感染症通信

【新型コロナウイルス感染症通信[Vol.20]】新型コロナウイルスの変異株について

鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 微生物学分野 教授 西順一郎先生がされている「新型コロナウイルス感染症通信」が、とても参考になったので引用し記載させて頂きました。

≪SARS-CoV-2の変異株≫

イギリスのSARS-CoV-2変異株が話題になっています。RNAウイルスは変異しやすく、SARS-CoV-2では1か月に2塩基の速度で塩基に変異がみられ、一部がアミノ酸の置換につながります。

今回の変異株が問題になっているのは、スパイクタンパク質のレセプター結合部位に複数のアミノ酸変異がみられているためです。中でもN501Yという変異がACE2との結合力を高め、伝播しやすくなったと推定されています。これらの変異をもつB.1.1.7系統の株が10月以降急速に広がり、流行株の10%を占めています。

すでに9月に、SARS-CoV-2をマウスに継代接種すると、ACE2と結合しやすいN501Y変異株が出現するという実験結果が中国から発表されていましたが、実際にこの変異株がヒトでも出現してきたのには驚かされます。今のところ、病原性やワクチン効果には影響がないことは幸いですが、水際対策の強化が重要です。

鹿県医FAXニュース(2020.12.25)

要約&不明語句

変異株

ウイルスに変異が起こると、ウイルスが感染しやすくなったり治療薬が効かなくなったりするなど、ウイルスの性質変化が起こります。

N501Y変異株

南アフリカ共和国では、12月に入ってから新型コロナウイルスの新規患者報告数が急増していますが、新規変異主(N501Y)の割合が80~90%に増加していることを報告しました。