感染症通信

【新型コロナウイルス感染症通信[Vol.30]】日本のワクチン開発

鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 微生物学分野 教授 西順一郎先生がされている「新型コロナウイルス感染症通信」が、とても参考になったので引用し記載させて頂きました。

≪日本のワクチン開発≫

ファイザーのCOVID-19ワクチンの供給には制限があり、高齢者への接種が遅れています。国産ワクチンは一部で第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験が始まっていますが、有効性の確認にはまだ時間がかかります。なぜ日本はこれだけ世界に遅れをとったのでしょうか。

ワクチン開発には多額の費用がかかり、欧米では国が主導的役割を果たし、産学共同の開発体制ができています。わが国でも1960年代から国と企業が協力して多くの国産ワクチンを開発してきた歴史があります。しかし、1992年の種痘後有害事象に関する東京高裁判決で国が敗訴したことなどを契機に、ワクチン行政は消極的になりその後無策の期間が続きました。

2007年に「ワクチン産業ビジョン」が策定され基礎研究は進みつつありますが予算は限られており、大規模な臨床試験を実施し実用化するワクチン関連企業の成長は不十分です。ワクチンの基礎研究への支援と国内ワクチン産業の育成が求められます。

鹿県医FAXニュース(2021.3.12)

要約&不明語句

日本のワクチン開発が遅れている理由

  • 欧米:国が主導的役割を果たし、産学共同の開発体制ができている
  • 日本:1960年代から国と企業が協力して多くの国産ワクチンを開発してきた歴史はあるが、1992年の種痘後有害事象に関する東京高裁判決で国が敗訴したことなどを契機に、ワクチン行政は消極的になりその後無策の期間が続いている。

2007年:「ワクチン産業ビジョン」が策定されたが予算は限定されている。