHが低値で甲状腺ホルモンが高値の場合には、バセドウ病であることがほとんどで、その場合、TSHレセプター抗体の検査が非常に重要で、その測定によって治療の効果や病態を把握することができます。

TSHが高値で甲状腺ホルモンが低値である場合には、橋本病であることがほとんどで、追加で超音波検査、サイロイドテストマイクロゾームテストを行います。

TSH:低値 ・ 甲状腺ホルモン:高値バセドウ病を疑う
TSH:高値 ・ 甲状腺ホルモン:低値橋本病を疑う

TSH(甲状腺刺激ホルモン)の異常とその原因

TSH(甲状腺刺激ホルモン)が高値の場合

TSH(甲状腺刺激ホルモン)が高値の場合には、以下のことが考えられます。

  • 慢性甲状腺炎(橋本病)
  • 甲状腺機能低下症(粘液水腫、クレチン病)
  • 甲状腺亜全摘後
  • TSH産生腫瘍

TSH(甲状腺刺激ホルモン)が低値の場合

TSH(甲状腺刺激ホルモン)が低値の場合には、以下のことが考えられます。

  • 甲状腺機能亢進症(バセドウ病、プランマー病)
  • 二次性(下垂体性)甲状腺機能低下症
  • 三次性(視床下部性)甲状腺機能低下症
  • 亜急性甲状腺炎の急性期

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