夜間における勤務(夜勤)
「夜間における勤務(夜勤)」について医科点数表の解釈での記載内容
「夜間における勤務(夜勤)」については、医科点数表の解釈において以下のように記載があります。
【第2 病院の入院基本料等に関する施設基準:抜粋】
(3)夜間における勤務(以下「夜勤」という。)については、次の点について留意する。
ア 「夜勤」とは、各保険医療機関が定める午後10時から翌日の午前5時までの時間を含めた連続する16時間(以下「夜勤時間帯」という。)の間において、現に勤務することをいい、当該夜勤時間帯に現に勤務した時間数を「夜勤時間数」という。なお、各保険医療機関において、当該夜勤時間帯を定める場合には、夜勤時間帯以外の時間帯(以下「日勤帯」という。)が、夜勤時間帯と重なる時間が、当該日勤帯の2分の1以下とすること。
イ 看護要員の名簿及び勤務実績表により、各病棟(精神病棟入院基本料の特別入院基本料等以外の特別入院基本料等を算定する病棟を除く。)ごとに次の要件が満たされていること。
(イ)看護要員は、常時2人以上であること。
(ロ)一般病棟、結核病棟及び精神病棟においては、看護職員を2人以上配置していること(精神病棟入院基本料の特別入院基本料等を除く。)
(ハ)療養病棟においては、看護職員1人と看護補助者1人の計2人以上の配置であっても差し支えない。
(ニ)(イ)から(ハ)までの要件を満たしている場合は、曜日や時間帯によって、夜勤の従事者が変動することは差し支えない。
ウ 特定入院料(回復期リハビリテーション入院医療管理料及び地域包括ケア入院医療管理料を除く。また、小児入院医療管理料4、特殊疾患入院医療管理料又は児童・思春期精神科入院医療管理料については、病棟単位で算定する場合に限る。)を算定している病棟に係る看護要員は、夜勤時間数の計算対象としないこと。
エ 夜勤に従事する看護要員の月当たり延べ夜勤時間数は、1か月又は4週間の当該夜勤時間帯に従事した時間数をいう。
オ 月平均夜勤時間数は、同一の入院基本料を算定する病棟全体(同一の入院基本料を算定する複数の病棟(看護単位)を持つ病院にあっては、当該複数の病棟を合わせた全体)で届出前1か月又は4週間の夜勤時間帯に従事する看護職員の延べ夜勤時間数を夜勤時間帯に従事した実人員数で除して得た数とし、当該月当たりの平均夜勤時間数の直近1か月又は直近4週間の実績の平均値により、72時間以下であること。すなわち、月平均夜勤時間数は、同一の入院基本料を算定する病棟全体で計算するものであり、病棟(看護単位)ごとに計算するものではないため、病棟(看護単位)ごとに月平均夜勤時間数が72時間以下である必要ではないものであること。
また、新規届出直後においては、当該病棟の直近3か月間又は12週間の実績の平均値が要件を満たしていれば差し支えない。
なお、療養病棟入院基本料を算定する病棟の看護職員については、この限りではないこと。
カ 月平均夜勤時間数の計算に含まれる実人員数及び延べ夜勤時間数については、次の点に留意する。
(イ)専ら夜勤時間帯に従事する者(以下「夜勤専従者」という。)は、実人員数及び延べ夜勤時間数に含まないこと。
(ロ)夜勤時間帯に看護職員が病棟勤務と外来勤務等を兼務する場合は、当該看護職員が夜勤時間帯に当該病棟で勤務した月当たりの延べ時間を、当該看護職員の月当たりの延べ夜勤時間(病棟と病棟以外の勤務の時間を含む。)で除して得た数を、夜勤時間帯に従事した実人員数として算入すること。
(ハ)急性期一般入院基本料、7対1入院基本料及び10対1入院基本料の病棟の実人員数及び延べ夜勤時間数には、月当たりの夜勤時間数が16時間未満の者は含まないこと。ただし、短時間正職員制度を導入している保険医療機関の短時間正職員については、月当たりの夜勤時間数が12時間以上のものを含む。
(ニ)急性期一般入院基本料、7対1入院基本料及び10対1入院基本料以外の病棟の実人員数及び延べ夜勤時間数には、月当たりの夜勤時間数が8時間未満の者は含まないこと。
(ホ)夜勤時間帯の中で申し送りに要した時間は、申し送った看護職員の夜勤時間から除いて差し支えない。ただし、当該申し送りに要した時間の除外の有無については、原則として、同一の入院基本料を算定する病棟全体において、月単位で選択すること。
キ 週当たりの所定労働時間は、40時間以内であること。
ク 夜勤専従者の夜勤時間については、夜勤による勤務負担が過重とならないように十分配慮すること。
ケ 上記(2)のアからクまで及び(3)のアからクまでに係る看護要員の配置数、人員構成及び夜間勤務に係る具体的な算出方法等については、別添6の別紙5※1の例を参考とすること。
※1:別添6の別紙5
別紙5 看護要員(看護職員及び看護補助者をいう)の配置状況(例)
急性期一般入院基本料の場合の例
【1病棟(1看護単位)入院患者数40人で急性期一般入院料2の届出を行う場合】
○ 1勤務帯8時間、1日3勤務帯を標準として、月平均1日当たり必要となる看護職員の数が12人以上であること。
○ 当該届出区分において、月平均1日当たり勤務することが必要となる看護職員(看護師及び准看護士をいう)の数に対する実際に勤務した月平均1日当たりの看護師の比率が70%以上であること。
○ 当該病棟が交代制の勤務形態であること。
○ 夜間勤務の看護職員配置については、看護師1人を含む2人以上であること。
○ 当該病棟の平均在院日数が21日以内であること。
(1)看護職員配置の算出方法
① 各勤務帯に従事している看護職員の1人当たりの受け持ち患者数が10人以内であること。
(40人 × 1/10)× 3=当該病棟に1日当たり12人(小数点以下切り上げ)以上の看護職員が勤務していること。
② 月平均1日当たり勤務することが必要となる看護職員の数に対する実際に勤務した月平均1日当たりの看護師の比率が70%を満たすこと。
当該病棟の月平均1日当たり勤務することが必要となる看護職員の数が12人の場合、実際に勤務する月平均1日当たりの看護師は8.4人以上であること。
12人 × 70%=8.4人
(2)看護職員1人当たりの月平均夜勤時間数の算出方法
○ 各病棟において、夜勤時間帯に従事した看護職員1人当たりの月平均夜勤時間数が72時間以下であること。
月平均夜勤時間数=当該病棟の看護職員の月延夜勤時間数/夜勤時間帯の従事者数
① 当該保険医療機関で夜勤時間帯を設定:16時から翌朝8時まで(16時間)
② 夜勤時間と従事者数:2人以上の看護職員が配置されている。
16時~24時30分(看護師3人 計3人)
0時~8時30分(看護師2人、准看護師1人 計3人)
③ 1月当たり夜勤時間帯に従事する実人員数:23人(8人+11人+4人)
8人×72時間(夜勤を月9日)=576時間(a)※
11人×64時間(夜勤を月8日)=704時間(b)※
4人×40時間(夜勤を月5日)=160時間(c)※
※夜勤時間帯の中で申し送りに要した時間(24時から24時30分)は申し送った従事者の夜勤時間及び夜勤帯に病棟以外で勤務した時間は夜勤時間に含めていない。
④ 月延夜勤時間数:1,440時間((a)~(c)の合計)
⑤ 月平均夜勤時間数:72時間以下である。
1,440時間 ÷ 23人 = 62.6時間(小数点2位以下切り捨て)
「夜間における勤務(夜勤)」についての解釈
「夜間における勤務(夜勤)」についてまとめていきます。
「看護要員の数」について
◆「夜勤」とは午後10時~翌日午前5時までの時間で連続して16時間勤務すること
※夜勤時間帯を定める場合、重なる時間が日勤帯の2分の1以下とすること
◆看護要員の名簿及び勤務実績表
・看護要員は常時2人以上
・以下は、看護職員を2人以上配置
一般病棟、結核病棟、精神病棟
(精神病棟入院基本料の特別入院基本料等を除く。)
・療養病棟の場合
看護職員1人と看護補助者1人の計2人以上の配置
※上記の要件を満たす場合は
曜日や時間帯によって、夜勤の従事者が変動することは差し支えない
◆特定入院料の算定病棟の看護要員は夜勤時間数の計算対象としない
※以下を除く
・回復期リハビリテーション入院医療管理料
・地域包括ケア入院医療管理料
※以下は病棟単位で算定する場合に限る
・小児入院医療管理料4
・特殊疾患入院医療管理料
・児童・思春期精神科入院医療管理料
◆看護要員の月当たり延べ夜勤時間数
※1か月又は4週間の当該夜勤時間帯に従事した時間数
◆月平均夜勤時間数
※以下の式で計算する
月平均夜勤時間数=
届出前1か月又は4週間の延べ夜勤時間数/夜勤時間帯に従事した実人員数
※72時間以下とする
※同一の入院基本料を算定する病棟全体で計算し、病棟ごとに計算しない
(病棟ごとに72時間以下である必要はない)
※新規届出直後
直近3か月間又は12週間の実績の平均値が要件を満たせばよい
※療養病棟入院基本料の算定病棟では72時間以下でなくてもよい
◆月平均夜勤時間数の計算に含まれる実人員数及び延べ夜勤時間数
※夜勤専従者は実人員数及び延べ夜勤時間数に含まない
※夜勤時間帯に看護職員が病棟勤務と外来勤務等を兼務する場合
以下の実人員数を夜勤時間帯に従事した実人員数として算入する
夜勤時間帯の実人員数=
夜勤時間帯の病棟勤務の延べ時間/看護職員の延べ夜勤時間(病棟と病棟以外の勤務の時間を含む。)
◆急性期一般入院基本料、7対1入院基本料、10対1入院基本料
・実人員数及び延べ夜勤時間数に、月当たりの夜勤時間数が16時間未満の者は含まない
※短時間正職員制度の場合
月当たりの夜勤時間数が12時間以上のものを含む
◆急性期一般入院基本料、7対1入院基本料、10対1入院基本料
・実人員数及び延べ夜勤時間数には、月当たりの夜勤時間数が8時間未満の者は含まない
◆夜勤時間帯の中で申し送りに要した時間
・申し送った看護職員の夜勤時間から除いて差し支えない
※申し送りに要した時間の除外の有無について
原則、同一の入院基本料を算定する病棟全体で月単位で選択する
◆週当たりの所定労働時間は、40時間以内
◆夜勤専従者の夜勤時間
・夜勤による勤務負担が過重とならないように十分配慮する
適時調査における具体的内容と指摘事項
「夜間における勤務(夜勤)」について、適時調査における具体的内容と指摘事項は以下にまとめた通りです。
夜間における勤務
「夜勤」とは、各保険医療機関が定める午後10時から翌日の午前5時までの時間を含めた連続する16時間
- 夜勤時間帯においては、各病棟ごとに次の要件を満たしていること
- 看護要員は、常時2人以上であること
- 一般病棟、結核病棟及び精神病棟においては、看護職員を2人以上配置していること(精神病棟入院基本料の特別入院基本料等を除く)
- 療養病棟においては、看護職員1人と看護補助者1人の計2人以上の配置であっても差し支えない
- 月平均夜勤時間数は、同一の入院基本料を算定する病棟全体で届出前1ヵ月又は4週間の夜勤時間帯に従事する看護職員の延夜勤時間数を夜勤時間帯に従事した実人員数で除して得た数とし、当該月当たりの平均夜勤時間数の直近1ヵ月又は直近4週間の実績の平均値により、72時間以下であること。(中略)
なお、療養病棟入院基本料を算定する看護要員については、この限りではないこと。
月平均夜勤時間数の算定について
- 夜勤専従者は、実人員数及び延べ夜勤時間数に含まないこと。
- 夜勤時間帯に看護職員が病棟勤務と外来勤務等を兼務する場合は、夜勤時間帯に当該病棟で勤務した月当たりの延べ時間を、月当たりの延べ夜勤時間(病棟と病棟以外の勤務時間を含む)で除して得た数を、夜勤時間帯に従事した実人員数として算入すること。
- 急性期一般入院基本料、7対1及び10対1入院基本料の病棟の実人員数及び延べ夜勤時間数には、月当たりの夜勤時間数が16時間未満の者は含まないこと。ただし、短時間正職員制度を導入している保険医療機関の短時間正職員については、月当たりの夜勤時間数が12時間以上のものを含む。
- 急性期一般入院基本料、7対1及び10対1入院基本料以外の病棟の実人数及び延べ夜勤時間数には、月当たりの夜勤時間数が8時間未満の者は含まないこと。