療養病棟入院基本料に必要な医療区分の割合|医療区分2・3の割合の計算
クワホピ
「療養病棟入院基本料」を算定するための施設基準には、その病棟での医療区分の割合が定められています。
- 療養病棟入院基本料1:医療区分2・3の割合80%以上
- 療養病棟入院基本料2:医療区分2・3の割合50%以上
そして、この医療区分の割合についての計算は医科点数表の解釈において以下のように記載されています。
療養病棟入院基本料1および2を算定する病棟の「医療区分3の患者」と「医療区分2の患者」の割合の算出方法等。医療区分3および医療区分2の患者の割合については、次の①に掲げる数を②に掲げる数で除して算出する。
- 直近3ヵ月における各病棟の入院患者ごとの医療区分3の患者および医療区分2の患者に該当する日数の和
- 直近3ヵ月における各病棟の入院患者ごとの入院日数の和
上記の文章より、直近3ヵ月の入院患者の状態を算出する必要があることが分かります。
医療区分2・3の割合の計算(例)
療養病棟入院基本料に必要な医療区分の割合について医療区分2・3の割合の計算がどのようになるのかを簡単な例を挙げて説明していきます。
今回は20床の療養病棟を例に挙げて医療区分2・3の割合を計算します。
また、医科点数表の解釈においては「直近3ヵ月における…」となっていますが、1ヵ月分の割合として計算をします。
患 者 | 医療区分1 (日数) | 医療区分2+医療区分3 (日数) |
---|---|---|
患者1 | 7 | 23 |
患者2 | 30 | 0 |
患者3 | 6 | 24 |
患者4 | 0 | 30 |
患者5 | 10 | 20 |
患者6 | 6 | 24 |
患者7 | 30 | 0 |
患者8 | 30 | 0 |
患者9 | 14 | 16 |
患者10 | 7 | 23 |
患者11 | 2 | 28 |
患者12 | 4 | 26 |
患者13 | 4 | 26 |
患者14 | 10 | 20 |
患者15(途中入院) | 0 | 20 |
患者16(途中入院) | 3 | 14 |
患者17(途中入院) | 10 | 0 |
患者18(退院) | 0 | 20 |
患者19(退院) | 0 | 14 |
患者20(退院) | 5 | 10 |
合計 | 178 | 338 |
医科点数表の解釈において、医療区分2・3の割合の算出方法は「医療区分3の患者および医療区分2の患者に該当する日数の和」を「病棟の入院患者ごとの入院日数の和」で除するとなっています。
上の表に当てはめてみると下のようになります。
医療区分2・医療区分3の患者の日数の和 | 338 |
入院患者の入院日数の和 | 178+338=516 |
この数値から医療区分2・3の割合を算出すると、
338÷516=0.65503875968 ⇨ 医療区分2・3の割合:65.5%
となります。
仮に、この「医療区分2・3の割合:65.5%」が3ヵ月の実績値だった場合、この数値を療養病棟入院基本料に当てはめると、
- 療養病棟入院基本料1:医療区分2・3の割合80%以上
- 療養病棟入院基本料2:医療区分2・3の割合50%以上
療養病棟入院基本料2の施設基準を満たすことはできますが、療養病棟入院基本料1の施設基準は満たすことができないことになります。
施設基準 | 実績値 | 適否 |
---|---|---|
療養病棟入院基本料1 80%以上 | 65.5% | × |
療養病棟入院基本料2 50%以上 | 65.5% | ○ |