免疫血清検査

【検査の基準値】エストロゲン(E2、E3)

クワホピ
エストロゲン(E2、E3)の基準値

E2(pg/mL)E3(pg/mL)
成人男性15~605以下
卵胞期25~1005以下
排卵期150~4505以下
黄体期70~2205以下
妊娠前期2,300~7,40020~100
妊娠中期9,700~18,400100~10,000
妊娠後期16,500~32,40010,000~40,000
閉経期35以下

エストロゲン(E2、E3)の定義

エストロゲンは、卵胞ホルモン作用をするホルモンです。

内因性のものとして、エストロン(E1)、エストラジオール(E2)、エストリオール(E3)の3つがあり、女性ではおもに卵巣から、男性では睾丸から分泌されます。

エストロゲンとして最も活性が高いのはE2であり、通常のエストロゲンの測定は、血中E2値を卵巣機能の評価などのために測定し、E3は妊娠中に胎盤から分泌されるため胎児・胎盤の機能を評価するために測定されます。

  • E2 → 卵巣機能の評価
  • E3 → 胎児・胎盤の評価

エストラジオール(E2)が異常値の場合

ホルモン負荷試験や排卵の有無の判定にはプロゲステロンの測定、ターナー症候群などを疑う場合には腹腔鏡検査や卵巣生検を行います。

エストラジオール(E3)が異常値の場合

血中ヒト胎盤性ラクトゲン(hPL)の測定、分娩監視装置、超音波検査などで胎児・機能検査を行います。

エストロゲンの働き(肝臓で処理される)
  1. 卵巣で分泌されるホルモンで、視床下部の周期性の継続に関わる。
  2. 子宮頸管粘液の分泌促進
  3. 膣粘液の継続
  4. 乳腺の発達

エストロゲン(E2、E3)の異常とその原因

エストラジオール(E2)が高値の場合

エストラジオール(E2)が高値の場合には、以下のことが考えられます。

  • エストロゲン産生腫瘍(顆粒膜細胞腫、莢膜細胞腫)
  • 卵巣過剰刺激症候群
  • 先天性副腎皮質過形成
  • 肝疾患(男性)
  • 副腎性器症候群
  • 多胎妊娠

エストラジオール(E2)が低値の場合

エストラジオール(E2)が低値の場合には、以下のことが考えられます。

  • 卵巣機能低下症
  • ターナー症候群
  • 閉経
  • 低ゴナドトロピン症
  • キアリ・フロンメル症候群
  • 胎盤スルファターゼ欠損症
  • 神経性食欲不振症

エストリオール(E3)が高値の場合

エストリオール(E3)が高値の場合には、以下のことが考えられます。

  • エストロゲン産生腫瘍(顆粒膜細胞腫、莢膜細胞腫)
  • 卵巣過剰刺激症候群
  • 先天性副腎皮質過形成
  • 肝疾患(男性)
  • 副腎性器症候群
  • 多胎妊娠

エストリオール(E3)が低値の場合

エストリオール(E3)が低値の場合には、以下のことが考えられます。

  • 子宮内胎児脂肪
  • 無脳児
  • 子宮内胎児発見遅延
  • 重症妊娠高血圧症候群
  • 胎盤スルフォターゼ欠損症
  • 甲状腺機能亢進症

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