医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応について(2月28日付)
国立感染症研究所、および国立国際医療研究センターが作成した「新型コロナウイルス感染症に対する」感染管理が改訂され、外来における感染防止のための留意事項が記載されました。
新型コロナウイルス感染症に対する感染管理
今回の留意事項については、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が疑い場合の感染予防策について、医療関係者および保健所が参照することを想定して作成されたものです。
今後、疫学的所見や病原体に関する新たな知見の蓄積に伴い、この太陽は適宜更新される予定です。
なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の疑いに関わらず、原則として以下の3項目については常に行うべき内容になります。
① 外来患者の待合室
外来患者の待合室では、発熱や呼吸器症状を訴える患者とその他の患者、または発熱や呼吸器症状を訴える患者どうしが、一定の距離を保てるように配慮する。呼吸器症状を呈する患者には、サージカルマスクを着用させる。
② 医療従事者の標準予防策
医療従事者は、標準予防策を遵守する。つまり、呼吸器症状のある患者の診察時には、サージカルマスクを着用し、手指衛生を遵守する。サージカルマスクや手袋などをはずす際には、それらにより環境を汚染しないよう留意しながらはずし、所定の場所に破棄する。さらに手指衛生を遵守し、手指衛生の前に目や顔を触らないように注意する。
③ 健康管理
医療従事者は、健康管理に注意し、発熱や呼吸器症状を呈した場合には、診療行為を行わずに休職するようにする。
確定例、疑似症患者、濃厚接触者等の診療時の感染予防策
新型コロナウイルス感染症の患者(確定例)、疑似症患者、濃厚接触者のうち、何らかの症状を有する者を診察する場合、
- 標準予防策に加え、接触・飛沫予防策を行う
- 診察室および入院病床は個室が望ましい
- 診察室および入院病床は十分換気する
- 患者の気道吸引、気管内挿管、検体採取などエアロゾル発生手技を実施する際には、N95マスク(またはDS2など、それに準ずるマスク)、眼の防護具(ゴーグル、またはフェイスシールド)、長袖ガウン、手袋を着用する
- 患者の移動は医学的に必要な目的に限定する
なお、職員(受付、案内係、警備員など)も標準予防策を遵守します。
N95マスクの使用に際しては、事前のフィットテストと着用時のシールチェックを行い、マスク、ゴーグル、またはフェイスシールド、長袖ガウン、手袋などのPPEを脱ぐ際の手順に習熟し、汚染されたPPEにより環境を汚染しないように注意します。
手指衛生を実施しないまま、自身の眼や顔面を触れないようにします。
自宅等での感染予防
濃厚接触者への指導
濃厚接触者については、保健所が咳エチケットと手指衛生を徹底するように指導し、常に健康状態に注意を払うように伝える。濃厚接触者と同居している者には、サージカルマスクの着用および手指衛生を遵守するように伝える。
濃厚接触者の着用したマスクについて
濃厚接触者が着用しているマスクについて、一度着用したものは、食卓などに放置せず、廃棄するようにする。また、マスクを触ったあとは、必ず手指衛生をすることを指導する。
濃厚接触者の医療機関への受診
濃厚接触者が、発熱、または呼吸器症状を呈し、医療機関を受診する際には、保健所に連絡の上、受診する。
洗濯
廃棄物処理、リネン類、衣類等の洗濯は通常通りで良い。
環境整備
環境中における新型コロナウイルスの残存期間は、現時点では不明です。
他のコロナウイルスについては、20度程度の室温のプラスチック上で
- SARS-CoV 6~9日
- MERS-CoV 48時間以上
とする研究があります。
インフルエンザウイルスA(H1N1)pdm09の残存時間は数時間程度であり、SARS-CoV(6~9日)、MERS-CoV(48時間以上)は、インフルエンザウイルスに比較して残存期間が長いです。
これを考えると、新型コロナウイルスについてもインフルエンザウイルスに比較して、環境中に長く残存する可能性があり、医療機関や高齢者施設、不特定多数が利用する施設内、濃厚接触者の自学においては、アルコール清拭による高頻度接触面や物品等の消毒の励行が望ましいです。