感染症通信

【新型コロナウイルス感染症通信[Vol.8]】鼻腔ぬぐい液を用いた新型コロナウイルス検査

鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 微生物学分野 教授 西順一郎先生がされている「新型コロナウイルス感染症通信」が、とても参考になったので引用し記載させて頂きました。

≪鼻腔ぬぐい液を用いたSARSCoV-2検査≫

発症2~9日目の患者では、SARS-CoV-2の抗原定性検査が可能ですが、検体として採取に十分な予防策が必要な鼻咽頭ぬぐい液しか認められていませんでした。しかし、厚生労働省の厚生科学審議会感染症部会で、抗原定性検査の検体として鼻腔ぬぐい液を用いることが大筋で了承され、近日中に指針が公開される予定です。

被験者の鼻腔に沿って2cm程度ぬぐい棒を挿入し、鼻甲介付近をゆっくり5回程度回転し、十分湿らせます。医療従事者の管理下であれば、被検者自身が検体を採取できるため、実用性と医療者の感染予防の面から有用な検体と期待されています。

背景に、鼻腔ぬぐい液と鼻咽頭ぬぐい液の抗原定性検査での陽性一致率が82.4%(14/17)だったという研究結果があります。診療所での検査にとても有用な方法ですが、検討した症例数が少ないこと、また COVID-19 では鼻汁が比較的少ないことから、今後の検証が必要と思われます。

鹿県医FAXニュース(2020.10.2)

要約&不明語句

鼻腔ぬぐい液を用いた新型コロナウイルス検査

「鼻腔ぬぐい液」と「鼻咽頭ぬぐい液」の抗原定性検査での陽性一致率が82.4%(14/17)という研究結果により、実用性と医療者の感染予防の面から有用な鼻腔ぬぐい液を用いた新型コロナウイルス検査が用いられることになった。

診療所での検査にとても有用な方法ですが、検討した症例数が少ないこと、また新型コロナウイルスでは鼻汁が比較的少ないことから今後の検証が必要。

鼻咽頭ぬぐい液

新型コロナウイルスは、上気道から感染するため、感染初期には鼻咽頭ぬぐい液は最も標準的で信頼性の高い検体と考えてよい。

反面、医療者が採取するため飛沫に曝露するリスクが高いため、感染予防策を徹底した上での実施が前提となり、また適切
な部位から採取する必要がある。

鼻腔ぬぐい液

検体採取時には、鼻孔から2 cm程度スワブを挿入し、挿入後スワブを5回程度回転させ、十分湿らせる。医療従事者の管理下であれば、被検者自身が検体を採取でき、医療者が採取する鼻咽頭ぬぐい液と同様に有用との報告がある。

一方、検出感度は鼻咽頭ぬぐい液と比較するとやや低いとの報告があり、引き続き検討が必要であるものの、実用性と医療者の感染予防の面から有用な検体である。