【検査の基準値】アルドラーゼ（ALD）

アルドラーゼ（ALD）の定義

アルドラーゼは嫌気性解糖系酵素のひとつで、通常では次の2つの反応を同時に触媒する作用をもつことが知られています。

アルドラーゼ（ALD）は3種類のアイソザイムからなります。

3種類のアイソザイムは、以下のものになります。

• 骨格筋、心筋、脾臓に高濃度に存在するA型（FDP-ALD）
• 肝臓に高濃度に存在するB型（FIP-ALD）
• A型とB型の中間型で脳、神経組織に多量に存在するC型

アルドラーゼ（ALD）の生理的変動

アルドラーゼ活性は、性別、年齢によって影響を受けます。

アルドラーゼ（ALD）の異常とその原因

アルドラーゼ（ALD）が高値の場合

アルドラーゼ（ALD）が高値の場合には、以下のことが考えられます。

• 筋組織異常
  ・多発性筋炎
  ・筋ジストロフィー症
  ・重症火傷
  ・心筋梗塞（初期）
• 血液疾患
  ・白血病
  ・溶血性貧血
  ・悪性貧血
• 肝疾患
  ・ウイルス性肝炎
  ・劇症肝炎
• 悪性腫瘍
  ・肝臓癌
  ・転移性肝臓癌
  ・脳腫瘍
• その他
  ・脳血管障害
  ・急性精神病
  ・急性腎炎
  ・甲状腺機能低下症

アルドラーゼ（ALD）が低値の場合

アルドラーゼ（ALD）が低値の場合には、以下のことが考えられます。

• テイ・サックス（Tay-Sachs）病
• 果糖不耐症