施設基準

医療療養病床において算定可能な入院基本料等加算

医療療養病床においては、入院基本料の他に算定要件を満たすことで算定可能になる加算があります。

今回は、算定可能になる入院基本料等加算について解説します。

この記事の目的
  • 療養病床の施設基準について学ぶ
  • 療養病床において算定可能な入院基本料等加算について理解する
医療療養病床において算定可能な入院基本料等加算

医療療養病床において算定可能な入院基本料等加算

医療療養病床では、ほとんどの医療行為が療養病棟入院基本料に包括されてしまうので、処置や薬剤投与が行われても算定できないことがほとんどです。

ただ、そのような状態であっても、設備や人員配置などの条件を満たすことによって入院基本料とは別に算定が可能になる加算があります。

医科点数表の解釈
(区分・頁)
入院基本料等加算
A204
(p114)
地域医療支援病院入院診療加算
A204-2
(p114)
臨床研修病院入院診療加算
A206
(p119)
在宅患者緊急入院診療加算
A207
(p121)
診療録管理体制加算
A207-2
(p121)
医師事務作業補助体制加算
(50対1補助体制加算、75対1補助体制加算又は100対1補助体制加算に限る。)
A208
(p123)
乳幼児加算・幼児加算
A212
(p125)
超重症児(者)入院診療加算
準超重症児(者)入院診療加算
A218
(p127)
地域加算
A218-2
(p128)
離島加算
A220
(p128)
HIV感染者療養環境特別加算
A222
(p129)
療養病棟療養環境加算
A222-2
(p130)
療養病棟療養環境改善加算
A226
(p130)
重症皮膚潰瘍管理加算
A233-2
(p140)
栄養サポートチーム加算
A234
(p142)
医療安全対策加算
A234-2
(p142)
感染防止対策加算
A234-3
(p143)
患者サポート体制充実加算
A244
(p148)
病棟薬剤業務実施加算1
A245
(p151)
データ提出加算
A246
(p153)
入退院支援加算
(1のロおよび2のロに限る。)
A247
(p157)
認知症ケア加算
A250
(p160)
薬剤総合評価調整加算
A251
(p162)
排尿自立支援加算

算定可能な入院基本料等加算の概要

医療療養病床において条件を満たすことにより算定可能な入院基本料等加算の概要をまとめていきます。

(A204)地域医療支援病院入院診療加算

(入院初日)1000点

地域医療支援病院における紹介患者に対する医療提供、病床や高額医療機器等の共同利用、24時間救急医療の提供等を評価するものです。

(A204-2)臨床研修病院入院診療加算

(入院初日)

  • 基幹型:40点
  • 協力型:20点

研修医が、当該保険医療機関の研修プログラムに血づけられた臨床研修病院および臨床研修協力施設において、実際に臨床研修を実施している場合に算定できます。

基幹型臨床研修病院の場合は「基幹型」、協力型臨床研修病院の場合は「協力型」になります。

(A206)在宅患者緊急入院診療加算

(入院初日)

  • 2,500点
  • 2,000点
  • 1,000点

在宅での療養を行っている患者の病状の急変等により入院が必要となった場合に、円滑に入院でき、かつ入院を受け入れた保険医療機関においても患者の意向を踏まえた医療が引き続き提供されるための取組を評価した加算になります。

(A207)診療録管理体制加算

(入院初日)

  • 診療録管理体制加算1:100点
  • 診療録管理体制加算2:30点

適切な診療記録の管理を行っている体制を評価するものになります。

(A207-2)医師事務作業補助体制加算

(入院初日)

医師事務作業補助体制加算1

  • 50対1:375点
  • 75対1:295点
  • 100対1:248点

医師事務作業補助体制加算2

  • 50対1:355点
  • 75対1:280点
  • 100対1:238点

病院勤務医の負担の軽減および処遇の改善に対する体制を確保することを目的として、医師、医療関係職員、事務職員等との間での業務の役割分担を推進し、医師の事務作業を補助する専従者を配置している体制を評価するものになります。

(A208)乳幼児加算・幼児加算

(1日につき)

乳幼児加算

  • 病院(特別入院基本料等以外):333点
  • 病院(特別入院基本料等)・診療所:289点

幼児加算

  • 病院(特別入院基本料等以外):283点
  • 病院(特別入院基本料等)・診療所:239点

乳幼児(3歳未満)、幼児(3歳以上6歳未満)を入院させた場合に算定します。

産婦または生母の入院に伴って健康な乳幼児または幼児を在院させた場合には算定できません。

(A212)超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算

(1日につき)

超重症児(者)入院診療加算

  • 6歳未満:800点
  • 6歳以上:400点

準超重症児(者)入院診療加算

  • 6歳未満:200点
  • 6歳以上:100点

出生時、乳幼児期または小児期等の15歳までに障害を受けた児(者)で、当該障害に起因して超重症児(者)または準超重症児(者)の判定基準を満たしている児(者)に対し算定します。

(A218)地域加算

(1日につき)

  • 1級地:18点
  • 2級地:15点
  • 3級地:14点
  • 4級地:11点
  • 5級地:9点
  • 6級地:5点
  • 7級地:3点

医業経費における地域差に配慮したものであり、人事院規則で定める地域および当該地域に準じる地域に所在する保健医療機関において、入院基本料、特定入院料または短期滞在手術等基本料2の加算として算定します。

(A218-2)離島加算

(1日につき)18点

離島における入院医療の応需体制を確保する必要があることから、別に厚生労働大臣が定める地域に所在する保健医療機関において、入院基本料、特定入院料または短期滞在手術等基本料2の加算として算定します。

(A220)HIV感染者療養環境特別加算

(1日につき)

  • 個室:350点
  • 2人部屋:150点

後天性免疫不全症候群の病原体に感染している者については、CD4リンパ球数の値にかかわらず、抗体の陽性反応があれば、患者の希望により特別の設備の整った個室に入室する場合を除き算定します。

(A222)療養病棟療養環境加算

(1日につき)

  • 療養病棟療養環境加算1:132点
  • 療養病棟療養環境加算2:115点

長期にわたり療養を必要とする患者に提供される療養環境を総合的に評価したものです。

特別の療養環境の提供に係る病室に入室しており、かつ、患者から特別の料金の徴収を行っている場合には算定できません。

(A222-2)療養病棟療養環境改善加算

(1日につき)

  • 療養病棟療養環境改善加算1:80点
  • 療養病棟療養環境改善加算2:20点

長期にわたり療養を必要とする患者に提供される療養環境を総合的に評価したものです。

特別の療養環境の提供に係る病室に入室しており、かつ、患者から特別の料金の徴収を行っている場合には算定できません。

(A226)重症皮膚潰瘍管理加算

(1日につき)18点

重症な皮膚潰瘍(Sheaの分類Ⅲ度以上のものに限る。)を有している者に対して、計画的な医学管理を継続して行い、かつ、療養上必要な指導を行っている場合に加算します。

(A233-2)栄養サポートチーム加算

(週1回)200点

栄養障害の状態にある患者や栄養管理をしなければ栄養障害の状態になることが見込まれる患者に対し、患者の生活の質の向上、原疾患の治癒促進および感染症等の合併症予防等目的として、栄養管理に係る専門的知識を有した多職種からなるチームが診療することを評価したものです。

(A234)医療安全対策加算

(入院初日)

  • 医療安全対策加算1:85点
  • 医療安全対策加算2:30点

組織的な医療安全対策を実施している保険医療機関を評価したものであり、当該保険医療機関に入院している患者について、入院期間中1回に限り、入院初日に算定します。

(A234-2)感染防止対策加算

(入院初日)

  • 感染防止対策加算1:390点
  • 感染防止対策加算2:90点

院内感染防止対策を行った上で、さらに院内に感染制御のチームを設置し、院内感染状況の把握、抗菌薬の適正使用、職員の感染防止等を行うことで院内感染防止を行うことを評価するものです。

(A234-3)患者サポート体制充実加算

(入院初日)70点

医療従事者と患者との対話を促進するため、患者またはその家族等に対する支援体制を評価したものです。

(A244)病棟薬剤業務実施加算1

(週1回)120点

当該保険医療機関の病棟等において、薬剤師が医療従事者の負担軽減および薬物療養の有効性、安全性の向上に資する業務を実施していることを評価したものです。

(A245)データ提出加算

(入院初日)

  • データ提出加算1[200床以上]:140点
  • データ提出加算1[200床未満]:210点
  • データ提出加算2[200床以上]:150点
  • データ提出加算2[200床未満]:220点

(入院期間が90日を超えるごとに1回)

  • データ提出加算3[200床以上]:140点
  • データ提出加算3[200床未満]:210点
  • データ提出加算4[200床以上]:150点
  • データ提出加算4[200床未満]:220点

厚生労働省が毎年実施する「DPC導入の影響評価に係る調査(特別調査を含む。)」に準拠したデータを正確に作成し、継続して提出されることを評価したものです。

(A246)入退院支援加算

(退院時1回)

  • 入退院支援加算1[療養病棟入院基本料]:1,200点
  • 入退院支援加算2[療養病棟入院基本料]:635点

患者様が安心・納得して退院し、早期に住み慣れた地域で療養や生活を継続できるように、施設間の連携を推進した上で、入院早期より退院困難な要因を有する患者様を抽出し、入退院支援を実施することを評価するものです。

(A247)認知症ケア加算

(1日につき)

  • 認知症ケア加算1[14日以内]:160点
  • 認知症ケア加算1[15日以上]:30点
  • 認知症ケア加算2[14日以内]:100点
  • 認知症ケア加算2[15日以上]:25点
  • 認知症ケア加算3[14日以内]:40点
  • 認知症ケア加算3[15日以上]:10点

認知症による行動・心理症状や意思疎通の困難さが見られ、身体疾患の治療への影響が見込まれる患者様に対し、病棟の看護師等や専門知識を有した多職種が適切に対応することで、認知症症状の悪化を予防し、身体疾患の治療を円滑に受けられることを目的とした評価になります。

(A250)薬剤総合評価調整加算

(退院時1回)100点

複数の薬剤が投与されている患者様について、複数の薬剤の投与により期待される効果と副作用の可能性等について総合的に評価を行い、処方内容を検討した結果、すでに処方されている、または新たに処方する内服薬の有効性、並びに安全性、当該患者様の病状および退院後の生活状況等に伴う服薬アドヒアランスの変動等について十分に考慮した上で、薬効の重複する薬剤の減少および合剤への転換等により、退院時に処方される内服薬が減少したことを評価したものです。

(A251)排尿自立支援加算

(週1回)200点

排尿に関するケアに係る専門的知識を有した多職種からなるチームを設置し、患者の診療を担う医師、看護師等が、排尿ケアチームと連携して、患者の排尿自立の可能性及び下部尿路機能を評価し、排尿誘導等の保存療法、リハビリテーション、薬物療法等を組み合わせるなど、下部尿路機能の回復のための包括的なケアを実施することを評価したものです。

医療療養病床において算定可能な入院基本料等加算