看護の実施(看護要員の業務、看護補助者の業務)

クワホピ

「看護の実施(看護要員の業務、看護補助者の業務)」について医科点数表の解釈での記載内容

「看護の実施(看護要員の業務、看護補助者の業務)」については、医科点数表の解釈において以下のように記載があります。

【第2 病院の入院基本料等に関する施設基準:抜粋】

(6)看護の実施は、次の点に留意する。

ア 看護は、当該保険医療機関の看護要員のみによって行われるものであり、当該保険医療機関において患者の負担による付添看護が行われてはならない。ただし、患者の病状により、又は治療に対する理解が困難な小児患者又は知的障害を有する患者等の場合は、医師の許可を得て家族等患者の負担によらない者が付き添うことは差し支えない。なお、患者の負担によらない家族等による付添いであっても、それらが当該保険医療機関の看護要員による看護を代替し、又は当該保険医療機関の看護要員の看護力を補充するようなことがあってはならない。

イ ①病状の観察、②病状の報告、③身体の清拭、食事、排泄等の世話等療養上の世話、④診察の介補、⑤与薬・注射・包帯交換等の治療の介助及び処置、⑥検温、血圧測定、検査検体の採取・測定、検査の介助、⑦患者、家族に対する療養上の指導等患者の病状に直接影響のある看護は、看護師又は看護師の指示を受けた准看護師が行うものである。
 看護補助者は、看護師長及び看護職員の指導の下に、原則として療養生活上の世話(食事、清潔、排泄、入浴、移動等)、病室内の環境整備やベッドメーキングのほか、病棟内において、看護用品及び消耗品の整理整頓、看護職員が行う書類・伝票の整理及び作成の代行、診療録の準備等の業務を行うこととする。
 なお、看護補助者の業務範囲について、「医師及び医療関係職と事務職員等との間等での役割分担の推進について」(平成19年12月28日医政発第1228001号)にある、「2 役割分担の具体例(1)医師、看護師等の医療関係職と事務職員等との役割分担」に基づく院内規程を定めており、個別の業務内容を文書で整備していること。

ウ 個々の患者の病状にあった適切な看護が実施されていること。また、効果的な医療が提供できるよう患者ごとに看護計画が立てられ、その計画に沿って看護が実施されるよう配慮すること。

エ 看護に関する記録としては、看護体制の1単位ごとに別添6の別紙6※1に掲げる記録がなされている必要がある。なお、これらの記録の様式・名称等は各病院が適当とする方法で差し支えないが、記録の作成に際しては、重複を避け簡潔明瞭を旨とすること。

オ 当該届出に係る各病棟の看護単位ごとに看護の責任者が配置され、看護チームによる交代制勤務等の看護が実施され、ナース・ステーション等の設備を有し、看護に必要な器具器械が備え付けられていること。

医科点数表の解釈(令和6年6月版)p1314

※1:別添6の別紙6

別紙6 入院基本料に係る看護記録

 入院基本料の届出を行った病棟においては、看護体制の1単位ごとに次に掲げる記録がなされている必要がある。ただし、その様式、名称等は各保険医療機関が適当とする方法で差し支えない。

1 患者の個人記録

(1)経過記録

 個々の患者について観察した事項及び実施した看護の内容等を看護要員が記録するもの。
 ただし、病状安定期においては診療録の温度表等に状態の記載欄を設け、その要点を記録する程度でもよい。

(2)看護計画に関する記録

 個々の患者について、計画的に適切な看護を行うために、看護の目標、具体的な看護の方法及び評価等を記録するもの。

2 看護業務の計画に関する記録

 看護要員の勤務計画及び業務分担並びに看護師、准看護師の受け持ち患者割合当等について看護チームごとに掲げておくもの。看護職員を適正に配置するための患者の状態に関する評価の記録。

医科点数表の解釈(令和6年6月版)p1419

「看護の実施(看護要員の業務、看護補助者の業務)」についての解釈

「看護の実施(看護要員の業務、看護補助者の業務)」についてまとめていきます。


看護の実施(看護要員の業務、看護補助者の業務)

◆付添看護について

 ※看護は看護要員のみで行われるものであり、患者負担の付添看護は不可

 ※以下の場合であり、医師の許可を得た場合は差し支えない
  ・治療に対する理解が困難な小児患者
  ・知的障害を有する患者  等

 ※患者負担によらない家族等による付添いであっても、以下は行わない
  ・看護要員による看護を代替
  ・看護要員の看護力を補充

◆看護師、看護師の指示を受けた准看護師の業務

 ①病状の観察
 ②病状の報告
 ③身体の清拭、食事、排泄等の世話等療養上の世話
 ④診察の介補
 ⑤与薬・注射・包帯交換等の治療の介助及び処置
 ⑥検温、血圧測定、検査検体の採取・測定、検査の介助
 ⑦患者、家族に対する療養上の指導等患者の病状に直接影響のある看護

◆看護補助者の業務

 ※看護師長及び看護職員の指導の下に、以下の業務を行う

 ・療養生活上の世話(食事、清潔、排泄、入浴、移動等)
 ・病室内の環境整備やベッドメーキング
 ・病棟内における看護用品、及び消耗品の整理整頓
 ・看護職員が行う書類・伝票の整理、及び作成の代行、診療録の準備  等

◆看護補助者の業務範囲

「医師及び医療関係職と事務職員等との間等での役割分担の推進について」にある、「2 役割分担の具体例(1)医師、看護師等の医療関係職と事務職員等との役割分担」に基づく院内規程を定め、個別の業務内容を文書で整備する

◆適切な看護の実施と看護計画

 ・患者の病状にあった適切な看護の実施
 ・患者ごとに看護計画を立案、その計画に沿った看護の実施

◆看護に関する記録

 ※看護体制の1単位ごとに次に掲げる記録を実施

 1 患者の個人記録

 (1)経過記録

  ・患者について観察した事項、及び実施した看護の内容等
  ・病状安定期においてはその要点を記録する程度でもよい

 (2)看護計画に関する記録

  ・個々の患者ごとに、看護の目標、具体的な看護の方法及び評価等

 2 看護業務の計画に関する記録

  ・看護要員の勤務計画、及び業務分担
  ・看護師、准看護師の受け持ち患者割合当等
  ・患者の状態に関する評価の記録

◆責任者の配置、設備

 ・各病棟の看護単位ごとに看護の責任者を配置
 ・看護チームによる交代制勤務等の看護を実施
 ・ナース・ステーション等の設備を有する
 ・看護に必要な器具器械を設置

適時調査における具体的内容と指摘事項

「看護の実施(看護要員の業務、看護補助者の業務)」について、適時調査における具体的内容と指摘事項は以下にまとめた通りです。

  1. 当該保険医療機関の看護要員のみで看護が行われており、家族等の付添いは医師の許可を得ている。
    • [当日確認書類]
      家族の付添いについて医師の許可が確認できる書類(付添許可証等)(作成例3例)
  2. 各看護単位に看護の責任者が配置され、看護チームによる交代制勤務等の看護が実施されている。
  3. 各勤務帯のそれぞれで、1人の看護要員が実際に受け持っている入院患者数を各病棟内に掲示している。
  4. 看護補助者の業務範囲について、「医師及び医療関係職と事務職員等との間等での役割分担の推進について」(平成19年12月28日医政発第1228001号)にある、「2 役割分担の具体例(1)医師、看護師等の医療関係職と事務職員等との役割分担」に基づく院内規程を定めており、個別の業務内容を文書で整備していること。
    • [当日確認書類]
      看護補助者の業務範囲を定めた院内規程
  5. 患者ごとに看護計画が立てられ個々の患者の病状にあった適切な看護が実施されている。
    • [当日確認書類]
      看護記録(患者個人の経過記録、看護計画)(作成例3例)
  6. 看護記録について、次の事項を適切に記録している。
    ※看護に関する記録の作成に際しては、重複した記載を避け、簡潔明瞭な表現になっている。
    • 患者の個人記録(経過記録、看護計画)
      ※ 経過記録とは、個々の患者について観察した事項及び実施した看護の内容等を看護要員が記録するもの。病状安定期においては診療録の温度表等に状態の記載欄を設け、その要点を記録する程度でもよい。
      ※ 看護計画に関する記録とは、個々の患者について、計画的に適切な看護を行うため、看護の目標、具体的な看護の方法及び評価等を記録するもの。
    • 看護業務の計画に関する記録(看護業務の管理に関する記録、看護業務の計画に関する記録)
      ※ 看護業務の管理に関する記録とは、患者の移動、特別な問題を持つ患者の状態及び特に行われた診療等に関する概要、看護要員の勤務状況並びに勤務交代に際して申し送る必要のある事項等を、各勤務帯ごとに記録するもの。
      ※ 看護業務の計画に関する記録とは、看護要員の勤務計画及び業務分担並びに看護師、准看護師の受け持ち患者割当等について看護チームごとに掲げておくもの。看護職員を適正に配置するための患者の状態に関する評価の記録。
    • [当日確認書類]
      ・看護記録(患者個人の経過記録、看護計画)(作成例3例)
      ・病棟管理日誌(提出した様式9又は勤務表と同一期間のもの)

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