生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)(令和6年度診療報酬改定)
令和6年度診療報酬改定において、生活習慣病管理料(Ⅰ)と生活習慣管理料(Ⅱ)が特定疾患療養管理料(脂質異常症・高血圧症・糖尿病)に代わる管理料として新設されました。
各種研修会において説明された改定のポイントについてまとめます。
- 生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の概要
- 生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の改定ポイント
- 生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ):疑義解釈令和6年11月5日(抜粋)
- 生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ):疑義解釈令和6年8月29日(抜粋)
- 生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ):疑義解釈令和6年3月28日(抜粋)
- 問131:署名の取扱いについて
- 問132:署名の取扱いについて
- 問133:外来管理加算の算定について
- 問134:生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の混在について
- 問135:生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の算定について
- 問136:医学管理等、検査、注射及び病理診断の費用の算定について
- 問137:医学管理等の費用の算定について
- 問138:令和6年度診療報酬改定前の生活習慣病管理料の取扱いについて
- 問139:令和6年6月以降の療養計画書の取扱いについて
- 問140:情報通信機器を用いた指導管理に対する療養計画書への署名について
- 問141:情報通信機器を用いた指導管理に対する多職種の関わりについて
- 問142:血糖自己測定指導加算の算定について
- 問143:外来栄養食事指導料2の算定について
- 問144:院内掲示について
- 生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)についてのQ&A
- Q1:生活習慣病管理料(Ⅰ)と生活習慣病管理料(Ⅱ)の違いは?
- Q2:初診料算定月にも算定できるか?
- Q3:どのような患者に算定するのか?
- Q4:同一医療機関で生活習慣病管理料(Ⅰ)と(Ⅱ)が混在してよいか?
- Q5:在宅患者訪問診療料の算定患者も算定できるか?
- Q6:生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)を算定できる施設入所者は?
- Q7:1人の患者に対して複数の医療機関で算定できるか?
- Q8:生活習慣病管理料(Ⅰ)の算定患者の次月の(Ⅱ)への移行
- Q9:生活習慣病管理料(Ⅰ)の算定患者の(Ⅱ)への移行は?
- Q10:改定前から管理料を算定している場合の取扱い
- Q11:外来管理加算の算定について
- Q12:生活習慣病管理料(Ⅰ)の医学管理等、検査、注射及び病理診断の算定について
- Q13:生活習慣病管理料(Ⅱ)の医学管理等の算定について
- Q14:生活習慣病管理料(Ⅰ)の内科と他科での算定について
- Q15:在宅自己注射指導管理料の算定患者の併算定について
- Q16:糖尿病を主病としない場合の在宅自己注射指導管理料
- Q17:生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の併算定について
- Q18:同一月における通院・在宅精神療法の併算定について
- Q19:療養計画書の様式について
- Q20:療養計画書の使用について
- Q21:療養計画書の交付について
- Q22:6月に療養計画書を一律交付する必要があるか?
- Q23:療養計画書を交付しない月の算定について
- Q24:療養計画書はすべての項目を記載する必要があるか?
- Q25:血液検査の頻度について
- Q26:療養計画書の血液検査項目の記載の省略について
- Q27:療養計画書の作成および交付をしなくてもよい場合はあるのか?
- Q28:療養計画書の患者署名について
- Q29:診察室外で患者署名における算定について
- Q30:令和6年度診療報酬改定前の療養計画書の交付に対しての取扱い
- Q31:院内掲示の内容について
- Q32:届出の必要性について
- Q33:血糖自己測定指導加算の算定について
- Q34:生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)における血糖自己測定指導加算の併算定
- Q35:外来データ提出加算はどのような場合に算定できるのか?
- Q36:外来データ提出加算における医療機関の対応は?
- Q37:A245データ提出加算を届け出た医療機関における外来データ提出加算の算定
- Q38:情報通信機器を用いた場合の生活習慣病管理料(Ⅱ)の算定
- Q39:情報通信機器を用いた指導管理により生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定について
- 生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の処方日数について
- 生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の比較表
- 生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ):まとめ
生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の概要
生活習慣病管理料(Ⅰ)、生活習慣管理料(Ⅱ)の概要をまとめます。
生活習慣病管理料(Ⅰ)
従来の生活習慣病管理料が「生活習慣病管理料(Ⅰ)」に再編され、生活習慣病管理料そのものの要件であった「少なくとも1月に1回以上の総合的な治療管理」は廃止されました。
[点数設定・包括範囲](月1回)
脂質異常症を主病とする場合 | 570点 → 610点 |
高血圧症を主病とする場合 | 620点 → 660点 |
糖尿病を主病とする場合 | 720点 → 760点 |
- 外来管理加算、医学管理等(糖尿病合併症管理料、がん性疼痛緩和指導管理料、外来緩和ケア管理料、糖尿病透析予防指導管理料、慢性腎臓病透析予防指導管理料を除く)、検査、注射、病理診断の費用は含まれる。
- 同月の他の診療日に外来管理加算は算定できる。
- 血糖自己測定指導加算:500点(年1回)
- 外来データ提出加算 : 50点
生活習慣病管理料(Ⅱ)
今回の改定で、特定疾患療養管理料の対象疾患から「脂質異常症」「高血圧症」「糖尿病」が除外され、その受け皿として「生活習慣病管理料(Ⅱ)」が新設された。
[点数設定・包括範囲](月1回)
生活習慣病管理料(Ⅱ) 333点 | 特定疾患療養管理料:225点 + 外来管理加算:52点 + 特定疾患処方管理加算:56点 |
- 情報通信機器を用いて行った場合:290点
- 本点数を算定する場合、一部の医学管理等が含まれる、別途、検査、注射、処置など算定できる。(Ⅱ)は(Ⅰ)より出来高算定できる項目が多い。
- 同月の他の診療日に外来管理加算は算定できる。
- 血糖自己測定指導加算:500点(年1回)
- 外来データ提出加算 : 50点
- 外来栄養食事指導料
- 集団栄養食事指導料
- 糖尿病合併症管理料
- がん性疼痛緩和指導管理料
- 外来緩和ケア管理料
- 糖尿病透析予防指導管理料
- 慢性腎臓病透析予防指導管理料
- ニコチン依存症管理料
- 療養・就労両立支援指導料
- プログラム医療機器等指導管理料
- 診療情報提供料(Ⅰ)
- 電子的診療情報評価料
- 診療情報提供料(Ⅱ)
- 診療情報連携共有料
- 連携強化診療情報提供料
- 薬剤情報提供料
[共通の算定要件]生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)
- 診療所又は許可病床数200床未満病院
- 治療計画を策定し、当該治療計画に基づき、栄養、運動、休養、喫煙、家庭での体重や血圧の測定、飲酒、服薬及びその他療養を行うに当たっての問題点等の生活習慣に関する総合的な治療管理を行った場合
- 当該治療計画に基づく総合的な治療管理は、歯科医師、薬剤師、看護職員、管理栄養士等の多職種と連携して実施することが望ましい。
- 学会等の診療ガイドライン等や診療データベース等の診療支援情報を参考にする。
- 本管理料を算定する患者について、保険者から特定保健指導を行う目的で情報提供の求めがある場合には、患者の同意の有無を確認するとともに、患者の同意が得られている場合は必要な協力を行うこと。
- 糖尿病の患者については、患者の状態に応じ、年1回程度眼科の医師の診察を受けるよう指導を行うこと。また、糖尿病の患者について、歯周病の診断と治療のため、歯科を標榜する保険医療機関への受診を促すこと。
- 患者の状態に応じ、28日以上の長期の投薬を行うこと又はリフィル処方箋を交付することについて、当該対応が可能であることを当該保険医療機関の見やすい場所に掲示するとともに、患者から求められた場合に、患者の状態を踏まえて適切に対応すること。
[共通の算定要件]療養計画書(初回用、継続用)
- 栄養、運動、休養、喫煙、飲酒及び服薬等の生活習慣に関する総合的な治療管理を行う旨、患者に対して療養計画書(別紙様式9又はこれに準じた様式)により丁寧に説明を行い、患者の同意を得るとともに、当該計画書に患者の署名を受けた場合に算定できる。
- 従来の療養計画書を簡素化(各項目にあった「医師氏名(印)」、「担当者の氏名(印)」欄を削除等)して負担軽減を図った。
- 初回用は患者署名が必要であるが、医師の説明の後、薬剤師や看護職員等の医師以外が追加的な説明を行い、診察室外で患者の署名を受けることができる。
- 交付した療養計画書の写しは診療録に添付しておく。
- 療養計画書は、患者の治療管理において必要な項目のみ記載することで差し支えない。
- 血液検査結果を療養計画書と別に交付している場合又は患者の求めに応じて電子カルテ情報共有サービスを活用して共有している場合であって、その旨を診療録に記載している場合は、療養計画書の血液検査項目についての記載を省略して差し支えない。
- 生活習慣病管理料を継続して算定する月においては、栄養、運動、休養、喫煙、家庭での体重や血圧の測定、飲酒に係る情報提供及びその他療養を行うに当たっての問題点等の生活習慣に関する総合的な治療管理に係る療養計画書(別紙様式9の2又はこれに準じた様式)を交付するが、当該療養計画書の内容に変更がない場合はこの限りでない。ただし、その場合においても、患者又はその家族等から求めがあった場合には交付し、概ね4月に1回以上は交付する。
- 患者の求めに応じて、電子カルテ情報共有サービスにおける患者サマリーに、療養計画書での記載事項を入力し、診療録にその記録及び患者の同意を得た旨を記録している場合は、療養計画書の作成及び交付をしているものとみなすものとする。ただし、この場合においても、栄養、運動、休養、喫煙、飲酒及び服薬等の生活習慣に関する総合的な治療管理を行う旨、丁寧に説明を行い、患者の同意を得ることとする。
- 継続用の計画書については、療養計画書の内容を患者に対して説明した上で、患者が当該内容を十分に理解したことを医師が確認し、その旨を療養計画書に記載(チェック欄にチェック)した場合については、患者署名を省略して差し支えない。
[共通の算定要件]その他
- 同一保険医療機関において、脂質異常症、高血圧症、糖尿病を主病とする患者について、当該管理料を算定するものと算定しないものが混在するような算定を行うことができる。また、生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定するものと(Ⅱ)を算定するものが混在することも可能。
- 令和6年度診療報酬改定前の生活習慣病管理料を算定した時期にかかわらず、生活習慣病管理料(Ⅱ)が算定できる。つまり、令和6年6月1日以降、生活習慣病管理料を算定する場合には、患者の状態に応じて、(Ⅰ)又は(Ⅱ)を選択できる。ただし、(Ⅰ)を算定した日の属する月から起算して6か月以内の期間においては(Ⅱ)は算定できない。
- 令和6年度診療報酬改定前の生活習慣病管理料において療養計画書を患者に交付していた場合、令和6年6月以降は別紙様式9の2又はこれに準じた様式の療養計画書を作成することとするが、令和6年度診療報酬改定前の様式を引き続き用いて差し支えない。
生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の改定ポイント
生活習慣病管理料(Ⅰ)、生活習慣病管理料(Ⅱ)の診療報酬改定にあたっていのポイントです。
①:生活習慣病管理料(Ⅰ)への移行、生活習慣病管理料(Ⅱ)の新設
従来の生活習慣病管理料は、包括点数で月1回以上の治療管理と詳細な療養計画書の交付が4か月に1回求められるなど、算定に当たってハードルが高かった。
今回の診療報酬改定では、このハードルを緩和するとともに、従来の生活習慣病管理料は「生活習慣病管理料(Ⅰ)」に改まり、検査等が出来高算定できる「生活習慣病管理料(Ⅱ)」が新設された。
②:療養計画書が「概ね4か月に1回の交付」に緩和
「生活習慣病管理料(Ⅰ)」では、従来の「月1回以上の治療管理」は廃止となり、療養計画書は「概ね4か月に1回の交付」に緩和されるなどの見直しが行われた。
③:生活習慣病管理料(Ⅱ)の併算定不可について
「生活習慣病管理料(Ⅱ)」は、脂質異常症、高血圧症、糖尿病が特定疾患療養管理料の対象疾患から除外されるのに伴い、その受け皿として新設された。
なお、主病が上記3疾患以外の特定疾患療養管理料の対象疾患に入っているようであれば、引き続き特定疾患療養管理料が月2回を限度に算定できる。
その場合、「生活習慣病管理料(Ⅱ)」は併算定できない。
④:生活習慣病管理料(Ⅱ)の出来高算定と併算定について
「生活習慣病管理料(Ⅱ)」は、月1回算定できる出来高点数で、検査、注射、処置などが別に算定できる。
「生活習慣病管理料(Ⅱ)」を算定した診療日には外来管理加算は併算定できないが、同月の他の診療日であれば算定できる。
併算定できる医学管理料等は、整理されている。
⑤:生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の届出について
生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)は、施設基準を満たせば、届け出不要で算定できる。
⑥:療養計画書(初回用、継続用)の血液検査結果について
「生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)」とも、療養計画書(初回用、継続用)を、従来の「生活習慣病管理料」から大幅に簡素化した。
患者の治療管理で必要な項目のみの記載でよく、血液検査結果を別に交付している場合は計画書にその部分の記載は省略できることとされた。
⑦:療養計画書(初回用、継続用)の署名について
療養計画書は、初回用では患者署名が必要であるものの、医師の診察・説明の後、看護職員等の医師以外が、診察室以外で取得することも可能と緩和された。
2回目以降の継続用では患者署名は省略できる。
療養計画書(初回用)
療養計画書(継続用)
生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ):疑義解釈令和6年11月5日(抜粋)
令和6年11月5日付け疑義解釈資料について、生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)に関する部分を抜粋します。
問2:糖尿病を主病とする患者
「B001-3」生活習慣病管理料(Ⅰ)の「注3」及び「B001-3-3」生活習慣病管理料(Ⅱ)の注3の加算については、「血糖試験紙、固定化酵素電極、穿刺器、穿刺針及び測定機器を患者に給付又は貸与した場合における費用その他血糖自己測定に係る全ての費用は当該加算点数に含まれ、別に算定できない。」とされているが、皮下グルコース用電極に係る費用は別に算定できるのか。
【B001-3 生活習慣病管理料(Ⅰ)の「注3」】
糖尿病を主病とする患者(2型糖尿病の患者であってインスリン製剤を使用していないものに限る。)に対して、血糖自己測定値に基づく指導を行った場合は、血糖自己測定指導加算として、年1回に限り所定点数に500点を加算する。
【B001-3-3 生活習慣病管理料(Ⅱ)の「注3」】
糖尿病を主病とする患者(2型糖尿病の患者であってインスリン製剤を使用していないものに限る。)に対して、血糖自己測定値に基づく指導を行った場合は、血糖自己測定指導加算として、年1回に限り所定点数に500点を加算する。
(答)
算定不可。
生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ):疑義解釈令和6年8月29日(抜粋)
令和6年8月29日付け疑義解釈資料について、生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)に関する部分を抜粋します。
問3:特定疾患処方管理加算
生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)を算定した月において、当該算定日とは別日に、当該保険医療機関において、同一患者に対して特定疾患処方管理加算を算定することは可能か。
(答)
特定疾患処方管理加算は、特定疾患療養管理料における特定疾患と同じ特定疾患を対象に処方した際に算定できるが、特定疾患療養管理料と生活習慣病管理料は併算定できないことから、生活習慣病管理料を算定した月においては、特定疾患処方管理加算は算定できない。
生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ):疑義解釈令和6年3月28日(抜粋)
令和6年3月28日付け疑義解釈資料について、生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)に関する部分を抜粋します。
問131:署名の取扱いについて
生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)は、栄養、運動、休養、喫煙、飲酒及び服薬等の生活習慣に関する総合的な治療管理を行う旨、患者に対して療養計画書により丁寧に説明を行い、患者の同意を得るとともに、当該計画書に患者の署名を受けた場合に算定できるものとされているが、署名の取扱い如何。
(答)
初回については、療養計画書に患者の署名を受けることが必要。
ただし、2回目以降については、療養計画書の内容を患者に対して説明した上で、患者が当該内容を十分に理解したことを医師が確認し、その旨を療養計画書に記載した場合については、患者署名を省略して差し支えない。
問132:署名の取扱いについて
問131について、療養計画書の内容について医師による丁寧な説明を実施した上で、薬剤師又は看護職員等の当該説明を行った医師以外のものが追加的な説明を行い、診察室外で患者の署名を受けた場合にも算定可能か。
(答)
可能。
問133:外来管理加算の算定について
生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)に、外来管理加算の費用は含まれるものとされているが、生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)を算定した月において、当該算定日とは別日に、当該保険医療機関において、生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)を算定した患者に対して診療を行った場合に、外来管理加算を算定することは可能か。
(答)
外来管理加算の算定要件を満たせば可能。
問134:生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の混在について
生活習慣病管理料(Ⅱ)について、「生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定した日の属する月から起算して6月以内の期間においては、生活習慣病管理料(Ⅱ)は、算定できない。」とされているが、同一の保険医療機関において、生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定する患者と、生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定する患者が同時期にそれぞれいる場合の取扱い如何。
(答)
同一の保険医療機関において、生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定する患者と、生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定する患者が同時期にそれぞれいても差し支えない。
問135:生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の算定について
生活習慣病管理料(Ⅰ)と生活習慣病管理料(Ⅱ)は、それぞれどのような患者に対して算定するのか。
(答)
個々の患者の状態等に応じて医療機関において判断されるものである。
問136:医学管理等、検査、注射及び病理診断の費用の算定について
生活習慣病管理料(Ⅰ)について、「第2章第1部医学管理等(糖尿病合併症管理料、がん性疼痛緩和指導管理料、外来緩和ケア管理料、糖尿病透析予防指導管理料及び慢性腎臓病透析予防指導管理料を除く。)、第3部検査、第6部注射及び第13部病理診断の費用は、生活習慣病管理料Ⅰ)に含まれるものとする。」とされているが、生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定した月において、当該算定日とは別日に、当該保険医療機関において、生活習慣病のために診療を行った場合に、医学管理等、検査、注射及び病理診断の費用は算定可能か。
(答)
不可。
問137:医学管理等の費用の算定について
生活習慣病管理料(Ⅱ)について、「第2章第1部医学管理等(糖尿病合併症管理料、がん性疼痛緩和指導管理料、外来緩和ケア管理料、糖尿病透析予防指導管理料、慢性腎臓病透析予防指導管理料及びプログラム医療機器等指導管理料を除く。)の費用は、生活習慣病管理料(Ⅱ)に含まれるものとする。」とされているが、生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定した月において、当該算定日とは別日に、当該保険医療機関において、生活習慣病のために診療を行った場合に、医学管理等の費用は算定可能か。
(答)
不可。
問138:令和6年度診療報酬改定前の生活習慣病管理料の取扱いについて
生活習慣病管理料(Ⅱ)について、「生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定した日の属する月から起算して6月以内の期間においては、生活習慣病管理料(Ⅱ)は、算定できない。」こととされているが、令和6年度診療報酬改定前の生活習慣病管理料についての取扱い如何。
(答)
令和6年度診療報酬改定前の生活習慣病管理料を算定した時期にかかわらず、生活習慣病管理料(Ⅱ)が算定できる。
問139:令和6年6月以降の療養計画書の取扱いについて
生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)について、療養計画書を患者に交付することが算定要件とされているが、令和6年度診療報酬改定前の生活習慣病管理料において療養計画書を患者に交付していた場合、令和6年6月以降の療養計画書の取扱い如何。
(答)
この場合、別紙様式9の2又はこれに準じた様式の療養計画書を作成することとするが、令和6年度診療報酬改定前の様式を引き続き用いて差し支えない。
問140:情報通信機器を用いた指導管理に対する療養計画書への署名について
情報通信機器を用いた指導管理により生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定する場合において、療養計画書への署名についてどのように考えればよいか。
(答)
厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に遵守した上で、例えば、電子署名を活用する方法や、患者が使用するタブレット等の画面に自署してもらう方法が想定される。
なお、留意事項の通則において、
「文書による提供等をすることとされている個々の患者の診療に関する情報等を、電磁的方法によって、患者等に提供等する場合は、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を遵守し、安全な通信環境を確保するとともに、書面における署名又は記名・押印に代わり、本ガイドラインに定められた電子署名(厚生労働省の定める準拠性監査基準を満たす保健医療福祉分野PKI認証局の発行する電子証明書を用いた電子署名、認定認証事業者(電子署名及び認証業務に関する法律(平成12年法律第102号)第2条第3項に規定する特定認証業務を行う者をいう。)又は認証事業者(同条第2項に規定する認証業務を行う者(認定認証事業者を除く。)をいう。)の発行する電子証明書を用いた電子署名、電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律(平成14年法律第153号)に基づき、平成16年1月29日から開始されている公的個人認証サービスを用いた電子署名等)を施すこと。」
とされていることを踏まえて対応すること。
また、情報通信機器を用いた指導管理を行う上での留意点を療養計画書に記載すること。
問141:情報通信機器を用いた指導管理に対する多職種の関わりについて
「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(厚生労働省平成30年3月(令和5年3月一部改訂))において、最低限遵守する事項として「医師がいる空間において診療に関わっていないものが診察情報を知覚できないこと」とされているが、情報通信機器を用いた指導管理により生活活習慣病管理料(Ⅱ)を算定する場合であって、看護職員、管理栄養士等の多職種が係わっている場合の対応如何。
(答)
情報通信機器を用いた診療を実施する際に、当該診療に係わる看護職員、管理栄養士等が同席することは差し支えない。
ただし、当該職員が同席する旨を、診療開始前にその都度患者に説明し、患者の同意を得ること。
また、情報通信機器を用いた診療の終了後に、引き続き、看護職員、管理栄養士等による指導を実施する場合においても、情報通信機器を用いた診療の終了時間を記録していることが望ましい。
問142:血糖自己測定指導加算の算定について
生活習慣病管理料(Ⅱ)の注3に規定する血糖自己測定指導加算を算定した後、1年以内に生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定する場合、生活習慣病管理料(Ⅰ)の注3に規定する血糖自己測定指導加算を算定することは可能か。
(答)
不可。
血糖自己測定指導加算を生活習慣病管理料(Ⅰ)及び生活習慣病管理料(Ⅱ)のいずれかにおいて算定した場合、生活習慣病管理料(Ⅰ)及び生活習慣病管理料(Ⅱ)のいずれにおいても1年以内は算定できない。
問143:外来栄養食事指導料2の算定について
生活習慣病管理料(Ⅱ)において、「治療計画に基づく総合的な治療管理は、歯科医師、看護師、薬剤師、管理栄養士等の多職種と連携して実施することが望ましい」とされたが、管理栄養士を雇用していない診療所において、外来栄養食事指導が必要となり、他の保険医療機関の管理栄養士と連携し、当該管理栄養士が所属する保険医療機関で対面により栄養食事指導を行った場合について、指示を出した医師の診療所が外来栄養食事指導料2を算定できるか。
(答)
算定可能。
ただし、栄養食事指導を行う管理栄養士は、指示を出す医師の診療所と適宜連絡が取れる体制を整備するとともに、栄養指導記録を必ず共有すること。
問144:院内掲示について
地域包括診療加算、地域包括診療料、生活習慣病管理料(Ⅰ)、生活習慣病管理料(Ⅱ)の施設基準において、「患者の状態に応じ、28日以上の長期の投薬を行うこと又はリフィル処方箋を交付することについて、当該対応が可能であること。」について、院内の見やすい場所に掲示していることが求められているが、具体的にはどのような内容を掲示すればよいか。
(答)
当該保険医療機関において、患者の状態に応じ、
- 28日以上の長期の投薬が可能であること
- リフィル処方箋を交付すること
のいずれの対応も可能であることを掲示すること。なお、具体的な掲示内容としてはポスター(※)を活用しても差し支えない。
(※)https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001236954.pdfに掲載。
生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)についてのQ&A
生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)についてのQ&Aをまとめました。
Q1:生活習慣病管理料(Ⅰ)と生活習慣病管理料(Ⅱ)の違いは?
問1:生活習慣病管理料(Ⅰ)と生活習慣病管理料(Ⅱ)は何が違うのか?
回答:主な違いは以下の3点で、算定要件や新設基準は同一ではない。
- 算定点数が異なる。生活習慣病管理料(Ⅰ)は「高血圧症」「糖尿病」「脂質異常症」ごとに算定点数が異なるが、生活習慣病管理料(Ⅱ)は「高血圧症」「糖尿病」「脂質異常症」のいずれも333点(月1回)を算定する。
- 包括範囲が異なる。例えば、生活習慣病管理料(Ⅰ)は検査料が包括されていて別に算定できないが、生活習慣病管理料(Ⅱ)は検査料が包括されておらず、別に算定できる。
- 情報通信機器を用いて医学管理を行った場合の点数が生活習慣病管理料(Ⅱ)には設定されているが、生活習慣病管理料(Ⅰ)には設定されていない。
Q2:初診料算定月にも算定できるか?
問2:生活習慣病管理料(Ⅰ)または(Ⅱ)は、初診料を算定する月にも算定できるか?
回答:算定できない。
Q3:どのような患者に算定するのか?
問3:生活習慣病管理料(Ⅰ)と生活習慣病管理料(Ⅱ)は、それぞれどのような患者に算定するのか?
回答:個々の患者の状態等に応じて医療機関において判断されるものである。(令和6年3月28日厚労省事務連絡・一部改変)
Q4:同一医療機関で生活習慣病管理料(Ⅰ)と(Ⅱ)が混在してよいか?
問4:同一医療機関において、生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定する患者と、生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定する患者が混在してよいか?
回答:混在してよい。(令和6年3月28日厚労省事務連絡・一部改変)
Q5:在宅患者訪問診療料の算定患者も算定できるか?
問5:在宅患者訪問診療料を算定する自宅で療養を行っている患者にも算定できるか?
回答:生活習慣病管理料(Ⅰ)または(Ⅱ)の算定要件を満たせば、算定できる。
Q6:生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)を算定できる施設入所者は?
問6:次の施設に入所する患者に対して、生活習慣病管理料(Ⅰ)または生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定できるか?
回答:
- 認知症対応型グループホーム
:算定可 - 特別養護老人ホーム
:配置医師の場合は算定できないが、配置医師以外の場合は算定可 - 介護医療院
:生活習慣病管理料(Ⅰ)または(Ⅱ)は算定できないが、血糖自己測定指導加算は算定可
Q7:1人の患者に対して複数の医療機関で算定できるか?
問7:1人の患者に対して、複数の医療機関で生活習慣病管理料を算定できるか?例えば、A医療機関で高血圧症に対して生活習慣病管理料(Ⅰ)または(Ⅱ)を算定し、B医療機関で糖尿病に対して生活習慣病管理料(Ⅰ)又は(Ⅱ)を算定することは可能か?
回答:可能
Q8:生活習慣病管理料(Ⅰ)の算定患者の次月の(Ⅱ)への移行
問8:6月に生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定した患者について、7月に検査を複数項目実施するため、生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定することは可能か?
回答:「生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定した日の属する月から6月以内の期間においては、生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定できない」との規定があるため、7月に生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定することは不可。
ただし、生活習慣病管理料(Ⅱ)から生活習慣病管理料(Ⅰ)への移行について、上記のような規定がないため、翌月に移行することは可能。
Q9:生活習慣病管理料(Ⅰ)の算定患者の(Ⅱ)への移行は?
問9:問8について、例えば6月に生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定した場合、いつから生活習慣病管理料(Ⅱ)に移行できるか?
下表のとおり、6月に生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定した場合、7~11月に生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定しなければ、12月から生活習慣病管理料(Ⅱ)に移行することができる。
6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
(Ⅰ)を算定 | 算定なし | 算定なし | 算定なし | 算定なし | 算定なし | (Ⅱ)を算定可 |
Q10:改定前から管理料を算定している場合の取扱い
問10:改定前の5月以前に生活習慣病管理料を算定していた患者に対して、6月以降、生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定するか、生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定するかを選択できるか?
回答:選択可能
Q11:外来管理加算の算定について
問11:生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)の算定日とは別日に、生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)を算定した患者に対して診療を行った場合に、外来管理加算を算定することは可能か?
回答:外来管理加算の算定要件を満たせば可能。(令和6年3月28日厚労省事務連絡・一部改変)
Q12:生活習慣病管理料(Ⅰ)の医学管理等、検査、注射及び病理診断の算定について
問12:生活習慣病管理料(Ⅰ)について、「第2章第1部医学管理等(B001の20糖尿病合併症管理料、B001の22がん性疼痛緩和指導管理料、B001の24外来緩和ケア管理料、B001の27糖尿病透析予防指導管理料およびB001の37慢性腎臓病透析予防指導管理料を除く)、第3部検査、第6部注射および第13部病理診断の費用は、生活習慣病管理料(Ⅰ)に含まれる」とされているが、生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定した月において、当該算定日とは別日に、当該保険医療機関において、医学管理等、検査、注射及び病理診断の費用は算定可能か?
回答:算定不可。(令和6年3月28日厚労省事務連絡・一部改変)
Q13:生活習慣病管理料(Ⅱ)の医学管理等の算定について
問13:生活習慣病管理料(Ⅱ)について、「第2章第1部第1節医学管理等(B001の20糖尿病合併症管理料、B001の22がん性疼痛緩和指導管理料、B001の24外来緩和ケア管理料、B001の27糖尿病透析予防指導管理料およびB005の14プログラム医療機器等指導管理料を除く)の費用は、生活習慣病管理料(Ⅱ)に含まれる」とされているが、生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定した月において、当該算定日とは別日に、当該保険医療機関において、医学管理等の費用は算定可能か?
回答:算定不可。(令和6年3月28日厚労省事務連絡・一部改変)
Q14:生活習慣病管理料(Ⅰ)の内科と他科での算定について
問14:生活習慣病管理料(Ⅰ)には検査の費用が包括されているが、例えば医療機関に内科と皮膚科があり、内科で生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定した患者が、同一月内に皮膚科も受診した場合、皮膚科で行った検査の費用も包括されて算定できないのか?
回答:算定できない。ただし、「別に厚生労働大臣が定める検査」以外の検査を皮膚科で行ったのであれば外来管理加算を算定できる。
Q15:在宅自己注射指導管理料の算定患者の併算定について
問15:糖尿病が主病の患者に対して、インスリンを処方のうえ、在宅自己注射指導管理料を算定しているが、生活習慣病管理料(Ⅰ)又は(Ⅱ)を併せて算定できるか?
回答:算定できない。糖尿病を主病とする場合で、在宅自己注射指導管理料を算定しているときは算定できない。
Q16:糖尿病を主病としない場合の在宅自己注射指導管理料
問16:主病が高血圧症または脂質異常症で生活習慣病管理料(Ⅰ)又は(Ⅱ)を算定している患者について、2型糖尿病に罹患したため、インスリンの自己注射を開始した場合、在宅自己注射指導管理料を算定できるか?
回答:算定できる。糖尿病を主病とする場合でなければ、在宅自己注射指導管理料を併せて算定できる。
Q17:生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の併算定について
問17:生活習慣病管理料(Ⅰ)又は(Ⅱ)について、次の点数を併せて算定できるか?
回答:
- 再診料の地域包括診療加算
:算定できる。 - 地域包括診療料
:算定できない。 - 慢性維持透析患者外来医学管理料
:算定できない。
Q18:同一月における通院・在宅精神療法の併算定について
問18:生活習慣病管理料(Ⅰ)又は(Ⅱ)について、同一月に通院・在宅精神療法を併せて算定できるか?
回答:生活習慣病管理料(Ⅰ)と通院・在宅精神療法は同一月に併せて算定できるが、生活習慣病管理料(Ⅱ)と通院・在宅精神療法は同一月に併せて算定できない。(令和6年3月28日厚労省事務連絡・一部改変)
Q19:療養計画書の様式について
問19:療養計画書の様式は示されているか?
回答:示されている。生活習慣病管理料(Ⅰ)又は(Ⅱ)を初めて算定する月は別紙様式9またはこれに準じた様式を使用し、生活習慣病管理料(Ⅰ)又は(Ⅱ)を継続して算定する月は別紙様式9の2またはこれに準じた様式を使用する。
Q20:療養計画書の使用について
問20:改定前に特定疾患療養管理料を算定した患者に対して、6月以降、生活習慣病管理料(Ⅰ)又は(Ⅱ)を算定する場合、療養計画書は「初回用」、「継続用」のどちらを使用するのか?
回答:「初回用」を使用する。
Q21:療養計画書の交付について
問21:生活習慣病管理料(Ⅰ)又は(Ⅱ)を毎月算定する場合、療養計画書は毎月患者に交付する必要があるか?
回答:療養計画書の内容に変更がある場合や、患者またはその家族等から求めがあった場合を除き、概ね4ヵ月に1回以上の交付でよい。
Q22:6月に療養計画書を一律交付する必要があるか?
問22:改定前に生活習慣病管理料を算定し、療養計画書を交付した患者に対して、6月に生活習慣病管理料(Ⅰ)又は(Ⅱ)を算定する場合、6月に療養計画書を一律交付する必要があるか?
回答:改定前の交付月から起算して概ね4ヵ月に1回以上交付していればよい。
Q23:療養計画書を交付しない月の算定について
問23:療養計画書を交付しない月でも、治療計画に基づく総合的な治療管理を行っていれば生活習慣病管理料(Ⅰ)又は(Ⅱ)を算定できるか?
回答:算定できる。
Q24:療養計画書はすべての項目を記載する必要があるか?
問24:療養計画書はすべての項目を記載する必要があるか?例えば、糖尿病を主病とする患者に対する療養計画書に、収縮期/拡張期血圧などの記載が必要か?
回答:必要ない。療養計画書には、当該患者の治療計画において必要な項目のみを記載することでよい。
Q25:血液検査の頻度について
問25:療養計画書には血液検査の結果を記載するとされているが、患者に交付の都度、血液検査を行う必要があるか?
回答:必要ない。検査は必要に応じて実施することでよい。
Q26:療養計画書の血液検査項目の記載の省略について
問26:血液検査結果を患者に交付している場合は、療養計画書の血液検査項目の記載を省略できるか?
回答:省略できる。また、患者の求めに応じて、電子カルテ情報共有サービスを活用して共有している場合であって、その旨をカルテに記載している場合も省略できる。
Q27:療養計画書の作成および交付をしなくてもよい場合はあるのか?
問27:療養計画書の作成および交付をしなくてもよい場合はあるのか?
回答:患者の求めに応じて、電子カルテ情報共有サービスにおける患者サマリーに、療養計画書での記載事項を入力し、カルテにその記録及び患者の同意を得た旨を記録している場合は、療養計画書の作成及び交付をしているものとみなされる。ただし、生活習慣に関する総合的な治療管理を行う旨を患者に説明し、同意を得る必要がある。
Q28:療養計画書の患者署名について
問28:生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)について、患者署名は療養計画書を交付の都度、必要か?
回答:初回については、療養計画書に患者の署名を受けることが必要。ただし、2回目以降については、療養計画書の内容を患者に対して説明した上で、患者が当該内容を十分に理解したことを医師が確認し、その旨を療養計画書に記載した場合については、患者署名を省略して差し支えない。(令和6年3月28日厚労省事務連絡・一部改変)
Q29:診察室外で患者署名における算定について
問29:療養計画書の内容について医師による丁寧な説明を実施した上で、薬剤師又は看護職員等の当該説明を行った医師以外のものが追加的な説明を行い、診察室外で患者の署名を受けた場合にも算定可能か?
回答:可能。(令和6年3月28日厚労省事務連絡・一部改変)
Q30:令和6年度診療報酬改定前の療養計画書の交付に対しての取扱い
問30:生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)について、令和6年度診療報酬改定前の生活習慣病管理料において療養計画書を患者に交付していた場合、令和6年6月以降の療養計画書の取扱いはどのようになるか?
回答:この場合、別紙様式9の2(継続用)又はこれに準じた様式の療養計画書を作成することとするが令和6年度診療報酬改定前の様式を引き続き用いて差し支えない。(令和6年3月28日厚労省事務連絡・一部改変)
Q31:院内掲示の内容について
問31:生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)の施設基準において、「患者の状態に応じ、28日以上の長期の投薬を行うこと又はリフィル処方箋を交付することについて、当該対応が可能であること」について、院内の見やすい場所に掲示していることが求められているが、具体的にどのような内容を掲示すればよいか?
回答:当該保険医療機関において、患者の状態に応じ、
- 28日以上の長期の投薬が可能であること
- リフィル処方箋を交付すること
のいずれの対応も可能であることを掲示すること。(令和6年3月28日厚労省事務連絡・一部改変)
Q32:届出の必要性について
問32:算定にあたり、届出は必要か?
回答:届出は必要ない。ただし、施設基準を満たす必要はある。
Q33:血糖自己測定指導加算の算定について
問33:血糖自己測定指導加算はどういった場合に算定できるのか?
回答:中等度以上の糖尿病を主病とする患者(2型糖尿病の患者であってインスリン製剤を使用していないものに限る)に対して、血糖自己測定に基づく指導を行った場合に、年1回500点を算定する。なお、中等度以上の糖尿病の患者とは、当該加算を算定する当月若しくは前月においてHbA1cがJDS値で8.0%以上(NGSP値が8.4%以上)の者をいう。
Q34:生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)における血糖自己測定指導加算の併算定
問34:生活習慣病管理料(Ⅱ)の血糖自己測定指導加算を算定した後、1年以内に生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定する場合、生活習慣病管理料(Ⅰ)の血糖自己測定指導加算を算定することは可能か?
回答:不可。血糖自己測定指導加算を生活習慣病管理料(Ⅰ)及び生活習慣病管理料(Ⅱ)のいずれかにおいて算定した場合、生活習慣病管理料(Ⅰ)及び生活習慣病管理料(Ⅱ)のいずれにおいても1年以内は算定できない。(令和6年3月28日厚労省事務連絡・一部改変)
Q35:外来データ提出加算はどのような場合に算定できるのか?
問35:外来データ提出加算は、どのような場合に算定できるのか?
回答:当該医療機関における診療報酬の請求状況、生活習慣病の治療管理の状況等の診療の内容に関するデータを継続して厚生労働省に提出している場合に、外来データ提出加算として50点を生活習慣病管理料(Ⅰ)又は(Ⅱ)に加算できる。算定にあたっては、届出が必要である。
Q36:外来データ提出加算における医療機関の対応は?
問36:外来データ提出加算の算定に先立ち、医療機関はどのような対応を求められるのか?
回答:下記の対応が求められる。
- データの提出を希望する医療機関は、様式7の10を地方厚生(支)局医療課長を経由して、厚生労働省保険局医療課長に届出を行う。2024年度の届出期限は、2024年5月20日、8月20日、11月20日、2025年2月20日。
- 様式7の10の届出期限である月の翌月から起算して2月分(4回目のスケジュールのみ届出期限である月とその翌月の2月分)の試行データを外来医療等調査事務局が提供するチェックプログラムにより作成し、指定する期日までに外来医療等調査事務局に提出する(厚生労働省が様式7の10を受領後、外来医療等調査事務局から各医療機関の連絡担当者宛てに案内メールを送信する)。
- 試行データが適切に提出されていた場合は、データ提出の実績が認められた医療機関として、外来医療等調査事務局から各医療機関の担当者宛てに電子メールにてデータ提出事務連絡が送信される。
- 様式7の11を用いて、地方厚生(支)局長宛てに届出を行う。届出が受理された翌月1日から外来データ提出加算開始となり、届出が受理された月の属する四半期から本データを提出する。本データ作成用のチェックプログラムは、厚生労働省が様式7の11を受領後、外来医療等調査事務局から各医療機関の連絡担当者宛に案内メールが送信される。
Q37:A245データ提出加算を届け出た医療機関における外来データ提出加算の算定
問37:外来データ提出加算は、入院基本料等加算のA245データ提出加算を届け出た医療機関でも算定できるか?
回答:今次改定で施設基準が変更され、データ提出加算を届け出た医療機関であっても届出・算定ができることとなった。
Q38:情報通信機器を用いた場合の生活習慣病管理料(Ⅱ)の算定
問38:情報通信機器を用いた指導管理により生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定する場合において、療養計画書への署名についてどのように考えればよいか?
回答:厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に遵守した上で、例えば、電子署名を活用する方法や、患者が使用するタブレット等の自署してもらう方法が想定される。また、情報通信機器を用いた指導管理を行う上での留意点を療養計画書に記載すること。(令和6年3月28日厚労省事務連絡・一部改変)
Q39:情報通信機器を用いた指導管理により生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定について
問39:「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(厚生労働省平成30年3月(令和5年3月一部改訂))において、最低限遵守する事項として「医師がいる空間において診療に関わっていないものが診療情報を知覚できないこと」とされているが、情報通信機器を用いた指導管理により生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定する場合であって、看護職員、管理栄養士等の多職種が関わる場合、どう対応すればよいか?
回答:情報通信機器を用いた診療を実施する際に、当該診療に関わる看護職員、管理栄養士等が同席することは差し支えない。ただし、当該職員が同席する旨を、診療開始前にその都度患者に説明し、患者の同意を得ること。また、情報通信機器を用いた診療の終了後に、引き続き、看護職員、管理栄養士等による指導を実施する場合においても、診療の終了時間を記録していることが望ましい。(令和6年3月28日厚労省事務連絡・一部改変)
生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の処方日数について
生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の算定要件において、「患者の状態に応じ、28日以上の長期処方を行うこと、又はリフィル処方箋を交付することについて、当該対応が可能であることを当該保険医療機関の見やすい場所に掲示するとともに、患者から求められた場合に、患者の状態を踏まえて適切に対応すること。」とあります。
この一文によって、生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)を算定する場合には「28日以上の長期処方、又はリフィル処方を行う必要があるのか?」と疑問に考えられることが多いようです。
ですが、「患者から求められた場合に、患者の状態を踏まえて適切に対応すること。」と通知されているのみであり、「必ずリフィル処方若しくは28日以上の長期処方をしなければならない」とはされていません。
そのため、医師が診断の結果、判断した処方日数で問題なく、7日処方や14日処方であっても、生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の算定が可能であると考えられます。
生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の比較表
生活習慣病管理料(Ⅰ) | 生活習慣病管理料(Ⅱ) | |
---|---|---|
算定点数 (月1回) | 1.脂質異常症を主病 610点 2.高血圧症を主病 660点 3.糖尿病を主病 760点 | 333点 |
情報通信機器を用いた場合(要基準)290点 | ||
加算点数 | 血糖自己測定指導加算500点(年1回):糖尿病を主病とする患者(2型糖尿病の患者であってインスリン製剤を使用していない患者に限る)に対して、血糖自己測定値に基づく指導を行った場合に加算する。 | |
外来データ提出加算(要届出)50点:医療機関における診療報酬の請求状況、生活習慣病の治療管理の状況等の診療の内容に関するデータを継続して厚生労働省に提出している場合に加算する。 | ||
対象患者 | 脂質異常症、高血圧症、糖尿病を主病とする入院外の患者 | |
対象外患者 | ・糖尿病を主病とする場合で、在宅自己注射指導管理料を算定している患者 ・入院患者 | |
算定医療機関 | 施設基準を満たす診療所又は許可病床数が200床未満の病院(届出不要) | |
説明と同意 | 療養計画書により丁寧に説明を行い、患者の同意を得るとともに、当該計画書に患者の署名を受ける(患者の求めに応じて電子カルテ情報共有サービスにおける患者サマリーに、療養計画書の記載事項を入力し、カルテにその記録及び患者の同意を得た旨を記録している場合は、作成・交付したとみなされる) | |
算定要件 | ・対象患者に対して、治療計画を策定し、当該治療計画に基づき、栄養、運動、休養、喫煙、家庭での体重や血圧の測定、飲酒、服薬及びその他療養を行うに当たっての問題点等の生活習慣に関する総合的な治療管理を行う。 ・治療計画に基づく総合的な治療管理は、歯科医師、薬剤師、看護職員、管理栄養士等の多職種と連携して実施することが望ましい。 ・療養計画書(別紙様式9(初回用)、別紙様式9の2(継続用)。これに準じた様式でも可)は、算定月に交付するが、療養計画書の内容に変更があった場合や、患者又はその家族等から求めがあった場合を除き、概ね4月に1回以上交付する。 ・交付した療養計画書の写しをカルテに添付する。 ・学会等の診療ガイドライン等や診療データベース等の診療支援情報を参考にする。 ・患者の状態に応じ、28日以上の長期の投薬を行うこと又はリフィル処方箋を交付することについて、当該対応が可能な旨を院内の見やすい場所に掲示し、患者から求められた場合に、患者の状態を踏まえて適切に対応を行う。 ・糖尿病の患者について、患者の状態に応じて、年1回程度眼科の医師の診察を受けるよう指導を行う。また、糖尿病の患者について、歯周病の診断と治療のため、歯科医療機関への受診を促す。 ・管理料を算定する患者について、保険者から特定保健指導を行う目的で情報提供の求めがある場合には、患者の同意の有無を確認するとともに、患者の同意が得られている場合は必要な協力を行う。 | |
別に算定できない点数 | ・外来管理加算(ただし、生活習慣病管理料(Ⅰ)の算定日とは別日の診療時は算定可) ・医学管理等(ただし、糖尿病合併症管理料、がん性疼痛緩和指導管理料、外来緩和ケア管理料、糖尿病透析予防指導管理料、慢性腎臓病透析予防指導管理料は算定可) ・在宅時医学総合管理料、施設入居時等医学総合管理料 ・検査、注射、病理診断 | ・外来管理加算(ただし、生活習慣病管理料(Ⅱ)の算定日とは別日の診療時は算定可) ・医学管理等(ただし、外来栄養食事指導料、集団栄養食事指導料、糖尿病合併症管理料、がん性疼痛緩和指導管理料、外来緩和ケア管理料、糖尿病透析予防指導管理料、慢性腎臓病透析予防指導管理料、ニコチン依存症管理料、療養・就労両立支援指導料、プログラム医療機器等指導管理料、診療情報提供料(Ⅰ)、電子的診療情報評価料、診療情報提供料(Ⅱ)、診療情報連携共有料、連携強化診療情報提供料、薬剤情報提供料は算定可) ・在宅時医学総合管理料、施設入居時等医学総合管理料 ・通院・在宅精神療法 |
算定制限 | 生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定した月から起算して6月以内の期間は算定できない | |
算定できない月 | 初診料を算定した日の属する月 | |
施設基準 | ・生活習慣に関する総合的な治療管理ができる体制を有している。 ・治療計画に基づく総合的な治療管理は、歯科医師、看護師、薬剤師、管理栄養士等の多職種と連携して実施することが望ましい。 ・患者の状態に応じ、28日以上の長期の投薬を行うこと又はリフィル処方箋を交付することについて、当該対応が可能であることを医療機関の見やすい場所に掲示する。 |
生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ):まとめ
生活習慣病管理料(Ⅰ)と生活習慣管理料(Ⅱ)について、各種研修会において説明された改定のポイントについてまとめました。
算定にあたって必要な書類や掲示物を確認し、不足がないように対応するようにしましょう。