感染症通信

若年層への新型コロナウイルスワクチン3回目接種の利益は?

クワホピ

鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 微生物学分野 教授 西 順一郎先生のお話です。

鹿児島県の 3 回目接種率は、12~19 歳4.0%、20 代 25.0%、30 代 25.9%と若年層でまだ低いレベルです。若年層の重症化がまれになり、3 回目を接種しても感染者がみられる状況では、ベネフィット(利益)を感じられないのも無理はありません。

3 回目接種の発症予防効果は 60~70%程度ですので、接種後にも多くの感染者が出ますが、全体としては確実に発症者を減らしています。またこれまでの 2 回接種での臨床研究から、接種後に発症しても同居家族への 2 次感染率が未接種者に比べて約半分になることがわかっています。もし接種後に感染しても周囲の人を守るベネフィットがあります。

さらに、罹患後症状が残るLong COVIDも、若年層では接種していれば約 1/3 に減少します。オミクロン株でも後遺症の相談は多いようですので、3 回目接種のベネフィットは大きいと考えます。流行抑制には若年層への 3 回目接種が欠かせません。

鹿 県 医 F A X ニ ュ ー ス<新型コロナウイルス感染症通信 vol.83>

鹿児島県の若年層の新型コロナウイルスワクチンの3回目接種率は以下の通りでまだ低いレベルです。

  • 12~19歳: 4.0%
  • 20代: 25.0%
  • 30代: 25.9%

接種率が低い理由は、若年層の重症化がまれであるためワクチン接種によるベネフィット(利益)を感じられないことによります。

ちなみに、新型コロナウイルスワクチン3回目接種後の発症予防効果は60~70%程度で、接種後にも多くの感染者が出ます。

ただ、

  • 全体の発症者を減らしている
  • 接種後の発症では同居家族への2次感染率が未接種者に比べて約半分になる
  • 罹患後の症状が接種していれば約1/3に減少する

などの効果があることから、3回目接種のベネフィットはとても大きく、新型コロナウイルスの流行抑制には若年層への3回目接種が欠かせないです。

3回目接種後の副反応や発症予防効果(60~70%)を考えると、ワクチン接種の必要性を感じにくい方は多くいらっしゃいますが、発症後の家族への2次感染率が減少することや罹患後の症状が減少することを考えると、3回目の接種の重要性を感じることができそうです。


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