細菌培養|検査の基準値
クワホピ
一定の条件下(発育環境下)において、細菌を増殖させることを細菌培養と呼びます。
細菌培養では、栄養素を与えることによって細菌の増殖を促します。
細菌培養に影響する物理的条件
細菌培養を行う条件において、影響を与える物理的条件は以下の3つになります。
- 遊離酵素
・細菌の種類によって遊離酵素の要求性が異なります。 - 温度
・細菌の種類によって発育に適する温度が異なります(指摘温度)。
・指摘温度により、低温菌、中温菌、高温菌に分類します。 - その他の条件
・水素イオン濃度(pH)
・浸透圧
細菌培養における培地の種類
細菌の発育に必要な栄養分や、その他の要素を含んだ液体や固形化したものを「培地」と呼びます。
培地の種類には以下のものがあります。
保存・輸送培地
検体をある程度の期間保存したり、輸送に時間のかかる場合に、検体中の細菌が死滅しないように保存可能とする培地です。
増菌培地
細菌の増殖を目的とした培地です。
非選択増菌培地(ある程度多くの菌の増殖に適する培地)と、選択培地(特定の菌の増殖を目的とする培地)に分けます。
分離培地
細菌の集まった状態を集落(コロニー)と呼びますが、培地上に形成された2種類以上の集落から菌を採取し、培地表面に独立した集落を形成することを分離培養と言います。
目的とする菌以外の発育を抑制する状態にある選択的分離培地と、多くの菌を発育させる条件にある非選択分離培地があります。
鑑別培地
分離培養された菌の同定(菌名を確定させること)を目的として用いる培地です。