感染症通信

【新型コロナウイルス感染症通信[Vol.6]】新型コロナウイルスの治療薬

クワホピ

鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 微生物学分野 教授 西順一郎先生がされている「新型コロナウイルス感染症通信」が、とても参考になったので引用し記載させて頂きました。

≪COVID-19の治療薬≫

わが国のCOVID-19の致命率は5.4%から1.9%に低下しており、治療法の改善も一因と考えられます。現在の治療の3本柱は、抗ウイルス薬レムデシビル、免疫抑制薬デキサメタゾン、抗凝固薬ヘパリンです。

レムデシビルは、唯一の承認された抗ウイルス薬であり、RNAポリメラーゼを阻害します。in vitroの高い作用と臨床研究での有効性がすでに示されています。現時点では、酸素飽和度≦94%、または酸素吸入を要する患者に限定されていますが、それより軽症者でも有効性がみられており、今後早期投与も期待されます。

ファビピラビル(アビガン®)は、in vitro効果が十分でないという報告はありますが、臨床研究では有効性は否定されてはおらず、さらに評価が続いています。その他にも、HIVプロテアーゼ阻害薬ネルフィナビルの治験がわが国で始まっています。

ハイリスク者に診断時から投与できる経口薬の開発が期待されます。

鹿県医FAXニュース(2020.9.18)

要約&不明語句

新型コロナウイルスの治療法

我が国の新型コロナウイルスの致命率は、5.4%から1.9%に低下しており治療法の改善も一因と考えられている。

現在の治療の3本柱は、

  • 抗ウイルス薬レムデシビル
  • 免疫抑制薬デキサメタゾン
  • 抗凝固薬ヘパリン

レムデシビルは唯一の承認された抗ウイルス薬であり、RNAポリメラーゼを阻害

in vitroの高い作用と臨床研究での有効性

現時点では酸素飽和度≦94%、または酸素吸入を要する患者に限定

ファビピラビル(アビガン)はin vitro効果が十分でないと報告があるが、臨床研究では有効性は否定されていない

in vitro

in vitro(イン・ビトロ)とは、“試験管内で(の)”という意味で、試験管や培養器などの中でヒトや動物の組織を用いて、体内と同様の環境を人工的に作り、薬物の反応を検出する試験のことを指します。

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