令和6年度診療報酬改定:生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)
令和6年度診療報酬改定において、生活習慣病管理料(Ⅰ)と生活習慣管理料(Ⅱ)が特定疾患療養管理料(脂質異常症・高血圧症・糖尿病)に代わる管理料として新設されました。
各種研修会において説明された改定のポイントについてまとめます。
- 生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の概要
- 生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の改定ポイント
- 生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)について令和6年3月28日付け疑義解釈資料(抜粋)
- 問131:署名の取扱いについて
- 問132:署名の取扱いについて
- 問133:外来管理加算の算定について
- 問134:生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の混在について
- 問135:生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の算定について
- 問136:医学管理等、検査、注射及び病理診断の費用の算定について
- 問137:医学管理等の費用の算定について
- 問138:令和6年度診療報酬改定前の生活習慣病管理料の取扱いについて
- 問139:令和6年6月以降の療養計画書の取扱いについて
- 問140:情報通信機器を用いた指導管理に対する療養計画書への署名について
- 問141:情報通信機器を用いた指導管理に対する多職種の関わりについて
- 問142:血糖自己測定指導加算の算定について
- 問143:外来栄養食事指導料2の算定について
- 問144:院内掲示について
- 生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ):まとめ
生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の概要
生活習慣病管理料(Ⅰ)、生活習慣管理料(Ⅱ)の概要をまとめます。
生活習慣病管理料(Ⅰ)
従来の生活習慣病管理料が「生活習慣病管理料(Ⅰ)」に再編され、生活習慣病管理料そのものの要件であった「少なくとも1月に1回以上の総合的な治療管理」は廃止されました。
[点数設定・包括範囲](月1回)
脂質異常症を主病とする場合 | 570点 → 610点 |
高血圧症を主病とする場合 | 620点 → 660点 |
糖尿病を主病とする場合 | 720点 → 760点 |
- 外来管理加算、医学管理等(糖尿病合併症管理料、がん性疼痛緩和指導管理料、外来緩和ケア管理料、糖尿病透析予防指導管理料、慢性腎臓病透析予防指導管理料を除く)、検査、注射、病理診断の費用は含まれる。
- 同月の他の診療日に外来管理加算は算定できる。
- 血糖自己測定指導加算:500点(年1回)
- 外来データ提出加算 : 50点
生活習慣病管理料(Ⅱ)
今回の改定で、特定疾患療養管理料の対象疾患から「脂質異常症」「高血圧症」「糖尿病」が除外され、その受け皿として「生活習慣病管理料(Ⅱ)」が新設された。
[点数設定・包括範囲](月1回)
生活習慣病管理料(Ⅱ) 333点 | 特定疾患療養管理料:225点 + 外来管理加算:52点 + 特定疾患処方管理加算:56点 |
- 情報通信機器を用いて行った場合:290点
- 本点数を算定する場合、一部の医学管理等が含まれる、別途、検査、注射、処置など算定できる。(Ⅱ)は(Ⅰ)より出来高算定できる項目が多い。
- 同月の他の診療日に外来管理加算は算定できる。
- 血糖自己測定指導加算:500点(年1回)
- 外来データ提出加算 : 50点
- 外来栄養食事指導料
- 集団栄養食事指導料
- 糖尿病合併症管理料
- がん性疼痛緩和指導管理料
- 外来緩和ケア管理料
- 糖尿病透析予防指導管理料
- 慢性腎臓病透析予防指導管理料
- ニコチン依存症管理料
- 療養・就労両立支援指導料
- プログラム医療機器等指導管理料
- 診療情報提供料(Ⅰ)
- 電子的診療情報評価料
- 診療情報提供料(Ⅱ)
- 診療情報連携共有料
- 連携強化診療情報提供料
- 薬剤情報提供料
[共通の算定要件]生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)
- 診療所又は許可病床数200床未満病院
- 治療計画を策定し、当該治療計画に基づき、栄養、運動、休養、喫煙、家庭での体重や血圧の測定、飲酒、服薬及びその他療養を行うに当たっての問題点等の生活習慣に関する総合的な治療管理を行った場合
- 当該治療計画に基づく総合的な治療管理は、歯科医師、薬剤師、看護職員、管理栄養士等の多職種と連携して実施することが望ましい。
- 学会等の診療ガイドライン等や診療データベース等の診療支援情報を参考にする。
- 本管理料を算定する患者について、保険者から特定保健指導を行う目的で情報提供の求めがある場合には、患者の同意の有無を確認するとともに、患者の同意が得られている場合は必要な協力を行うこと。
- 糖尿病の患者については、患者の状態に応じ、年1回程度眼科の医師の診察を受けるよう指導を行うこと。また、糖尿病の患者について、歯周病の診断と治療のため、歯科を標榜する保険医療機関への受診を促すこと。
- 患者の状態に応じ、28日以上の長期の投薬を行うこと又はリフィル処方箋を交付することについて、当該対応が可能であることを当該保険医療機関の見やすい場所に掲示するとともに、患者から求められた場合に、患者の状態を踏まえて適切に対応すること。
[共通の算定要件]療養計画書(初回用、継続用)
- 栄養、運動、休養、喫煙、飲酒及び服薬等の生活習慣に関する総合的な治療管理を行う旨、患者に対して療養計画書(別紙様式9又はこれに準じた様式)により丁寧に説明を行い、患者の同意を得るとともに、当該計画書に患者の署名を受けた場合に算定できる。
- 従来の療養計画書を簡素化(各項目にあった「医師氏名(印)」、「担当者の氏名(印)」欄を削除等)して負担軽減を図った。
- 初回用は患者署名が必要であるが、医師の説明の後、薬剤師や看護職員等の医師以外が追加的な説明を行い、診察室外で患者の署名を受けることができる。
- 交付した療養計画書の写しは診療録に添付しておく。
- 療養計画書は、患者の治療管理において必要な項目のみ記載することで差し支えない。
- 血液検査結果を療養計画書と別に交付している場合又は患者の求めに応じて電子カルテ情報共有サービスを活用して共有している場合であって、その旨を診療録に記載している場合は、療養計画書の血液検査項目についての記載を省略して差し支えない。
- 生活習慣病管理料を継続して算定する月においては、栄養、運動、休養、喫煙、家庭での体重や血圧の測定、飲酒に係る情報提供及びその他療養を行うに当たっての問題点等の生活習慣に関する総合的な治療管理に係る療養計画書(別紙様式9の2又はこれに準じた様式)を交付するが、当該療養計画書の内容に変更がない場合はこの限りでない。ただし、その場合においても、患者又はその家族等から求めがあった場合には交付し、概ね4月に1回以上は交付する。
- 患者の求めに応じて、電子カルテ情報共有サービスにおける患者サマリーに、療養計画書での記載事項を入力し、診療録にその記録及び患者の同意を得た旨を記録している場合は、療養計画書の作成及び交付をしているものとみなすものとする。ただし、この場合においても、栄養、運動、休養、喫煙、飲酒及び服薬等の生活習慣に関する総合的な治療管理を行う旨、丁寧に説明を行い、患者の同意を得ることとする。
- 継続用の計画書については、療養計画書の内容を患者に対して説明した上で、患者が当該内容を十分に理解したことを医師が確認し、その旨を療養計画書に記載(チェック欄にチェック)した場合については、患者署名を省略して差し支えない。
[共通の算定要件]その他
- 同一保険医療機関において、脂質異常症、高血圧症、糖尿病を主病とする患者について、当該管理料を算定するものと算定しないものが混在するような算定を行うことができる。また、生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定するものと(Ⅱ)を算定するものが混在することも可能。
- 令和6年度診療報酬改定前の生活習慣病管理料を算定した時期にかかわらず、生活習慣病管理料(Ⅱ)が算定できる。つまり、令和6年6月1日以降、生活習慣病管理料を算定する場合には、患者の状態に応じて、(Ⅰ)又は(Ⅱ)を選択できる。ただし、(Ⅰ)を算定した日の属する月から起算して6か月以内の期間においては(Ⅱ)は算定できない。
- 令和6年度診療報酬改定前の生活習慣病管理料において療養計画書を患者に交付していた場合、令和6年6月以降は別紙様式9の2又はこれに準じた様式の療養計画書を作成することとするが、令和6年度診療報酬改定前の様式を引き続き用いて差し支えない。
生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の改定ポイント
生活習慣病管理料(Ⅰ)、生活習慣病管理料(Ⅱ)の診療報酬改定にあたっていのポイントです。
①:生活習慣病管理料(Ⅰ)への移行、生活習慣病管理料(Ⅱ)の新設
従来の生活習慣病管理料は、包括点数で月1回以上の治療管理と詳細な療養計画書の交付が4か月に1回求められるなど、算定に当たってハードルが高かった。
今回の診療報酬改定では、このハードルを緩和するとともに、従来の生活習慣病管理料は「生活習慣病管理料(Ⅰ)」に改まり、検査等が出来高算定できる「生活習慣病管理料(Ⅱ)」が新設された。
②:療養計画書が「概ね4か月に1回の交付」に緩和
「生活習慣病管理料(Ⅰ)」では、従来の「月1回以上の治療管理」は廃止となり、療養計画書は「概ね4か月に1回の交付」に緩和されるなどの見直しが行われた。
③:生活習慣病管理料(Ⅱ)の併算定不可について
「生活習慣病管理料(Ⅱ)」は、脂質異常症、高血圧症、糖尿病が特定疾患療養管理料の対象疾患から除外されるのに伴い、その受け皿として新設された。
なお、主病が上記3疾患以外の特定疾患療養管理料の対象疾患に入っているようであれば、引き続き特定疾患療養管理料が月2回を限度に算定できる。
その場合、「生活習慣病管理料(Ⅱ)」は併算定できない。
④:生活習慣病管理料(Ⅱ)の出来高算定と併算定について
「生活習慣病管理料(Ⅱ)」は、月1回算定できる出来高点数で、検査、注射、処置などが別に算定できる。
「生活習慣病管理料(Ⅱ)」を算定した診療日には外来管理加算は併算定できないが、同月の他の診療日であれば算定できる。
併算定できる医学管理料等は、整理されている。
⑤:生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の届出について
生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)は、施設基準を満たせば、届け出不要で算定できる。
⑥:療養計画書(初回用、継続用)の血液検査結果について
「生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)」とも、療養計画書(初回用、継続用)を、従来の「生活習慣病管理料」から大幅に簡素化した。
患者の治療管理で必要な項目のみの記載でよく、血液検査結果を別に交付している場合は計画書にその部分の記載は省略できることとされた。
⑦:療養計画書(初回用、継続用)の署名について
療養計画書は、初回用では患者署名が必要であるものの、医師の診察・説明の後、看護職員等の医師以外が、診察室以外で取得することも可能と緩和された。
2回目以降の継続用では患者署名は省略できる。
療養計画書(初回用)
療養計画書(継続用)
生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)について令和6年3月28日付け疑義解釈資料(抜粋)
令和6年3月28日付け疑義解釈資料について、生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)に関する部分を抜粋します。
問131:署名の取扱いについて
生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)は、栄養、運動、休養、喫煙、飲酒及び服薬等の生活習慣に関する総合的な治療管理を行う旨、患者に対して療養計画書により丁寧に説明を行い、患者の同意を得るとともに、当該計画書に患者の署名を受けた場合に算定できるものとされているが、署名の取扱い如何。
(答)
初回については、療養計画書に患者の署名を受けることが必要。
ただし、2回目以降については、療養計画書の内容を患者に対して説明した上で、患者が当該内容を十分に理解したことを医師が確認し、その旨を療養計画書に記載した場合については、患者署名を省略して差し支えない。
問132:署名の取扱いについて
問131について、療養計画書の内容について医師による丁寧な説明を実施した上で、薬剤師又は看護職員等の当該説明を行った医師以外のものが追加的な説明を行い、診察室外で患者の署名を受けた場合にも算定可能か。
(答)
可能。
問133:外来管理加算の算定について
生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)に、外来管理加算の費用は含まれるものとされているが、生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)を算定した月において、当該算定日とは別日に、当該保険医療機関において、生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)を算定した患者に対して診療を行った場合に、外来管理加算を算定することは可能か。
(答)
外来管理加算の算定要件を満たせば可能。
問134:生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の混在について
生活習慣病管理料(Ⅱ)について、「生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定した日の属する月から起算して6月以内の期間においては、生活習慣病管理料(Ⅱ)は、算定できない。」とされているが、同一の保険医療機関において、生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定する患者と、生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定する患者が同時期にそれぞれいる場合の取扱い如何。
(答)
同一の保険医療機関において、生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定する患者と、生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定する患者が同時期にそれぞれいても差し支えない。
問135:生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の算定について
生活習慣病管理料(Ⅰ)と生活習慣病管理料(Ⅱ)は、それぞれどのような患者に対して算定するのか。
(答)
個々の患者の状態等に応じて医療機関において判断されるものである。
問136:医学管理等、検査、注射及び病理診断の費用の算定について
生活習慣病管理料(Ⅰ)について、「第2章第1部医学管理等(糖尿病合併症管理料、がん性疼痛緩和指導管理料、外来緩和ケア管理料、糖尿病透析予防指導管理料及び慢性腎臓病透析予防指導管理料を除く。)、第3部検査、第6部注射及び第13部病理診断の費用は、生活習慣病管理料Ⅰ)に含まれるものとする。」とされているが、生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定した月において、当該算定日とは別日に、当該保険医療機関において、生活習慣病のために診療を行った場合に、医学管理等、検査、注射及び病理診断の費用は算定可能か。
(答)
不可。
問137:医学管理等の費用の算定について
生活習慣病管理料(Ⅱ)について、「第2章第1部医学管理等(糖尿病合併症管理料、がん性疼痛緩和指導管理料、外来緩和ケア管理料、糖尿病透析予防指導管理料、慢性腎臓病透析予防指導管理料及びプログラム医療機器等指導管理料を除く。)の費用は、生活習慣病管理料(Ⅱ)に含まれるものとする。」とされているが、生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定した月において、当該算定日とは別日に、当該保険医療機関において、生活習慣病のために診療を行った場合に、医学管理等の費用は算定可能か。
(答)
不可。
問138:令和6年度診療報酬改定前の生活習慣病管理料の取扱いについて
生活習慣病管理料(Ⅱ)について、「生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定した日の属する月から起算して6月以内の期間においては、生活習慣病管理料(Ⅱ)は、算定できない。」こととされているが、令和6年度診療報酬改定前の生活習慣病管理料についての取扱い如何。
(答)
令和6年度診療報酬改定前の生活習慣病管理料を算定した時期にかかわらず、生活習慣病管理料(Ⅱ)が算定できる。
問139:令和6年6月以降の療養計画書の取扱いについて
生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)について、療養計画書を患者に交付することが算定要件とされているが、令和6年度診療報酬改定前の生活習慣病管理料において療養計画書を患者に交付していた場合、令和6年6月以降の療養計画書の取扱い如何。
(答)
この場合、別紙様式9の2又はこれに準じた様式の療養計画書を作成することとするが、令和6年度診療報酬改定前の様式を引き続き用いて差し支えない。
問140:情報通信機器を用いた指導管理に対する療養計画書への署名について
情報通信機器を用いた指導管理により生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定する場合において、療養計画書への署名についてどのように考えればよいか。
(答)
厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に遵守した上で、例えば、電子署名を活用する方法や、患者が使用するタブレット等の画面に自署してもらう方法が想定される。
なお、留意事項の通則において、
「文書による提供等をすることとされている個々の患者の診療に関する情報等を、電磁的方法によって、患者等に提供等する場合は、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を遵守し、安全な通信環境を確保するとともに、書面における署名又は記名・押印に代わり、本ガイドラインに定められた電子署名(厚生労働省の定める準拠性監査基準を満たす保健医療福祉分野PKI認証局の発行する電子証明書を用いた電子署名、認定認証事業者(電子署名及び認証業務に関する法律(平成12年法律第102号)第2条第3項に規定する特定認証業務を行う者をいう。)又は認証事業者(同条第2項に規定する認証業務を行う者(認定認証事業者を除く。)をいう。)の発行する電子証明書を用いた電子署名、電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律(平成14年法律第153号)に基づき、平成16年1月29日から開始されている公的個人認証サービスを用いた電子署名等)を施すこと。」
とされていることを踏まえて対応すること。
また、情報通信機器を用いた指導管理を行う上での留意点を療養計画書に記載すること。
問141:情報通信機器を用いた指導管理に対する多職種の関わりについて
「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(厚生労働省平成30年3月(令和5年3月一部改訂))において、最低限遵守する事項として「医師がいる空間において診療に関わっていないものが診察情報を知覚できないこと」とされているが、情報通信機器を用いた指導管理により生活活習慣病管理料(Ⅱ)を算定する場合であって、看護職員、管理栄養士等の多職種が係わっている場合の対応如何。
(答)
情報通信機器を用いた診療を実施する際に、当該診療に係わる看護職員、管理栄養士等が同席することは差し支えない。
ただし、当該職員が同席する旨を、診療開始前にその都度患者に説明し、患者の同意を得ること。
また、情報通信機器を用いた診療の終了後に、引き続き、看護職員、管理栄養士等による指導を実施する場合においても、情報通信機器を用いた診療の終了時間を記録していることが望ましい。
問142:血糖自己測定指導加算の算定について
生活習慣病管理料(Ⅱ)の注3に規定する血糖自己測定指導加算を算定した後、1年以内に生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定する場合、生活習慣病管理料(Ⅰ)の注3に規定する血糖自己測定指導加算を算定することは可能か。
(答)
不可。
血糖自己測定指導加算を生活習慣病管理料(Ⅰ)及び生活習慣病管理料(Ⅱ)のいずれかにおいて算定した場合、生活習慣病管理料(Ⅰ)及び生活習慣病管理料(Ⅱ)のいずれにおいても1年以内は算定できない。
問143:外来栄養食事指導料2の算定について
生活習慣病管理料(Ⅱ)において、「治療計画に基づく総合的な治療管理は、歯科医師、看護師、薬剤師、管理栄養士等の多職種と連携して実施することが望ましい」とされたが、管理栄養士を雇用していない診療所において、外来栄養食事指導が必要となり、他の保険医療機関の管理栄養士と連携し、当該管理栄養士が所属する保険医療機関で対面により栄養食事指導を行った場合について、指示を出した医師の診療所が外来栄養食事指導料2を算定できるか。
(答)
算定可能。
ただし、栄養食事指導を行う管理栄養士は、指示を出す医師の診療所と適宜連絡が取れる体制を整備するとともに、栄養指導記録を必ず共有すること。
問144:院内掲示について
地域包括診療加算、地域包括診療料、生活習慣病管理料(Ⅰ)、生活習慣病管理料(Ⅱ)の施設基準において、「患者の状態に応じ、28日以上の長期の投薬を行うこと又はリフィル処方箋を交付することについて、当該対応が可能であること。」について、院内の見やすい場所に掲示していることが求められているが、具体的にはどのような内容を掲示すればよいか。
(答)
当該保険医療機関において、患者の状態に応じ、
- 28日以上の長期の投薬が可能であること
- リフィル処方箋を交付すること
のいずれの対応も可能であることを掲示すること。なお、具体的な掲示内容としてはポスター(※)を活用しても差し支えない。
(※)https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001236954.pdfに掲載。
生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ):まとめ
生活習慣病管理料(Ⅰ)と生活習慣管理料(Ⅱ)について、各種研修会において説明された改定のポイントについてまとめました。
算定にあたって必要な書類や掲示物を確認し、不足がないように対応するようにしましょう。