医療区分・ADL区分等に係る評価票|評価の手引きの解釈
「評価の手引き」の医科点数表の解釈への記載について
「医療区分・ADL区分等に係る評価票」により患者様の状態を正確に評価できるように、「医療区分・ADL区分等に係る評価票」の評価の手引きが医科点数表の解釈に記載されています。
「医療区分・ADL区分等に係る評価票」の評価をする際には、評価の手引きを使用して患者様の状態を評価することになります。
そのため、評価者は記載内容をきちんと確認しておくことが大切です。
【医療区分の評価】
「医療区分・ADL区分等に係る評価票」の記入に当たっては、各項目の「項目の定義」に該当するか否かを判定すること。また、各項目の評価の単位については、「評価の単位」及び「留意点」に従うこと。
なお、「該当する」と判定した場合には、診療録にその根拠を記載すること。ただし、判定以降に患者の状態等の変化がない場合には、診療録に記載しなくても良いが、状態等の変化が見られた場合には診療録に記載すること。
【ADL区分の評価】
当日を含む過去3日間の全勤務帯における患者に対する支援のレベルについて、4項目(a.ベッド上の可動性、b.移乗、c.食事、d.トイレの使用)に0~6の範囲で最も近いものを記入し合計する。
新入院(転棟)の場合は、入院(転棟)後の状態について評価する。
【身体拘束の実施】
[項目の定義]
抑制帯等、患者の身体又は衣服に触れる何らかの用具を使用して一時的に当該患者の身体を拘束し、そのうんどうを抑制する行動の制限をいう。
[留意点]
患者又は他の患者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束を行ってはならないこと。身体抑制を行う場合には、その態様及び時間、その際の患者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録すること。
医療区分の「評価の手引き」の解釈
医科点数表の解釈において、医療区分の評価については以下のように記載されています。
「医療区分・ADL区分等に係る評価票」の記入に当たっては、各項目の「項目の定義」に該当するか否かを判定すること。また、各項目の評価の単位については、「評価の単位」及び「留意点」に従うこと。
なお、「該当する」と判定した場合には、診療録にその根拠を記載すること。ただし、判定以降に患者の状態等の変化がない場合には、診療録に記載しなくても良いが、状態等の変化が見られた場合には診療録に記載すること。
「医療区分・ADL区分等に係る評価票」の評価の手引きについて、どのように解釈するべきなのをいくつかに分けて説明していきます。
解釈①:記入の判定
「医療区分・ADL区分等に係る評価票」の記入に当たっては、各項目の「項目の定義」に該当するか否かを判定すること。
「医療区分・ADL区分等に係る評価票」の記入に当たっては、まずは各項目の「項目の定義」に該当するか否かを判定する必要があります。
評価票の手引き内の各項目には、「項目の定義」として簡便にその概要が記載されています。
その「項目の定義」を参考に、まずは患者様の状態がどの定義に当てはまるかを確認します。
リハビリをしている患者様だから「5.リハビリテーションを行っている状態」に当てはまるかも。
酸素をしている患者様だから「18.酸素療法(密度の高い治療)」か「41.酸素療法(密度の高い治療を除く)」に当てはまるかも。
解釈②:各項目の評価の単位
各項目の評価の単位については、「評価の単位」及び「留意点」に従うこと。
医療区分の各項目ごとの「項目の定義」に当てはまった場合には、各項目の評価の単位について、「評価の単位」及び「留意点」に従う必要があります。
「評価の単位」は、1日毎に確認が必要なもの、算定期間に限りがあるもの、算定期間に限りがないものの3つに分類されるので、その項目の単位に合わせた記入をします。
評価の単位 | 考え方 |
---|---|
1日毎に確認が必要 | ・毎日の状態を確認して項目に該当すれば記入が可能 |
算定期間に限りがある | ・状態を確認したのち一定期間の記入が可能 ・その状態に当てはまったとしても、一定期間が経過することで記入ができなくなる |
算定期間に限りがない | ・その状態であれば継続的に記入が可能 |
「留意点」には、「項目の定義」に当てはまるかの詳細な確認事項が定められているので、患者様の状態が該当するかをきちんと確認することが大切です。
解釈③:「根拠」を診療録に記載
「該当する」と判定した場合には、診療録にその根拠を記載すること。
「医療区分・ADL区分等に係る評価票」へ記入をする際には、記入するに当たっての根拠を診療録に記載する必要があります。
診療録への記載は、医師による記載だけではなく看護師による看護記録などへの記載も含まれます。
解釈④:「状態等の変化」を診療録に記載
ただし、判定以降に患者の状態等の変化がない場合には、診療録に記載しなくても良いが、状態等の変化が見られた場合には診療録に記載すること。
「医療区分・ADL区分等に係る評価票」において、「留意点」には”一旦非該当となった後、再び病状が悪化した場合には、本項目に該当する”などといった、状態の変化によって該当するものなどもあります。
そのため、患者様の状態等の変化が見られた際には診療録に記載することは当然のことであり、変化がない場合でも日々の状態を記載することが望ましいです。
ADL区分の「評価の手引き」の解釈
医科点数表の解釈において、ADL区分の評価については以下のように記載されています。
【ADL区分の評価】
当日を含む過去3日間の全勤務帯における患者に対する支援のレベルについて、4項目(a.ベッド上の可動性、b.移乗、c.食事、d.トイレの使用)に0~6の範囲で最も近いものを記入し合計する。
新入院(転棟)の場合は、入院(転棟)後の状態について評価する。
上記の記載部分の解釈については、ADL区分の評価に直結するので下の記事で詳しくまとめます。