一般検査

尿中妊娠反応検査(妊娠検査薬)|検査の基準値

クワホピ

尿中妊娠反応検査のしくみ

尿中妊娠反応検査は、妊娠の有無を簡単に判定できる検査であり、市販の妊娠検査薬を使って自宅で行うことができます。

受精卵が着床し妊娠すると、胎盤から「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)」というホルモンが分泌されるようになります。

hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)は尿中に排出されるため、妊娠検査薬で尿中のホルモンを検出することで妊娠の有無を判定することができます。

尿中妊娠反応検査のタイミングと検査方法

尿中妊娠反応検査は、推奨される検査のタイミングと検査方法があります。

一般的には、生理予定日の1週間後以降で、朝一番の尿で検査することが推奨されています。

朝一番の尿で検査する理由は、hCG濃度が最も高く、正確な結果が出やすくなるからです。

整理開始日が不明な場合や、排卵日が推定される場合には、以下を参考に検査を行うことも可能です。

一般的に推奨されるタイミング生理予定日の1週間後以降、朝一番の尿
生理開始日や周期が不明な場合性交日の3週間後以降
排卵日が推定される場合(基礎体温の測定などにより)推定排卵日の3週間後以降
前回の生理開始日がわかっており、かつ生理周期が一定の場合次回生理開始日の1週間後以降

尿中妊娠反応検査の方法(一般的なものの場合)

尿中妊娠反応検査は、尿を検査キットにかけるだけでできるため、非常に簡単な検査になります。

  1. 検査キットの採尿部に尿をかける(またはコップに尿をとって浸す)
  2. 一定時間(1~5分程度)待つ
  3. 判定窓に線が出るかを確認する

尿中妊娠反応検査の判定結果と注意点

尿中妊娠反応検査は、判定窓に出る線を確認して判定を行います。

判定窓に2本線

判定窓に2本線の場合は、「陽性:妊娠の可能性が高い」ことを示しています。

産婦人科を受診して確定診断を受けるとともに、子宮外妊娠や異常妊娠の可能性を除外することも重要です。

判定窓に1本線

判定窓に1本線の場合は、「陰性:妊娠の可能性は低い」ことを示しています。

ただし、hCG濃度がまだ低くて検出できない場合もあるため、1週間後に再検査をするか、生理がこない場合には病院で相談することが大切です。

尿中妊娠反応検査の基準値

尿中妊娠反応検査は、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の存在を確認することで妊娠の有無を判定します。

基準値

判定hCG濃度
陰性(非妊娠)5mIU/mL未満
陽性(妊娠の可能性あり)25mIU/mL以上

※一般的な市販の妊娠検査薬では、「25mIU/mL以上」で陽性反応を示すものが多いです。高感度タイプの製品では、「10mIU/mL程度」でも反応します。

hCGの推移(妊娠初期の目安)

妊娠週数(最終月経から)hCG濃度 (mIU/mL)
3週目5~50
4週目10~750
5週目200~7,000
6週目200~32,000
7~8週目4,000~210,000

尿中妊娠反応検査の精度と偽陽性・偽陰性

尿中妊娠反応検査の精度は99%以上となっていますが、偽陽性(妊娠していないのに陽性になること)や偽陰性(妊娠しているのに陰性になること)もあります。

陽性

  • 妊娠

hCGは妊娠早期から産生されるため、排卵の14日前後から高感度試薬の反応下限(25mIU/mL)よりも上昇します。

偽陽性(妊娠していないのに陽性になること)

  • 閉経後、または閉経期のホルモン変化
  • 化学流産(妊娠超初期の流産)
  • 不妊治療目的でhCG製剤の投与中
  • 絨毛性腫瘍
    :妊娠時に胎盤を構成する絨毛細胞が異常に増殖して発生する病気の総称
  • hCG産生腫瘍
    :胎盤由来腫瘍や卵巣がん、精巣腫瘍、膀胱がん、腎臓がん、前立腺がん、消化器がん、乳がん、肺がん など

偽陰性(妊娠しているのに陰性になること)

  • 尿量が多い
  • 検査薬の使用ミス(尿が薄い、時間を間違えるなど)
  • hCG濃度が低すぎる(検査が早すぎる)
  • 子宮外妊娠
    :受精卵が子宮内膜以外の場所に着床する妊娠で「異所性妊娠」とも呼ばれる
    :妊娠初期の異常妊娠の代表的な疾患で、全妊娠の約1~2%に発生する
  • 稽留流産(けいりゅうりゅうざん)
    :妊娠初期に子宮内で赤ちゃんが亡くなっている状態
    :出血や腹痛などの流産のサインはなく、超音波検査で発見されることが多い
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