感染症通信

【新型コロナウイルス感染症通信[Vol.25]】新型コロナウイルスのsubgenomic RNAについて

鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 微生物学分野 教授 西順一郎先生がされている「新型コロナウイルス感染症通信」が、とても参考になったので引用し記載させて頂きました。

≪SARS-CoV-2のsubgenomic RNA≫

COVID-19では軽快後も長期間PCR陽性が続きますが、感染性のあるウイルス粒子は存在せず、ゲノムRNAが残存しているだけと説明されています。しかし、RNAは生体内のヌクレアーゼで容易に分解されるため、長期間残存することは不可解でした。

コロナウイルスの複製・転写は、細胞質の二重膜小胞(double-membrane vesicles)内で行われていますが、最近の研究で、この二重膜小胞中にゲノムRNAの約2~20倍の量のさまざまな長さのsubgenomic RNAが生成されていることが明らかになりました(Alexandersen S. Nat Commun, 2020)。これらのsubgenomic RNAは二重膜小胞によってヌクレアーゼによる分解を免れているということです。

無症状でPCR陽性になる場合にも、感染性のあるウイルス粒子ではなく、subgenomic RNAだけを検出しているケースがあるかもしれません。

鹿県医FAXニュース(2021.2.5)

要約&不明語句

新型コロナウイルスのsubgenomic RNAについて

新型コロナウイルス感染症では軽快後も長期間PCR陽性が続くが、感染性のあるウイルス粒子は存在しない。

この陽性の理由は、ゲノムRNAが残存しているだけと説明されている。

そのため、無症状でPCR陽性になる場合にも感染性のあるウイルス粒子ではなく、subgenomic RNAだけを検出しているケースがあるかもしれない。