感染症通信

【新型コロナウイルス感染症通信[Vol.17]】新型コロナウイルスにおけるウイルス血症について

鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 微生物学分野 教授 西順一郎先生がされている「新型コロナウイルス感染症通信」が、とても参考になったので引用し記載させて頂きました。

≪COVID-19におけるウイルス血症≫

ウイルス感染症は、増殖部位が粘膜に限定される粘膜感染とリンパや血流によって全身に広がる全身感染に分けられます。インフルエンザは粘膜感染でウイルス血症は起こりませんが、免疫応答による全身症状がみられます。麻疹や風疹は全身感染でウイルス血症が起こります。

COVID-19では血清からSARS-CoV-2のRNAが検出されますが、その頻度は1~41%と幅があり、重症例で検出率が高くなります。感染力のあるウイルス粒子が存在するかどうかはわかりません。

すべての患者で検出されるわけではないので、COVID-19の病態は基本的には粘膜感染だと思いますが、感染部位であるⅡ型肺胞上皮細胞の直下には血管内皮細胞が存在するため、血管内に侵入しやすいのかもしれません。

一部の患者でみられるウイルス血症(正確にはウイルスRNA血症)が、COVID-19の多彩な症状や後遺症と関連しているかどうか、今後の検討が必要です。

鹿県医FAXニュース(2020.12.4)

要約&不明語句

新型コロナウイルスにおけるウイルス血症について

ウイルス感染症

粘膜感染:増殖部位が粘膜に限定される

全身感染:リンパや血流によって全身に広がる

ウイルス血症

ウイルスが血流に侵入し全身へと移動すること。

免疫応答

免疫における感染防御において、病原体や花粉などの物質が体内に侵入してきたときに、異物を攻撃するなどの体を守る免疫細胞の一連の反応のこと