感染症通信

【新型コロナウイルス感染症通信[Vol.29]】4種類目のSARSCoV-2変異株について

鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 微生物学分野 教授 西順一郎先生がされている「新型コロナウイルス感染症通信」が、とても参考になったので引用し記載させて頂きました。

≪4種類目のSARSCoV-2変異株≫

イギリス、南アフリカ、ブラジル由来の3つの変異株は、スパイクタンパク質のレセプター結合部位にアミノ酸変異がみられますが、感染力を36~75%高めるというN501Y変異がすべての株に共通しています。一方、抗体の中和活性を弱めるとされるE484K変異は、多くのイギリス株にはなく、南アフリカ株とブラジル株に存在します。

感染研は、N501Y変異はなくE484K変異をもつ新たなB.1.1.316系統が、空港検疫で2件、関東全域で91件確認されていることを2月19日に発表しています。これまでの国内の系統ではなく、海外由来と思われますが、発生国は特定できていません。

E484K変異株に対するファイザーワクチン接種後の血清抗体の中和活性は、これまでの株に対する活性の1/3~1/4に低下していることが報告されており、ワクチンの有効性に影響が出る可能性があります。この変異株についてもサーベイランスが必要です。

鹿県医FAXニュース(2021.3.5)

要約&不明語句

スパイクタンパク質=ウイルスがヒトの細胞へ侵入するために必要なタンパク質。

  • N501Y変異:感染力を36~75%高めるアミノ酸変異
  • E484K変異:抗体の中和活性を弱める

イギリス株南アフリカ株ブラジル株B.1.1.316系統
N501Y変異
E484K変異

E484K変異株に対するファイザーワクチン接種後の血清抗体の中和活性は、これまでの株に対する活性の1/3~1/4に低下しているため、クチンの有効性に影響が出る可能性が懸念されている。