感染症通信

【新型コロナウイルス感染症通信[Vol.5]】新型コロナウイルス抗原検査の偽陽性

鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 微生物学分野 教授 西順一郎先生がされている「新型コロナウイルス感染症通信」が、とても参考になったので引用し記載させて頂きました。

≪SARS-CoV-2抗原検査の偽陽性≫

最近SARS-CoV-2抗原検査の偽陽性事例をよく聞きます。入院措置がとられるCOVID-19では、検査の誤りは人権の制限になるだけでなく、差別などの社会問題を起こします。また救急疾患では、本来の病気の治療が遅れることにもつながります。

PCR検査が陰性で抗原検査が陽性になる割合は、添付文書等によると2.2%~3.6%です。PCR検査が正しいとすると、50人に1人が偽陽性になります。COVID-19に矛盾しない症状があったとしても、接触歴がなく流行状況から可能性が低い場合は、より精度の高いPCR検査による確認が望まれます。

PCR法やLAMP法にも偽陽性はみられます。正確な偽陽性率は不明ですが、0.1~1%と言われています。ある種類のPCR検査が陽性でも別の方法では陰性ということもあります。事前確率の低い無症状者に対するPCR検査は、陽性であっても間違いである可能性があることに注意が必要です。

鹿県医FAXニュース(2020.9.11)

要約&不明語句

新型コロナウイルス検査の偽陽性

偽陽性とは「真の陰性」の検査結果が「間違って陽性」と判定されること

抗原検査の偽陽性

「PCR検査:陰性」「抗原検査:陽性」の割合2.2%~3.6% → 50人に1人が偽陽性

PCR法やLAMP法の偽陽性

正確な偽陽性率は不明だが、0.1~1%と言われている → 1000人に1人が偽陽性

ある種類のPCR検査が陽性でも別の方法では陰性ということもあり、事前確率の低い無症状者に対するPCR検査は陽性であっても間違いである可能性があることに注意が必要。

新型コロナウイルス抗原検査

抗原検査とはウイルスに感染した細胞が特異的に産生する抗原を検知して診断に導く検査のことを言います。PCR検査とともに、新型コロナウイルス感染症の確定診断に用いることができます。

PCR法

PCR法はDNA配列上の特定の領域(目的領域)を、耐熱性DNAポリメラーゼを用いて増幅させる方法です。

LAMP法

標的遺伝子の6つの領域に対して4種類のプライマーを設定し、鎖置換反応を利用して一定温度で反応させること