施設基準

医療療養病床における『慢性維持透析管理加算』(R2年4月版)

医療療養病床において透析患者がいる場合には、加算が可能です。

今回は、「慢性維持透析管理加算」について解説していきます。

この記事の目的
  • 療養病床の施設基準について学ぶ
  • 「慢性維持透析管理加算」を理解する
医療療養病床における『慢性維持透析管理加算』

慢性維持透析管理加算

医療療養病床において、透析患者の診療を行っている場合には、入院基本料とは別に「慢性維持透析管理加算」を算定できます。

慢性維持透析加算 100点(1日につき)

(注9)

当該病棟(療養病棟入院基本料1を算定するものに限る。)に入院している患者のうち、当該保険医療機関において、区分番号 J 038 に掲げる人工腎臓、 J 038-2 に掲げる持続緩徐式血液濾過、 J 039 に掲げる血漿交換療法または J 042 に掲げる腹膜潅流を行っている患者については、慢性維持透析管理加算として、1日につき100点を所定点数に加算する。

(注記)

慢性維持透析管理加算は、療養病棟における透析患者の診療を評価したものであり、自院で人工腎臓、持続緩徐式血液濾過、腹膜潅流または血漿交換療法を行っている場合に算定する。

なお、これらの項目については、継続的に適切に行われていれば、毎日行われている必要はない。

なお、特別入院基本料等を算定する場合は、当該加算は算定できない。

慢性維持透析管理加算の算定要件

医療療養病床において、慢性維持透析加算を算定する要件は以下のようになっています。

●療養病棟入院基本料1を算定する病棟

●以下に該当する患者

  • J 038 人工腎臓
  • J 038-2 持続緩徐式血液濾過
  • J 039 血漿交換療法
  • J 042 腹膜潅流

腎臓の働きと人工透析

ヒトの体にある臓器の一つである腎臓には、血液中の老廃物などを濾過(ろか)し尿をつくるはたらきがあり、つくられた尿は膀胱に送られ体外に排出されます。

そのため、もしも腎臓の病気などによりそのはたらきが弱まると、血液中の老廃物が体外に排出されず、体内に溜まってしまうことになります。

老廃物が体内に溜まりすぎると、尿毒症という症状が現れます。

腎臓の機能低下に対しては、薬物療法や食事療法などの治療を行いますが、腎臓は他の臓器と異なり再生能力が低く、一度その機能が失われると回復することは困難です。

腎機能の低下が治まらず尿毒症が続くようであれば、人工的に老廃物や余分な水分を濾過することで血液を浄化する治療法である人工透析を行う必要があります。

血液透析と腹膜透析

透析療法には、「血液透析」と「腹膜透析」の2種類があります。

血液透析のしくみ

血液透析は、血管に針を刺し血液を体外に取り出し、その血液を人工腎臓(ダイアライザ)と呼ばれる透析器に通すことにより、血液中の余分な水分や老廃物を取り除く方法です。

1回の血液透析につき3~5時間ほど時間がかかり、病院で週3回程度行う必要があり、患者の負担が大きいのが特徴です。

腹膜透析のしくみ

腹膜透析は、自分の腹膜によって体内で透析を行う方法で、腹腔内に透析液を4~8時間入れておき、自分の腹膜を通して血液中の老廃物を透析液側に移動させる方法です。

腹膜透析は、腹腔内にカテーテルを留置し、20~30分の透析液交換を1日4回行います。

この方法には、就寝中に機械を使用し透析液の交換をする方法もあり、血液透析に比べ通院の負担も少なく、自宅や職場でも行うことができることが特徴です。

透析療法の種類

慢性維持透析加算を算定要件に挙げられている4つの透析療養「人工腎臓・持続緩徐式血液濾過・血漿交換療法・腹膜潅流」についてまとめました。

人工腎臓(ダイアライザ)

医療療養病床における『慢性維持透析管理加算』

患者の動脈側から血液を取り出し、人工腎臓(ダイアライザ)内の半透膜を通じて、透析液と接触させます。

その際、血液内の尿素や老廃物は透析液側に移動します。

浄化された血液を静脈側から体内に戻します。

この方法は、1回あたり約3~5時間程度かかり、週に3回程度行う必要があります。

持続緩徐式血液濾過法(CRRT)

医療療養病床における『慢性維持透析管理加算』

持続緩徐式血液濾過法(CRRT)は、急速に腎機能が低下した腎不全の患者に対して、長時間かけ体液調整を行い病態を改善するために行うものです。

そのため、持続的に血液透析を行う方法になります。

人工腎臓(ダイアライザ)の方法に比べて半透膜の膜孔が大きいので、高率に血液中の老廃物の除去を行うことができます。

血漿交換療法

血漿交換療法は、血液中の血漿のみを交換する方法です。

血液から血漿成分だけを分離しその血漿はすべて廃棄します。

その血漿成分を補うために、代替の血漿成分を浄化した血液と一緒に体内に戻します。

腹膜潅流

お腹の中に透析液を一定時間入れておき、腹膜を介して血液中の余分な水分や老廃物を透析液側に移動させる方法です。

「自動腹膜透析(APD)」と「連続携行式腹膜透析(CAPD)」があります。

自動腹膜透析(APD:Automated Peritoneal Dialysis)

「自動腹膜透析(APD)」は、自動腹膜潅流装置(サイクラー)を使用し、夜に寝ている間に透析を行う方法になります。

連続携行式腹膜透析(CAPD:Continuous Ambulatory Peritoneal Dialysis)

自分の予定に合わせて、1日数回のバック交換を行い透析を行う方法になります。

医療療養病床における『慢性維持透析管理加算』