医療区分33.うつ症状に対する治療を実施している状態(H28改定)
医療療養病床で使用される「医療区分・ADL区分に係る評価票」。
その中の「平成28年度診療報酬改定においての「医療区分[33]うつ症状に対する治療を実施している状態」について説明します。
医療区分の現行・改定
[現 行]
※青文字部分が改定部分
算定期間が決められていない区分 区分2
うつ症状に対する治療を実施している状態
《項目の定義》
うつ症状に対する治療を実施している状態(うつ症状に対する薬を投与している場合、入院精神療法、精神科作業療法及び心身医学療法など、「診療報酬の算定方法」別表第一第2章第8部の精神科専門療法のいずれかを算定している場合に限る。)
《評価の単位》
1日ごと
《留意点》
「うつ症状」は、以下の7項目のそれぞれについて、うつ症状が初めてみられた日以降において、3日間のうち毎日観察された場合を2点、1日又は2日観察された場合を1点として評価を行う。
- a. 否定的な言葉を言った
- b. 自分や他者に対する継続した怒り
- c. 現実には起こりそうもないことに対する恐れを表現した
- d. 健康上の不満を繰返した
- e. たびたび不安、心配事を訴えた
- f. 悲しみ、苦悩、心配した表情
- g. 何回も泣いたり涙もろい
本評価によって、3日間における7項目の合計が4点以上であり、かつ、うつ症状に対する治療が行われている場合に限る。
なお、医師を含めた当該病棟(床)の医療従事者により、原因や治療方針等について検討を行い、治療方針に基づき実施したケアの内容について診療録等に記載すること。
[改 定]
《項目の定義》
うつ症状に対する治療を実施している状態(精神保健指定医がうつ症状に対する薬を投与している場合、うつ症状に対する入院精神療法、精神科作業療法、及び心身医学療法など、「診療報酬の算定方法」別表第1第2章第8部の精神科専門療法のいずれかを算定している場合に限る。)
【要 約】
現行の「うつ症状に対する薬の投与」が、精神保健指定医の処方が必要になった。
精神保健指定医の勤務していない療養病棟での患者の薬の投与には、一定期間ごとの他科受診が必要になる。
厚生労働省 疑義解釈(Q&A)
(問)
「33.うつ症状に対する治療を実施している状態」の項目の定義について
別紙8「医療区分・ADL区分に係る評価票評価の手引き」「33.うつ症状に対する治療を実施している状態」の項目の定義について、以下の場合は該当するか?
- 別の保険医療機関の精神保健指定が当該患者を対診し、当該精神保健指定医の指示により、当該保健医療機関の精神保健指定医ではない医師が処方する場合
- 当該患者が別の保険医療機関を受診し、当該別の保険医療機関の精神保健指定医が処方する場合
(答)
- 当該保健医療機関において、別の保険医療機関の精神保健指定医が当該患者を対診し、当該精神保健指定医の具体的な指示に基づき、当該保健医療機関の医師がうつ症状に対する薬の処方を行う場合は、1回の処方に限り本項目に該当する。
- 別の保険医療機関において、精神保健指定医の診察を受け、当該精神保健指定医によってうつ症状に対する薬を処方される場合も本項目に該当する。
要約
「精神保健指定医」がいない病院の対応
- 精神保健指定医の往診により具体的な指示をもらい、病院の医師がうつ症状に対する薬を処方した場合は、1回の処方に限り該当する。
- 他科受診により、精神保健指定医の診察を受け、うつ症状に対する薬を処方される場合は、1回の処方に限り該当する。