【新型コロナウイルス感染症通信[Vol.24]】鹿児島県の新型コロナウイルス感染症の状況について
クワホピ
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 微生物学分野 教授 西順一郎先生がされている「新型コロナウイルス感染症通信」が、とても参考になったので引用し記載させて頂きました。
≪鹿児島県のCOVID-19の状況≫
鹿児島県の感染拡大の警戒基準がステージ3に引き上げられました。ステージ3は、感染者の状況が「急増」、医療救急体制が「支障を避ける対応が必要」とされています。1月下旬になり、病床のひっ迫具合を示す確保病床の占有率が30%台になっていることが大きな理由と思われます。介護施設の大きなクラスター発生で入院患者が増加するとともに、入院患者における高齢者の割合が増え、受け入れ医療機関の負担が大きくなっています。
一方、直近1週間の人口10万人当たり新規感染者数は1月9日の12.2をピークに、28日には6.0まで減少しています。市中感染のリスクは年末年始より比較的落ち着いてきていると言えますが、鹿児島市の数字は10.8と高くまだ油断はできません。高齢者の陽性者がこれ以上増え重症者が増加すると、通常の医療への影響が懸念されます。とくに高齢者施設でのクラスター発生がないよう警戒が必要です。
鹿県医FAXニュース(2021.1.29)
要約&不明語句
鹿児島県における感染拡大の警戒基準
- 主旨
- 新型コロナウイルス感染症対策については、医療・公衆衛生に置いて、①十分に制御可能なレベルに感染を抑制し、死亡者・重症者数を最小化する。②感染レベルをなるべく早期に減少に転じさせる。 ことに取り組んだ上で、経済との両立を図ることが重要である。
- このため、感染状況等を継続的に監視し、その変化が見られた場合、県民に対して適切に情報提供を行い、感染拡大への警戒を呼びかけるとともに、感染状況の変化等に応じて、外出自粛や休業等の協力要請を検討するなど、県民に対して「本県の感染状況や対策等の見える化」(警戒基準の設定)を図るものである。
- 警戒基準
- 感染及び医療提供体制の状況に応じて、ステージⅠからⅣを設定。
- ステージの判断に当たっては、医療提供体制等への負荷、監視体制、感染の状況からなる6つの指標を踏まえ、専門家の意見も考慮した上で、とくに社会的な基盤である医療提供体制を確保する点を重視して、総合的に判断する。
- 各ステージにおいて取り組むべき施策については、基本的な感染予防の徹底、集団感染の早期封じ込めなど、専門家の意見も踏まえ、総合的に判断する。
- とくに、本県は多くの有人離島を有しており、離島においては医療提供体制が脆弱であることから、ステージⅠ及びⅡの段階であっても、ステージⅢで講ずべき施策の一部をエリア限定で実施する場合も含め、離島の特殊性を踏まえて、総合的に判断する。
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