リハビリテーションにおける医療保険と介護保険の併用についての留意事項
「リハビリテーションにおける医療保険と介護保険の併用」について医科点数表の解釈での記載内容
「リハビリテーションにおける医療保険と介護保険の併用」については、医科点数表の解釈において以下のように記載があります。
【第7部リハビリテーション:抜粋】
[医療保険と介護保険の給付調整に関する留意事項]
◇ リハビリテーションに関する留意事項について
要介護被保険者等である患者に対して行うリハビリテーションは、同一の疾患等について、医療保険における心大血管疾患リハビリテーション料、脳血管疾患等リハビリテーション料、廃用性症候群リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料又は呼吸器リハビリテーション料(以下「医療保険における疾患別リハビリテーション」という。)を行った後、介護保険における訪問リハビリテーション若しくは通所リハビリテーション又は介護予防訪問リハビリテーション若しくは介護予防通所リハビリテーション(以下「介護保険におけるリハビリテーション」という。)の利用開始日を含む月の翌月以降は、当該リハビリテーションに係る疾患等について、手術、急性増悪等により医療保険における疾患別リハビリテーション料を算定する患者に該当することとなった場合を除き、医療保険における疾患別リハビリテーション料は算定できない。
ただし、医療保険における疾患別リハビリテーションを実施する施設とは別の施設で介護保険におけるリハビリテーションを提供することになった場合には、一定期間、医療保険における疾患別リハビリテーションと介護保険のリハビリテーションを併用して行うことで円滑な移行が期待できることから、介護保険におけるリハビリテーションの利用開始日を含む月の翌々月まで、併用が可能であること。併用する場合には、診療録及び診療報酬明細書に「介護保険におけるリハビリテーションの利用開始日」を記載することにより、同一の疾患等について介護保険におけるリハビリテーションを行った日以外の日に医療保険における疾患別リハビリテーション料を算定することが可能である。ただし、当該利用開始日の翌月及び翌々月に算定できる疾患別リハビリテーション料は1月7単位までとする。
なお、目標設定等支援・管理料を算定してから3月以内に、当該支援によって紹介された事業所において介護保険におけるリハビリテーションを体験する目的で、同一の疾患等について医療保険における疾患別リハビリテーションを行った日以外に1月に5日を超えない範囲で介護保険におけるリハビリテーションを行った場合は、診療録及び診療報酬明細書に「介護保険におけるリハビリテーションの利用開始日」を記載する必要はなく、医療保険における疾患別リハビリテーションから介護保険におけるリハビリテーションへ移行したものとはみなさない。
(平18.4.28 老老発 0428001・保医発 0428001)
(最終改正;令6.3.27 老老発 0327 1・保医発 0.327 8)
疾患別リハビリテーションに関する事務連絡:抜粋
疾患別リハビリテーションに関する事務連絡において、「リハビリテーションにおける医療保険と介護保険の併用」に関する部分を抜粋しました。
【疾患別リハビリテーションに関する事務連絡:抜粋】
問 介護保険における通所リハビリテーション、訪問リハビリテーション、介護予防訪問リハビリテーション又は介護予防通所リハビリテーション以外の介護サービスを受けている者であれば、疾患別リハビリテーション料又は疾患別リハビリテーション医学管理料を算定できると考えてよいか。
(例)通所介護の「個別機能訓練加算」、訪問看護ステーションにおいて看護職員に代わり理学療法士又は作業療法士が行う訪問看護等
答 そのとおり。
(平19.6.1 その8・問2)
【疾患別リハビリテーションに関する事務連絡:抜粋】
問 要介護被保険者の場合であっても、当該患者が標準的算定日数の期間内の場合、介護保険におけるリハビリテーションではなく、いわゆる医療保険におけるリハビリテーションとして通院による疾患別リハビリテーションを実施してよいか。
答 そのとおり。
(令2.3.31 その1・問128)
【疾患別リハビリテーションに関する事務連絡:抜粋】
問 要介護被保険者が、標準的算定日数を超えて疾患別リハビリテーションを算定する場合、その患者が「特掲診療料の施設基準等」の「別表九の九」に該当する場合は、標準的日数の期間内と同様に疾患別リハビリテーションを算定して良いか。
答 そのとおり。
(令2.3.31 その1・問129)
特掲診療料の施設基準等の「別表九の九」
【特掲診療料の施設基準等の「別表九の九」】
心大血管疾患リハビリテーション料、脳血管疾患等リハビリテーション料、廃用症候群リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料及び呼吸器リハビリテーション料に規定する別に厚生労働大臣が定める場合
一 別表第九の八第一号に規定する患者については、治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断される場合
ニ 別表第九の八第二号に規定する患者については、患者の疾患、状態等を総合的に勘案し、治療上有効であると医学的に判断される場合
(平20.3.5 厚生労働省告示第63号)
(最終改正;令6.3.5 厚生労働省告示第59号)
特掲診療料の施設基準等の「別表九の八」第一号・第二号に規定する患者
【特掲診療料の施設基準等の「別表九の八」第一号・第二号に規定する患者】
一
失語症、失認及び失行症の患者
高次脳機能障害の患者
重度の頸髄損傷の患者
頭部外傷及び多部位外傷の患者
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者
心筋梗塞の患者
狭心症の患者
軸索断裂の状態にある末梢神経損傷(発症後1年以内のものに限る。)の患者
外傷性の肩関節腱板損傷(受傷後180日以内のものに限る。)の患者
回復期リハビリテーション病棟入院料又は特定機能病院リハビリテーション病棟入院料を算定する患者
回復期リハビリテーション病棟又は特定機能病院リハビリテーション病棟において在棟中に回復期リハビリテーション病棟入院料又は特定機能病院リハビリテーション病棟入院料を算定した患者であって、当該病棟を退棟した日から起算して3月以内の患者(保険医療機関に入院中の患者、介護老人保健施設又は介護医療院に入所する患者を除く。)
難病患者リハビリテーション料に規定する患者(先天性又は進行性の神経・筋疾患の者を除く。)
障害児(者)リハビリテーション料に規定する患者(加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病の者に限る。)
その他別表第九の四から別表第九の七までに規定する患者又は廃用性症候群リハビリテーション料に規定する患者であって、リハビリテーションを継続して行うことが必要であると医学的に認められるもの
ニ
先天性又は進行性の神経・筋疾患の患者
障害児(者)リハビリテーション料に規定する患者(加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病の者を除く。)
「リハビリテーションにおける医療保険と介護保険の併用」についての解釈
「リハビリテーションにおける医療保険と介護保険の併用」についてまとめていきます。
リハビリテーションにおける医療保険と介護保険の併用
※ここでの医療保険と介護保険のリハビリテーションは以下の通りです。
◆医療保険における疾患別リハビリテーション
- 心大血管疾患リハビリテーション料
- 脳血管疾患等リハビリテーション料
- 廃用性症候群リハビリテーション料
- 運動器リハビリテーション料
- 呼吸器リハビリテーション料
◆介護保険におけるリハビリテーション
- 訪問リハビリテーション
- 通所リハビリテーション
- 介護予防訪問リハビリテーション
- 介護予防通所リハビリテーション
◆同一施設で介護保険のリハビリテーションを開始する場合
同一の疾患等で「医療保険のリハビリテーション」を実施後、「介護保険のリハビリテーション」を利用した場合
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利用開始日を含む月の翌月以降
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医療保険におけるリハビリテーション料は算定不可
※手術、急性増悪等により医療保険におけるリハビリテーション料を算定する患者は除く
◆別施設で介護保険のリハビリテーションを開始する場合
別施設で介護保険のリハビリテーションをする場合
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利用開始日を含む月の翌々月まで、併用が可能
※併用の場合は、以下をすることにより算定可能
・診療録及び診療報酬明細書に「介護保険のリハビリの利用開始日※1」を記載
・同一の疾患等で介護保険のリハビリを行った日以外の日に算定可能
・利用開始日の翌月及び翌々月の医療保険のリハビリは1月7単位まで
※1:以下の場合は、「介護保険のリハビリの利用開始日」の記載は不要
・目標設定等支援・管理料を算定してから3月以内
・紹介された事業所で介護保険のリハビリを体験する目的
・同一の疾患等で医療保険のリハビリを行った日以外に1月に5日を超えない範囲で介護保険のリハビリを行った場合
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※1の場合は、医療保険の疾患別リハビリから介護保険のリハビリへ移行したものとはみなさない
リハビリテーションにおける医療保険と介護保険の併用|まとめ
リハビリテーションにおける医療保険と介護保険の併用についての概要をまとめていきます。
この項における医療保険と介護保険のリハビリテーションの定義
医療保険における疾患別リハビリテーション
- 心大血管疾患リハビリテーション料
- 脳血管疾患等リハビリテーション料
- 廃用性症候群リハビリテーション料
- 運動器リハビリテーション料
- 呼吸器リハビリテーション料
介護保険におけるリハビリテーション
- 訪問リハビリテーション
- 通所リハビリテーション
- 介護予防訪問リハビリテーション
- 介護予防通所リハビリテーション
介護保険を持つ患者へのリハビリ(介護保険のリハビリ利用無し)
介護保険を持つ患者であっても、標準的算定日数の期間内であれば、通院による疾患別リハビリテーションを実施してよいことになっています。
また、「特掲診療料の施設基準等の別表九の九」に該当する場合には、標準的算定日数を超えて疾患別リハビリテーションを算定することも可能です。
疾患別リハビリテーションの標準的算定日数
疾患等リハビリテーション料 | 標準的算定日数 |
---|---|
心大血管疾患リハビリテーション料 | 150日 |
脳血管疾患等リハビリテーション料 | 180日 |
廃用性症候群リハビリテーション料 | 120日 |
運動器リハビリテーション料 | 150日 |
呼吸器リハビリテーション料 | 90日 |
「医療保険のリハビリ」から「介護保険のリハビリ」への移行(同一施設)
「医療保険のリハビリテーション」を実施
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「介護保険のリハビリテーション(同一施設)」を利用開始
(医療保険と同一疾患等)
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利用開始日を含む月まで算定可能
※利用開始日を含む月の翌月以降は医療保険のリハビリテーション料は算定不可
「医療保険のリハビリ」から「介護保険のリハビリ」への移行(別施設)
「医療保険のリハビリテーション」を実施
⇩⇩⇩⇩⇩
「介護保険のリハビリテーション(別施設)」を利用開始
(医療保険と同一疾患等)
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利用開始日を含む月の翌々月まで併用での算定が可能
併用での算定の場合は以下を必須
- 診療録及び診療報酬明細書に「介護保険のリハビリの利用開始日※1」を記載
- 同一の疾患等で介護保険のリハビリを行った日以外の日に算定可能(同日は算定不可)
- 利用開始日の翌月及び翌々月の医療保険のリハビリは1月7単位まで
「※1:介護保険のリハビリの利用開始日」の記載は、以下の場合は不要
- 目標設定等支援・管理料を算定してから3月以内
- 紹介された事業所で介護保険のリハビリを体験する目的
- 同一の疾患等で医療保険のリハビリを行った日以外に、1月に5日を超えない範囲で介護保険のリハビリを行った場合